(無題)

アフリカ旅行第9日目。
火山ツアーに出掛けます。

6:43、起床。
中国人宿泊客が騒いでいて起きてしまいました。
昨夜は停電してシャワーが使えなかったので
朝シャンを浴びようとしたのですが、
中国人宿泊客が大量にお湯を使ったらしく
シャワーが出ませんでした。
wifiも使いまくって繋がらなくするし…

8:20少し前に迎えが来てツアー会社の窓口へ。
Mekele(メケレ)に来たという時点で
詳しい人にはお分かりかと思いますが、
ここから大地溝帯のど真ん中にある
Danakil(ダナキル)への4日間のツアーに参加します!
アフリカへやってきたのはこれが最大の目的なのです。


北海道出身だという人と同乗して
ランドクルーザーでMekeleの街を出ます。
暫く文明的な生活とはおさらばです。


Abaala(アバアラ)の街でコーヒーブレイク。
エチオピアに来てから日本に居る時の
100倍近いペースでコーヒーを飲んでいるな…


2年前に中国の支援によって開通したばかりの
MekeleとDjibouti(ジブチ)を繋ぐ道路を走ります。
想像以上に快適な道です。
でも、この道が開通する前はどうしていたんだろう…
標高が下がるにつれ、どんどん気温が上がっていきます。
季節が凄まじい速さで進んでいるようです。


Gegeya Shet’(ゲゲヤ・シェト)で昼食。
こんなところにも集落があるんだな…


便所に行ってみましたが
土を掘って固めただけのもので、
便所という概念の境界ギリギリに位置していました。
あと、便所から出て来たところでロバに絡まれました。


更に下っていきます。
途中、大型トラックが横転したまま放置されていました。
撤去しないのかな…


野生のラクダが居ました。
砂漠地帯になってきましたね。


こんな場所でも集落があります。
一体どうやって生活しているんだろう…
死ぬ程暑そうだけど…


遂に舗装路から外れる交差点まで来ました。
暑い!
ただでさえ日射しが強くて暑いというのに、
辺りが熱せられた玄武岩質の黒い火成岩だらけで
下からも熱気が発せられて凄まじい暑さです。


砂漠の中を爆走します。


自動車の気温計では39℃を記録しました。
39℃なら多治見でもあると思ってしまいそうですが、
このDanakilは北半球にあるので今は真冬です。
夏には50℃を超す事も珍しくないとか。
これがあの快適なAddis Ababa
(アディスアベバ)と同じ国だとはとても思えません。


砂漠のど真ん中で休憩。
炎天下でサッカーに興じている人も居ます。
驚いた事に、真ん中に居るイギリス人のお婆ちゃんは
齢八十を数えているのだそうです。
元気だな…


砂砂漠から溶岩平野に入りました。
物凄い悪路です。
車の揺れで何度も頭をぶつけてしまいます。
旅行会社から貰った行程表曰く、
「世界最悪の道の一つ」だとか。
しかし、中国がDjibouti行きの道を開通させる前は
こんな道を延々6時間も走ったそうなので、
この程度でへこたれてはいられません。


しかし、こんな道を何度も行き来出来るんだから
ランドクルーザーって凄い車だよなぁ…
と、愛知県民らしくトヨタを褒めてみる。


道無き道を2時間半ちょっと走って
17時前にDodom(ドドム)に到着。
ここが車で行ける終点です。
ここからはトレッキングとなります。


陽が出ていると暑過ぎるので、
STが楽しそうに石を積むのを見つつ
日没を待ってから夕食を食べ、
必要最低限の荷物だけを担いで出発します。


日が暮れると赤く燃え上がる山が見えました。
あれが「烟る山」、Erta Ale(エルタ・アレ)です。
(現地のアファール人の言葉で
“erta”は「烟る」、”ale”は「山」の意味。)
今日は新月なのか陽が落ちると辺りは真っ暗ですが、
煙を頼りに進めば道に迷う事はありません。

真っ暗な溶岩台地を懐中電灯で照らしながら歩きます。
1時間に一度ほどの休憩で灯りを消すと、
そこには満天の星空が。
星ってこんなに沢山あったのか…
周囲100km以上町らしい町の無いところ。
世界でも最も星空が綺麗な場所の一つではないでしょうか。
しかし、遠いな…

3時間歩いて漸く野営地に到着。
疲れた…
しかし、目標のErta Aleまでは
ここから更に1時間以上歩かねばなりません。
Dodomから最も大きく見えていた噴火口は
現在火山ガスが多過ぎて危険だというので、
2週間前に現れたばかりの新しい噴火口へ行くとの事。
2週間前…
日本なら一度噴火したら最低でも1年は
火口周辺2kmが立入禁止になりそうだけど…
ちなみに、入れ替わりになった4日前のツアーでは
大雨の為に噴火口周辺の水蒸気が凄まじく、
どちらの噴火口へも行く事が出来なかったそうです。
で、もう一度このツアーに参加している人が居るとか。
体力おばけだな…


しかし、ここまで来て指を咥えて見ている訳はありません。
当然の如く進みます。
噴火したてとあって極めて脆い溶岩の上を歩くので、
何人も転ぶ人が出たり、皐月が掌を切ったりしていました。


2週間前の噴火で流れ出したという溶岩。
つやつや輝いていて綺麗です。
…でも、冷静に考えると、
もし今もう一度噴火が起きたとしたら、
ここまで溶岩が来る可能性が高いという事だよな。
こんな脆い地面で走れる訳がないし、
もしそうなったら確実に死ぬな…
そんな事が脳裏を過りつつも、
その内何も考えられなくなって無心で歩く事2時間。


やっと火口に着いたぞー!
今もなお溶岩が流れ続けています。


足場が悪い中真っ暗闇を5時間も歩いて辿り着いたとあって
皆写真撮影に余念がありません。
50cmくらいの距離まで近付いている人も。
これが許されるのもアフリカならではか。


風向きが少しでもこちらを向くと、
溶岩の灼け付くような熱さが襲います。


…何だか、溶岩がこっちに流れてきていないか?
余りに危険なので10分ほどで引き返しました。
でも、またあの凄まじい悪路を歩くのか…
Dodomから数えて計7時間も歩き、
漸く野営地に到着して正しく泥のように眠りこけました。

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