アフリカ旅行第5日目。
聖地Lalibela(ラリベラ)へと向かいます。
6:00、起床。
朝食を済ませて出発します。
実に爽やかな朝です。
元々Bahir Dar(バハルダール)は
夕方に着いて翌朝に出るという行程だった為、
特にこれと言って観光する予定は無かったのですが、
ホテルの兄ちゃんが
「何も見ないよりは良いだろ?」
と朝の1時間ちょっとで回れるツアーを提示してきたので、
折角だからと乗ってみました。
朝のTana(タナ湖)。
鳥の鳴き声しかせず静かです。
湖水で身体を洗っている人も居ます。
モーターボートで出発します。
波が殆ど無いので滑るように進みます。
Кањон Матка(マトカ渓谷)と違って
風が心地良い温度です。
葦を編んだ小舟で漁をしている漁師が居ました。
こんな小舟でこの広大なエチオピア最大の湖
タナ湖に漕ぎ出すって怖くはないのかな…
ただ、ホテルの兄ちゃんは
「タナ湖はヴィクトリア湖(68,870km2)に次いで
アフリカで2番目に大きいんだぜ!」
と言っていましたが、
タナ湖の面積は3,600km2なので
タンガニーカ湖(32,600km2)、
マラウイ湖(29,500km2)、
バングウェウル湖(9,840km2)、
ヴォルタ湖(8,482km2)、
マイヌドンベ湖(8,210km2)、
トゥルカナ湖(6,500km2)、
アルバート湖(5,600km2)、
カリバ湖(5,580km2)、
ムウェル湖(5,000km2)に次いで
アフリカでは11番目です。
もしかして、これらの湖の近くに住んでいる人は
皆ヴィクトリア湖に次いで2位を主張しているのだろうか。
舟通学する子供達。
手漕ぎ舟で通学するのか…
野生のカバが居ました。
おー!
ただ、カバは見掛けによらず(?)凶暴で、
アフリカで最も多くの人を殺している動物でもあるので、
30~50mくらいの距離から眺める事になります。
島に到着。
タナ湖には湖の島や半島に幾つも教会があり、
この島にもMaryam Monastery
(マリアム修道院)という修道院があるので、
外からチラ見だけします。
海外というと土が日本とは違うのですが、
この島は日本の褐色森林土と非常に良く似ています。
朝早いからか土産物屋も準備中で客引きも殆ど無く、
涼しい風と何処からか牛の臭いが漂ってきて
懐かしささえ感じる雰囲気です。
Maryam Monastery外観。
外国人は入場料100Birrだそうですが、
そんなに時間がある訳ではないので入りません。
修道院の裏手にはキャベツ畑と牧場がありました。
長閑ですね…
ここが外務省の渡航情報で
危険度レベル2だという事を忘れてしまいそうです。
このまま俗世に汚れずにいて欲しいものですね。
いや、土産物屋が軒を連ねている時点で
昼間は十分に汚れているのかも知れませんが。
飛行機の時間が迫っているので、
岸に戻ってもらって車で空港に向かいます。
通勤時間帯なのかトゥクトゥクで混んでいますね。
そんな中、道路を歩く牛飼いや…
山盛りの薪を運ぶ馬車とすれ違ったりして、
やはりここもアフリカ感満載です。
9:40発ET120便に搭乗。
まさかの日本人団体観光客が居ました。
ツアーとは言えキルギスとかウズベキスタンとか、
意外と年配の人も僻地に行くものなんだな…
10:06、Lalibela空港(ラリベラ空港)に到着。
実はキリスト教の国、エチオピア最大の聖地である
Lalibela(ラリベラ)です。
何とも開放感のある空港ですね。
受託手荷物は屋外に放置されて
そこから自分で持っていく方式です。
開放感あり過ぎでは。
ちなみに、普通は手荷物受取所があるべき場所は
ホテルの案内窓口と化しています。
流石はエチオピア有数の観光地Lalibela。
乗合タクシーで宿へと向かいます。
ここもロバ飼いや牛飼いが行き交っていますね。
道は未舗装で結構揺れます。
舗装路を整備中のようですが。
道路工事に携わっている人達が
どう見ても地元のおばちゃんやおじさんなんだけど、
アフリカではこれが普通なのかな?
大分上がってきました。
アフリカというと暑いイメージですが、
エチオピアの大部分は標高が高いので
寧ろ軽井沢のような高原の涼しさがあります。
日射しは段違いに強いですが。
ホテルにチェックインし、
一休みして昼食を食べてから出掛けます。
Lalibelaは岩窟修道院群が
世界文化遺産にも登録されています。
普通の修道院は地面の上に建てるものですが、
ここでは地面を下に刳り抜いて
修道院を造るという珍しい建築法です。
そんな修道院が街中にも幾つもあるのですが、
今日は取り敢えず山の上にある修道院を目指してみます。
Lalibelaは観光地だから観光客相手に
不当に金を請求する輩も多いと聞いていたのですが、
今のところ親切に道を教えてくれる人が殆どです。
この細い急坂を登るのか…
どう見ても裏道のようですが、
地元の人達も結構利用しています。
かなり急な道になってきたな…
ガチ登山です。
標高は既に2,700mを超えており、
高山病のような症状さえ出てきました。
Μετέορα(メテオラ)より遥かに辛い…
こんな道でも牛飼いは歩いています。
観光客もミュールに乗って登る事が出来ますが。
この牛飼いの人はこの崖っ淵で
開放感満点の立ち小便をしていました。
集落のような場所に出てきました。
と同時に、何処から見張っていたのか
子供達が一斉に群がって
コーヒーや土産を買わせようとしてきました。
ええい、疲れているのに寄るな!
