南欧旅行第9日目。
帰路の始まりです。
5:08、起床。
この旅行は常に朝が早いです。
手早く支度を済ませて出発します。
早朝で余計に人通りの少ないСкопје(スコピエ)。
とても一国の首都とは思えません。
Скопје国際バスターミナル。
Скопје駅(スコピエ駅)に隣接しており、
プラットフォームに入るには
一人50денの入場券を買う必要があります。
デナリを使い切ろうとする際は注意しましょう。
6:00発Θεσσαλονίκη
(テッサロニキ)行きバスに乗車。
時刻表には6:00と書いてあったので
常識的に考えて6:00発なんだろうと思ったら、
6:00にやって来て6:20に発車しました。
最後まで良く分からない街だった…
バスは山の中を走っていきます。
山の中とは言っても、Скопјеより暖かそうですが。
Скопје発の場合、進行方向右側の方が車窓が良いです。
国境に到着しました。
マケドニアの出国審査はいつの間にか終わったらしく、
出国スタンプはありませんでした。
出国スタンプは捺さないのが流行りなのかな…
しかし、ギリシャの入国審査では全員が降ろされました。
ギリシャは出入国審査が厳しいのかな?
コソボのような手荷物検査はありませんでしたが。
それにしても、異常に交通量の少ない国境だな…
僕等のバス以外の車が全く見当たりません。
そんなこんなでギリシャ共和国に舞い戻ってきました。
(以降、アテネ時間UTC+2.0h)
あれ?皆がバスを置いて歩き出したぞ?
バスの運転手に訊くと、”Another bus”との事。
えー!?
某旅行本をさっきのバスに置いてきてしまった…
道端に”Welcome to Greece, Welcome to Macedonia”
(ギリシャへようこそ、マケドニアへようこそ)の看板が。
ギリシャかマケドニアかどっちなの?
と思ってしまいそうですが、
これはギリシャが
「マケドニア王国の正統な末裔は俺達だ!
マケドニア共和国なんて国名は認めない!」
と主張している事に起因しています。
入国審査のカウンターにも
“THE SIGN “MK” IS NOT RECOGNIZED BY GREECE.”
(”MK”なんて国名記号、ギリシャは認めねーぞ!)
という貼り紙がありました。
隣国の国名なんかに拘ってないで
お前はまず自国の首都の治安をどうにかしろ。
500mほど歩かされて
大量の車が並べられた場所に着きました。
さっきまでの半分くらいの大きさしかないバスに乗り換え。
そして、周りにはギリシャ国旗を掲げた
何十台ものトラクターが。
僕等が通った後に道を鎖で封鎖してしまいました。
これってもしかしてバリケード?
だから交通量が異常に少なく、
バスを乗り換える必要があったのでしょうか。
マケドニアとギリシャってそんなに仲が悪かったのか。
埃っぽい道を走る事およそ1時間。
11:23、Θεσσαλονίκη駅(テッサロニキ駅)に到着。
Θεσσαλονίκηは驚くほど見所の無い街なので、
今度は近郊へ出掛けてみる事にします。
都市間バスが発着するバスターミナルへ。
こんなに寂れた街だったっけ…
ヨーロッパでは最貧国の部類に入る
アルバニア、コソボ、マケドニアと比べても
ずっと寂れている印象を受けます。
あの辺りの国は紛争や地震で破壊されて
再建されたばかりというのもあるかも知れないけど…
ΚΤΕΛ Μακεδονίας
(マケドニア・バスターミナル)に到着。
マケドニアというのは(ry
13:00発Γιαννιτσά(ヤニッツァ)行きバスに乗車。
13:40、Πέλλα(ペラ)に到着。
バス停の周りには驚くほど何もありません。
やっているんだが良く分からない
ホットドッグ屋が1軒あるのみです。
集落の方に歩きます。
麗らかな風が吹き、小鳥がさえずり、
これぞ田舎という牧歌的な雰囲気です。
やはり田舎が良いよなぁ…
集落の中心広場。
アレクサンドロス大王の像が飾ってあります。
勿論、Скопјеのそれとは比べ物になりませんが。
村の食堂で昼食。
機内食を除けばこの旅行最後の食事です。
大学生活の反省会をしたりして楽しく頂きました。
さて、このΠέλλαにやって来たのは
田舎を感じる為だけではなく、
実はここにも遺跡があるからなのです。
犬が屯する遺跡の入口。
ここで入場券を買います。
何でも月曜日は本来閉じているそうですが、
今回は特別に開けてくれるそうです。
有難い!
けど、何故おばちゃんは休業日の午後に
何をする訳でもなく窓口に居たのだろう…
何はともあれ、遺跡に入れました。
Ακρόπολης(アクロポリス)とは違い
そこまで観光地化されている訳ではなく、
主だった出土品は博物館で保存されているので、
荒寥たる風景が広がっています。
ちなみに、これはΔιόνυσος(ディオニソス)という
豊穣、酩酊、ワインの神様の家だそうです。
実はここ、かのマケドニア王国の首都があった場所で、
Αγορά(アゴラ)や公文書館跡なんかもあったりします。
そんな栄華も今は昔。
現在ではただ岩が転がる更地になっています。
僕等以外に観光客など誰一人として居ないので、
風が吹き抜ける音しかせず静寂に包まれています。
これはこれで遺跡らしさがありますね。
のんびりしていたら意外と時間が経ってしまったので、
やって来た時に降りたバス停に戻ります。
通りすがりのおばちゃんが
「博物館なら逆方向だよ!」
というようなギリシャ語を話し掛けてきたり。
当然の事ながら英語なんて一切通じません。
バス停横のホットドッグ屋では
地元のおじさん達が世間話に花を咲かせていました。
長閑だなぁ…
やはり国の本質は都会なんかじゃなく
田舎にこそあるんですよね。
この旅行でその気持ちがより強まりました。
16:30発ΚΤΕΛ Μακεδονίας行きバスに乗車。
ΚΤΕΛ Μακεδονίαςで
17:45発78番バスに乗り換え。
18:37、Θεσσαλονίκη – Μακεδονία国際空港
(テッサロニキ=マケドニア国際空港)に到着。
始まりの地に戻って来ました。
21:25発TK1894便に搭乗。
さらば、バルカン半島よ…!
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