(無題)

今日はそこそこの天気の三連休中日。
実は前々から行きたいと思っていた場所があるのです。
今日は久し振りに朝から出掛ける事にしました。

5:00、起床。
既に蒸し暑い中朝食を済ませて北千住駅へ向かいます。


6:22発東武伊勢崎線区間急行太田行きに乗車。
眠いので暫し寝ます。

7:29、川俣駅に到着。
ここでぐんまワンデー世界遺産パスを買います。
ぐんまワンデー世界遺産パスとは、
群馬県内とその周辺の鉄道が
私鉄も含めて一日乗り放題というお得な切符。
ときわ路パスの群馬県版ですね。
群馬県内でしか買えないのが玉に瑕ですが…
…え?群馬県内でも東武鉄道の駅では買えない?
JR高崎支社の企画切符だからJRの駅でしか買えない!?


7:45発東武伊勢崎区間急行館林行きに乗り換え。
いきなり躓いてしまいました。
まあ、仕方無い…
兎にも角にも、最寄りのJR駅に向かいます。


7:53発東武小泉線各停西小泉行に乗り換え、
東小泉駅で8:08発東武小泉線各停赤城行きに乗り換え。
折角なので小泉線を乗り潰しておきます。
小泉線は「と」の形をしているので、
以前の西小泉からの乗車だけでは
東小泉-太田間が残ってしまっていたのです。
房総とはまた微妙に雰囲気の違う田んぼの中を走ります。


太田駅で8:22発東武伊勢崎線各停館林行きに乗り換え。


8:32、足利市駅に到着。
全く降りる予定の無かった足利。
群馬らしい猛暑をちょっと期待していたのですが、
薄曇りだからかそこまででもありませんでした。


渡良瀬川を越えた先にJR両毛線の足利駅があります。
しかし、JR両毛線は本数が少なく、
乗り継ぐ列車までは1時間あるので、
転んでもタダでは起きるまいと足利観光してみる事に。


カルガモが飛び出してくるのか…
流石群馬県。
辺りを見回しましたが、残念ながら居ませんでした。


カルガモがお堀に棲む鑁阿寺。


全然観光客が居なくて静かで良い雰囲気です。
連休の中日にこれで大丈夫かという気もしますが、
僕が帰る頃にはぽつぽつと観光客が来ていました。


相田みつを御用達の蕎麦屋。
ここの女将が相田みつを作品の初購入者だとか。
相田みつをって足利の人だったのか…


足利学校。
足利市曰く日本最古の学校だそうです。
中世では関東の最高学府だったとか。


もう少し色々見てみたい気もしましたが、
今回の主目的は足利ではないので自重します。
足利駅でぐんまワンデー世界遺産パスを購入。


9:32発JR両毛線普通高崎行きに乗車。


桐生駅で10:05発わたらせ渓谷鐵道間藤行きに乗り換え。
これが今日の最大の目的。
国鉄足尾線を第三セクター化したわたらせ渓谷鐵道です。
あぁ~、ディーゼルの音が堪らねえぜ。


その名の通り、ほぼ全然に渡って
渡良瀬川に沿って走ります。


足尾銅山から産出した銅の輸送という大義名分があり、
明治44年に開業した古い路線なだけあって、
設備も歴史あるものが多いです。
この上神梅駅は大正元年の建築で、
国の登録有形文化財にもなっているとか。
この他、幾つもの駅舎や橋梁、トンネルも
有形文化財に登録されており、
わたらせ渓谷鉄道は正に現役の文化財と言えるでしょう。


この辺りは古路瀬渓谷という渓谷だそうです。
渓谷鉄道の名に恥じずちゃんと渓谷を走っていますね。


水沼駅。
駅舎に温泉が入っているそうです。
温泉かぁ…
久しく入ってないな…


列車は山の中へと分け入っていきます。
何処となく中国地方っぽさがある…ような?


神戸駅。
「こうべ」ではなく「ごうど」です。
半田の神戸川と同じ読みですね。
ここも登録有形文化財です。
売り子が居て、カレーパンや
塩ジャガイモを売っています。
塩ジャガイモを押し売られてしまった…


また、この駅には列車のレストラン清流という、
東武の特急けごんで使われていた車両を使った
食堂車風レストランもあります。


待合所がやけに趣のある沢入駅。
ぐんまワンデー世界遺産パスの有効範囲はここまでです。
この先は栃木県日光市足尾町。
僕は以前勘違いしていたのですが、
足尾銅山は群馬県ではなく栃木県なのです。
鉱害の被害は群馬県も受けまくっていますが。
小串鉱山と言い、県境付近で採られるだけ採られて
毎度鉱毒ばかり撒き散らされる群馬県はちょっと可哀想。