流石はスタミナとしつこさで有名なエチオピア人。
アフリカっぽいと言えばアフリカっぽいけど…
どうにか魔の集落ゾーンを抜けました。
ここの道沿いにも民家がありますが、
この辺りの人は農作業をしていたりして
そんなには寄ってきません。
やはり労働者こそ至高ってはっきり分かんだね。
どうにかこうにか入口まで辿り着きました。
早速入ろうとしたら、入場券を買えとの事。
入場料200Birr?
どうも今一つ信用出来ないな…
Lonely Planetには入場料50Birrと書かれているのに…
もしかして、ここに居る人達は偽係員で
本当の窓口は別にあるのでは?
しかし、他の入口は見付からず、
他の観光客が来るのを待ってみましたが、
本当にここで200Birrを払っていたので
已む無く僕等も200Birrを支払いました。
完全に疑心暗鬼になっていますね…
崖沿いの道を歩きます。
一歩踏み違えたら真っ逆さまです。
こんなところで土産を売ろうとするのは止めて欲しい。
岩の中に向かって道が延びています。
岩壁に挟まれた細い階段を抜ければ…
やっと辿り着きました!
Asheton Maryam Church(アシェトン・マリアム教会)です!
標高3,150mのAbune Yosef(アブネ・ヨーゼフ山) の頂上近くにあり、
「天国に一番近い場所」と称される事も。
Abune Yosef。
ここに登る修行僧も居る…とか。
いやー、随分高いところまで登ってきたんだな…
絶景です。
風が心地良い…
…何だか、向こうの方から暗雲が湧いてきたな。
早めに下りた方が良さそうだ。
入口まで戻ると、車が沢山待機していました。
なるほど、夕立に備えてやって来たのか。
運賃が安ければ乗って帰った方が楽だな。
と思って運賃を訊いてみたら…
500Birr!?
ぼったくりだろ!
それなら歩いて帰ろうと歩き出したら、
一人のおっさんが駆け寄ってきて、
トゥクトゥクなら300Birrで行けるとの事。
それも高い…
せめて200Birrにならないかと粘ったのですが、
250Birrまでしか下がりませんでした。
仕方無いか…
その値段で手を打ったのですが、
トゥクトゥクの運転手に電話をしたら
やっぱり300Birrでなければ駄目だったとの事。
お前、ついさっき250Birrって言ったばかりじゃないか!
そんならもうトゥクトゥクなんか要らん!
歩いて下ってやる!
とキレて再度歩き始めたら、
またおっさんが追い掛けてきて、
「さっきは電話を頼んだ奴が嘘吐きだったんだよ。
今度は俺の妻に電話させるから絶対250Birrだ!
俺を信じろ!」
と言い出しました。
いや、何でお前自身が電話しないんだ…
しかし、雲行きは怪しいし、
今から頑張って下山しても
下に着く頃には明らかに真っ暗になってしまうので、
アフリカでそれは危ないという事で
もう一度だけ頼んでみる事に。
トゥクトゥクが下の町から上がってくるのを待つ間も、
何やら目付きの悪い子供が
STのデジカメをあからさまに狙ってきたり、
小学校からの帰りの子供達に囲まれて
「チャイナ!」やら「ジャパン!」やら浴びせられたり、
だと言うのにおっさんは、
「ラリベラでは幸せかい?」
僕「いや、今はそんなに…」
「駄目だ!君達は幸せでなくちゃ!」
誰の所為で幸福度がだだ下がりだと思っとるんだ!
これ以外にも、
「修道院は凄かっただろ?」とか、
「エチオピアは良いところだろ?」とか、
褒めて欲しい気満々で訊いてくる人がかなり居るのですが、
他ならぬエチオピア人の一部の人達によって
修道院やエチオピアの評価も下がっているんだぞ!
と声を大にして言いたい。
勿論、良いエチオピア人も大勢居るのですが、
悪貨が良貨を駆逐する事の典型例ですね。
国連はこの諺をアムハラ語に翻訳して
エチオピア全土に普及させるべきだと思う。
結局、トゥクトゥクは30分ほどで漸くやって来て、
去り際におっさんが
「仲介料として50Birrくれ。」
と言ってきたのを気合いで押し切って
何とかLalibelaの街まで下りました。
つ、疲れた…
体力的にも精神的にも疲れた…
天国に一番近い場所に近付くにつれて
どう考えても地獄行き確定な人間が増えるのは何故だ。
この後はホテルのレストランで夕食を食べてから
シャワーを浴びて泥のように眠りこけました。
コメント