アフリカ旅行第12日目。
この旅行のハイライト、
Dallol(ダロル火山)に向かいます。
6時頃起床。
これが昨夜の寝床です。
屋根は甘え。
深夜ぐっすり眠っていたところに
雨がぱらついて絶望しましたが、
ただの通り雨でした。
それでも夜中に起こされて睡眠不足だ…
ハエの大群に抗いながら朝食を食べ、
Lake Assale(アッサレ湖)に向かいます。
途中でキャラバンとすれ違いました。
これから塩湖に向かうようです。
運転手と仲良しな行商人。
ラクダやロバを飼っている人は
髭を赤く染める事が多いのだそうです。
今日は車で塩湖に突入します。
昨日もそうしてくれれば…と思わないでもない。
一面真っ白い塩原です。
乾季のUyuni(ウユニ)もこんな感じなのでしょうか。
Lake Assaleの名前の由来となった赤い山。
山と言うよりは巨岩と言うべき大きさですが、
遮る物が何も無い塩湖では
地平の果てからでも良く見えます。
深成岩かと思ったけど、
泥が塩と一緒に結晶化したようにも見えるな…
こういう時に地物が居ればなぁ
と毎回言っている気がする。
さあ、次がいよいよDallolです。
Dallolに近付くにつれて塩がどんどん赤くなっていきます。
Dallolの麓に車を停めて歩きます。
登り切れば…
遂に辿り着きました!
これがDallolです!
この世のものとは思えぬ景色です。
今回のこのアフリカ旅行は
ここへ来たいが為に企画したようなもの。
南米や中央アジアで経験を積み、
教務課と戦い、夜間行軍にもめげず、
やっとの思いで出逢えたこの絶景…
感慨も一入です。
地下から硫黄や銅に富んだ温泉が噴き出し、
それが析出する事によって
こんなカラフルな地形が実現しているのです。
黄色が硫黄、緑が酸化銅、赤が酸化鉄かな?
イギリス人お婆ちゃんやエチオピア人お姉ちゃんが
「貴方物理学科なのよね?」
と言ってこの色の成因を訊いてきましたが、
それは物理学科の僕よりも
化学系のSTや皐月に訊くべきでは。
Erta Ale(エルタ・アレ火山)とは違い
地面はガチガチに固まっているので、
踏み抜いたりする心配は殆どありません。
火山ガスの臭いがかなり鼻を突きますが。
それにしても、自然というのは凄いものだな…
手垢に塗れた表現を用いるなら、
正に大地の鼓動を感じます。
これぞ卒業旅行。
たっぷり1時間ほど楽しんだら下ります。
いやー、素晴らしかった。
Dallolのすぐ傍にある塩の山にも寄ります。
これもまた凄い景色です。
紅海の水が取り残され、
アファールの強烈な日差しによって
水分が蒸発してこのような塩湖が形成されたそうですが、
もう数百万年すると大地溝帯の動きによって
再び水が流入して海に還るとか。
壮大な話ですね…
宇宙ほどではないけど。
ちなみに、Dallol一帯はエリトリアとの国境に近く、
5年前には外国人観光客が殺される事件も起きたので、
エチオピア軍の兵士が護衛にあたっています。
その為、日本の大手旅行会社は
Dallolへのツアーを取り扱っていません。
西遊旅行のツアーで来ている
日本人団体観光客は居ましたが。
最後は塩湖の塩の採掘現場。
アファール人の2割が塩の採掘を生業としているとか。
まずは斧で塩に亀裂を入れます。
そこに長い木の棒を差し込んで
梃子の原理で塩の層を浮き上がらせます。
それを斧でブロック状に成型したら完成です。
2月の朝の今でさえ33℃という労働環境。
世界一過酷な仕事の一つとさえ言われています。
塩の塊を市場まで運ぶのはティグライ人。
ブロック一個がおおよそ5kgほどで、
アファール人の塩掘りが
ティグライ人の行商に売る卸値が5Birr/kg、
それがBerhale(ベルハレ)では45Birr/kg、
Mekele(メケレ)まで行くと60Birr/kgになるとか。
ラクダ一頭が一度に26個のブロックを運べて、
Berhaleからここまで往復2週間掛かるそうなので、
行商人はラクダ6頭のキャラバンを組めば
単純計算で月収30万円強になります。
エチオピアでは相当な高給取りではないでしょうか。
キツい分の代償はちゃんとあるんですね。
僕はやりたくないけど。
塩の採掘現場を見終えたら、
いよいよこのツアーも終わりです。
Afar Depression(アファール盆地)を後にし、
Mekeleの街に戻ります。
Tigray州(ティグライ州)に入りました。
20℃も気温が下がったので寒いくらいです。
ゴールが見えてきました。
16:04、Mekeleに到着。
始めに着いた時は一地方都市にしか見えなかったMekeleが
今ではとんでもない大都市に見える…
こうして、4日間のダナキルツアーが終了しました。
壁も屋根も無い青空トイレに青空ベッド、
「世界最悪の道」に往復40kmを超す行軍、
未だ嘗て無いほど過酷なツアーではありましたが、
それを補って余りある一生ものの経験でした。
…が、過酷過ぎて皐月が体調を崩してしまいました。
大丈夫かな…
Alula Aba Nega空港(アルラ・アバ・ネガ空港)から
19:50発ET109便に搭乗。
21:12、Bole国際空港(ボレ国際空港)に到着。
3度目のAddis Ababa(アディスアベバ)です。
歩いていた人に携帯電話を貸してもらって
宿の人に迎えに来てもらいました。
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