わたらせ渓谷鐵道沿線で一番車窓が美しい
と車内放送で案内されていた区間。
御影石がごろごろ転がっています。
でも、水量が少な過ぎてちょっと微妙なような…


緑で一杯の線路を駆け上がります。


県境を越えて現れた町は
やけに廃墟の多い寂れた町です。


銅の精錬所跡らしき廃墟が現れました。
もうそろそろですね。


坑内を見られる足尾銅山観光の最寄りは通洞駅、
足尾町の中心地は足尾駅なので、
10人程度乗っていた乗客は全て降り、
終点まで行くのは僕一人だけのようです。


11:42、間藤駅に到着。


ここは「時刻表2万キロ」という、
当時の国鉄の全路線を乗り潰すという
現代の乗り鉄小説の先駆けとも言えるルポタージュで、
最後の最後に登場して乗り潰し完了のトリを飾った駅。
待合室でもその事をアピールしていました。
ただ、この小説僕も持っているけど、
足尾線(当時)の事はかなりボロクソに書かれていた気が…


しかし、人気の無い場所だな…
駅にレンタサイクルがあると聞いたんだけど…
運転手さんに中の人を呼んでもらって
何とか借りる事が出来ました。
無音の駅前通りを上ります。


廃止された踏切。
そもそも足尾銅山の銅を輸送する為に敷かれた足尾線。
嘗ては間藤駅から先も貨物線が延びていました。


しかし、足尾銅山閉山に伴い、
足尾線の末端区間も廃止。
自然に任せて朽ち果てるままとなっています。


青緑色の美しい渡良瀬川。
この水の色って、やっぱり銅由来なのかな…


対岸に廃線跡が見えますが、
その脇の道は関係者以外通行禁止です。


終点の足尾本山駅跡への線路も
余り近付けませんでした。
もうちょっとくらい見させてくれても良いのに…
年々制限が厳しくなっているらしいですね。


足尾銅山社宅跡。
と言っても、ただ植樹された原っぱがあるだけで
看板の他にはそれと分かるものはありません。
この辺りはほぼ無人地帯と化しており、
携帯電話もauでは圏外です。


水の一切流れていない砂防ダム。
足尾銅山一帯は一度禿山になった為に土砂が流出し易く、
土砂災害警戒区域がかなり存在します。
というか、間藤全域が警戒区域なんじゃなかろうか。


民家の全く存在しない地域を上っていくと、
巨大な建造物が見えてきました。


足尾ダムです。
一見すると貯水用か発電用のダムに見えますが、
実はこれも砂防ダム。
砂防ダムにしては驚くべき巨大さです。
辺り一帯は銅親水公園として整備されています。


もっと近くから谷筋を見たいので、
銅親水公園から延びていた
展望広場への道を進んでみます。
草茫々で全然整備されていないな…


「展望」広場も整備がされておらず、
雑木が生い茂って余り展望がありません。


今度は登らずに水平な道を歩いてみます。
岩を刳り貫いてパイプが通されていますね。
そんなに大きな岩でもないし、
普通に横を通せば良かったのでは…
そんなに粘度が高いか、流速の早いものが流れているのかな?


歩道は岩を巻きます。
かなり細く、踏み外したら河川敷まで落ちそうです。


この先はパイプの上を歩くようですが、
関係者以外立入禁止になっていました。
残念。


一度は足尾銅山の鉱毒で禿山と化した松木渓谷。
絶賛植林中だそうで、今は結構緑があります。
数年前の写真ではまだ木は殆ど育っていなかったのですが…


また、数年前までは松木渓谷脇の林道も走れたそうですが、
今では厳重なゲートが設置されています。
しかし、流石に歩行者や自転車は行ける筈…


えっ、歩行者・自転車諸共立入禁止なの!?
何でそんなに厳重になったんだろうか…
廃墟マニアが大挙して訪れたんだろうか…
残念。


これ以上進めないとなると大してやる事が無いので、
予定より1本早い列車に乗るべく
急いで自転車で坂を下ります。
うおっ、雨がぱらついてきた!


13:28発わたらせ渓谷鐵道桐生行きに乗車。


沢入-間藤はフリー切符の範囲外なので
車掌さんから車内補完券を購入します。
わたらせ渓谷鐵道の揺れる車内で入鋏するのって
結構高等技術な気が…


桐生駅から少し歩いて西桐生駅へ。
次の私鉄に乗ります。
群馬県中部を東西に横断する上毛電気鉄道です。


自動販売機には上毛電気鉄道の鉄道むすめ、
北原ゆうきのイラストが描かれています。
結構大々的に推してきていますね。
ちなみに、隣はぐんまちゃんです。


窓口では色々お土産が売っているのですが、
人気No.1は乗務手帳だそうです。
売って良いんだろうか…


15:16発上毛電気鉄道中央前橋行きに乗車。


この列車は風鈴列車という列車だそうで、
車内には数多くの風鈴が吊るされています。
主に加減速時に鳴ってとても涼しげ。
もしかして、猛暑の群馬県で少しでも冷房代を節約する為に…
と思うのは勘繰り過ぎでしょうか。
千代田線のオンボロ車両も全然冷房が効いていないから
風鈴を吊るしておいて欲しい。


