北欧旅行第4日目。
ゴールデンサークルを巡ります。
6:24、起床。
毎日1時間ずつ時間がずれているにしては
割と同じくらいの現地時間に起きていますね。
今日は現地のツアーに参加して、
Reykjavík(レイキャビク)周辺にある地質学の聖地、
通称ゴールデンサークルを巡ります。
先月からReykjavík市街でのピックアップは
ホテル前ではなく指定のバス停のみに制限されたそうなので、
BSÍバスターミナルで待ちます。
予定時刻を10分過ぎても迎えが来ないので焦りましたが、
15分を過ぎた辺りで現れました。
意外とアイスランド人も時間にルーズ?
フェロー諸島とはまた一味違う壮大な地形の中を走ります。
小一時間走ると右手に大きな湖が見えてきました。
Þingvellir(シングヴェトリル)に到着。
アイスランドで最も大きな湖です。
アイスランドと聞いて貴方は何を思い浮かべるでしょうか?
温泉?文字通り氷?
それとも、地理の授業で習った大地の裂け目、ギャオ?
そう、ここは地下からマグマが湧き出して、
北アメリカプレートとユーラシアプレートが生まれる地。
世界で唯一、プレートの生まれる海嶺が
地上に顔を出している場所こそ、
このアイスランドなのです。
そして、ここで共に生まれ、別れたプレートが再会し、
再び地中へと沈み込む地が糸魚川静岡構造線。
ここで生まれた大地が何十億年も旅をして
日本まで辿り着くと思うと、
地球のスケールの大きさに驚かされます。
パックリと裂けた大地。
これがギャオ…
かと思ったのですが、
これは北アメリカプレートの端っこだそうです。
裂けているのは単に風化によるものだとか。
このÞingvellirはプレートの始まりの地であると共にもう一つ、
アイスランドという国家の始まりの地でもあります。
930年にここでAlþingi(アルシング)という
世界最古の近代議会が開かれたのがここ。
そして、この後ろに写っている岩が
Lögberg(法の岩)という、
議長となる法官が座った場所だとか。
結構危なっかしい場所に座るんですね…
カモが泳ぐ美しい池。
ここはDrekkingarhylur(処刑の池)と呼ばれ、
Alþingiで有罪判決を受けたものが
溺死させられたという場所だそうです。
Þingvellirを見終えたら、
北アメリカプレートからユーラシアプレートに渡ります。
この澄んだ池が正にギャオだとか。
水の透明度は非常に高く、
アイスランド随一のダイビングスポットになっています。
温泉が湧き、別荘や保養所が建ち並ぶという
日本の箱根のようなLaugarvatn(ロイガルヴァトン)。
アイスランドは地名がややこしいです。
アイスランドはその隔絶された地理的要因と、
デンマークからの独立の際に、
国語を大切にして外来語を排除しよう!
という戦時中の日本みたいな運動が起こった事で、
ヴァイキングの時代の言語がほぼそのまま残っており、
特に発音は外国人からすると奇妙なものが多いです。
例えば、数年前に噴火して全欧州の飛行機を止め、
世界中のアナウンサーを苦しめた
Eyjafjallajökull(エイヤフィヤトラヨークトル)とか、
中学校の地図帳に載っていたなら人気が出そうな
Kirkjubæjarklaustur
(キルキュバイヤルクロイストゥル)とか、
早口言葉みたいな単語が山ほどあります。
しかも、このカタカナ転写よりも遥かに曖昧に、
口籠った感じで発音されるので、
何を言っているのか本気で分かりません。
次にやって来たのはGeysir(ゲイシール)。
間欠泉で有名な地熱地帯です。
英語で間欠泉を意味する”geyser”という単語は
このGeysirが元になっているというほど。
辺り一面から湯気が出ています。
これが現在最も活発に活動している
Strokkur(ストロックル間欠泉)。
周囲で大勢の観光客が待機しています。
うおっ、いきなり噴き出した!
何の前触れも無く一瞬で噴き出します。
ブシャーと継続的に上がるのかと思いきや、
ドンッ!と打ち上げるような感じです。
Blesi(ブレシ)と名の付いた乳白色の温泉。
この穴だけが乳白色で、他の穴は透き通っています。
おっ、また噴出してる。
あんな高さまで上がっていたっけ…
遠くから見た方がより大きさが分かるような気がします。
実は今のStrokkurの3~4倍の高さまで湖を噴き上げる、
Great Geysir(グレート・ゲイシール)という間欠泉もあるのですが、
地殻変動や火山活動の影響を極めて受け易く、
現在ではあまり活動していないのだそうです。
火山が噴火する前後で活発になるとか。
残念なような、ほっとしたような…?
Geysirの後はちょっと牧場に寄り道。
ちょっとちんちくりんなアイスランド馬です。
寒い地域だからでしょうか。
北海道の道産子にも似ていますね。
海外の馬がアイスランドに来る事は
種の保存の為に禁止されており、
アイスランド馬でさえ一度海外に出ると
もう二度とアイスランドの地は踏めないのだとか。
さて、お次は滝です。
この割れ目の先にあるのが…
Gullfoss(グトルフォス)です!
おお、何という壮大な瀑布。
想像していたより遥かに激しく、
水が轟音を立てて流れ落ちています。
遊歩道も水飛沫でびしょ濡れです。
ここまで近付く事が出来ます。
水飛沫もさる事ながら音が物凄いです。
おっ、虹が架かった!
丁度陽光が射し込んできて虹が現れました。
良いですねー。
ここは嘗て水力発電所を造る計画が持ち上がったそうなのですが、
この滝を壊す事に地元の一人の少女が強く反対。
遂には建設を中止しなければ
滝に身投げするとまで言い出し、
文字通り身を投げうってまでこの滝を守りました。
そのお蔭で今はこれだけの観光客が押し寄せるのだから、
アイスランド人は少女に感謝しないといけませんね。
Gullfossの水源は彼方に見える氷河
Langjökull(ラングヨークトル)。
これだけ綺麗に見えるのは相当珍しいとか。
今回は天候に恵まれていて嬉しい。
北欧は中々晴れないんですよ!
本来はKerið(ケリズ)という火口湖に寄る筈なのですが、
何故かFaxa(ファクサ)という滝に変更されました。
滝はさっき見たから、火口湖の方を見たかったんだけど…
何かの事情で閉鎖されているのかと思いきや、
帰りに通り過ぎた際には普通にバスが停まっていたので、
渋滞対策か何かなのでしょうか。
帰りに見掛けた温室。
地熱を利用して、何とバナナを栽培しているそうです。
何故よりにもよって熱帯植物のバナナを…
そして、地面を這うこの謎のパイプラインは勿論原油…
ではなく、温泉です。
地熱発電所へ温泉を供給するパイプラインのようです。
流石は地熱大国アイスランド。
何でもかんでも地熱で解決しようとする姿勢が潔いです。
16時半にBSÍバスターミナルに帰着。
「バス」って意外と世界共通語みたいな感じなので
何語でも”bus”の綴りは残っている事が多いのですが、
アイスランド語は”Umferðarmiðstöðin”って…
(「バス」そのものは”rútu”らしい。)
17時過ぎでも真昼間のような明るさのReykjavík。
時間間隔が狂いそうになりますが、
疲れたので早めの夕食に向かいます。
まるで玄武岩の如く黒いパン。
流石は地熱大国アイスランド(?)
そしてやっぱり魚介が美味しい!
自然は綺麗だし、食べ物も美味しい…
これで物価さえ安ければなぁ。
コメント