天王宿-桐生球場前間でわたらせ渓谷鐵道をオーバークロス。


そして、桐生球場前-赤城間では東武桐生線と並走します。
この桐生から赤城の間では
JR両毛線、東武桐生線、上毛電気鉄道、わたらせ渓谷鐵道が
複雑に入り組んでいて中々にカオスです。
何故かJR両毛線と東武桐生線だけは接続していないので
乗り換えようとする際は注意しましょう。


膳。
膳膳。
…このネタが分かる人はどれくらい居るんだろうか。


上毛のシンボル、赤城山。
今日は霞んでいますね。


大胡駅には何故か大型の鉄道模型が。
子供くらいなら乗れそうな大きさだけど、
一体何に使っているんだろう…


16:08、中央前橋駅に到着。
上毛電気鉄道は桐生と前橋をほぼ最短経路で結び、
その距離は25.4kmであるにも関わらず所要時間は52分。
対して、伊勢崎に寄ってV字形になっている為、
29.0kmあるJR両毛線の所要時間は32分です。
駅数が全然違うので仕方無いと言えば仕方無いのですが…


中央前橋駅とJR前橋駅は若干離れているので
列車の到着に合わせてシャトルバスが出ています。
想像以上にすぐ発車してしまうので気を付けましょう。
僕は逃しました。


中央前橋駅外観。
中央にしてはえらく寂れているな…
JR前橋駅までは1.1kmなので歩きます。
うおっ、夕立ちだっ!


雨宿りしつつ何とか前橋駅に到着。
中央前橋駅よりは栄えているけど、
県庁所在地にしてはちょっと…
ちなみに、宇宙論研の同期には前橋民が居ます。
前橋をディスってごめんね。


16:31発JR両毛線普通高崎行きに乗り換え。


16:50、高崎駅に到着。
本日最後の私鉄に乗り換えます。
ここにも鉄道むすめが…
群馬県全域で推しているのかな?


17:03発上信電鉄下仁田行きに乗り換え。
何処と無く路面電車っぽい見た目です。


この列車は絵葉書列車だそうで、
壁一面に全国からの絵葉書が貼られています。
心成しか愛知県からのものが多いような気が…
愛知県と上信電鉄って何か繋がりとかあったっけ?


走っている内に物凄い雷雨になってしまいました。
おいおい、やめてくれよ…
ただでさえこういう私鉄は止まりやすいのに…


ものの数分走るともう雨雲を抜けていました。
良かった良かった。


上州富岡駅で行き違いの為少し停車。
上信電鉄の中心駅です。


世界文化遺産にも登録された
富岡製糸場の最寄駅でもあります。
また、研究室のボスの実家があったりもします。
田舎育ちの人はもっと純真な(ry


珍駅名、なんじゃい駅。
どういう漢字を書くか分かりますか?


正解は「南蛇井」。
難読駅名としても有名です。


割と田んぼや民家の多い沿線でしたが、
終点一つ手前の千平駅を過ぎると急に山の中になります。
富山地方鉄道もそうだったけど、
最後のところでやけに頑張る私鉄って
その目的地に相当思い入れがあったんだろうか…
下仁田駅は立山駅ほど遠くありませんが。


ネギ畑の多い場所に出てきました。
これが噂の下仁田ネギなんだろうか。


18:12、下仁田駅に到着。
折り返し列車で帰るのですが、
若干時間があるので暫し町歩きします。


駅前の中央通りでこの寂れよう。
しかし、何故か飲食店は多いです。
それも、田舎に良くある歴史ある食堂ではなく、
やけにお洒落なレストランとか。
不思議な町だ…


折角なので町の諏訪神社にお参り。
一見普通の神社ですが…


良く見ると本堂の彫刻が凄いです。
重要文化財にも登録されているとか。


何、下仁田ジオパーク第16番下仁田層?
これは見ざるを得ない!
コンクリート打ちっぱなしの急坂を下ります。


川まで下りてきたけど…
どれが下仁田層なのか分かりません。


渡渉してみましたが、
やっぱり良く分かりません。
これなような気もするんだけど…
ジオパークであればもう少し解説して欲しいところです。
ジオマニアなら自分の力で見付けろという事なのでしょうか。


時間なので下仁田駅に戻ってきました。
いやあ、思っていたより良く鄙びた町だったなぁ…


駅前にはあの南牧村へと向かうバスが待機していました。
懐かしい…
未だにちょっと怖いけど。
上信電鉄は上信と言いつつ信濃まで延びていませんが、
元々は南牧村を越えて小海線まで繋げる計画だったとか。
あの南牧村を突っ切ろうとしていたのか…
…僕の中での南牧村のイメージが魔境みたいになっていますね。


18:46発上信電鉄高崎行きに乗車。
この後は高崎で夕食を食べてから北千住へ戻ろう…
としたら、高崎線がまさかの信号故障で運転見合わせになって
埼京線などを乗り継いで0時過ぎに何とか着きました。
疲れた…

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