五島旅行第4日目。
今日は福江島を巡ります。
6:52、起床。
今日もまた熟睡したな…
朝食を済ませてから、まずは徒歩で市街を巡ります。
ここ福江は日本で最も「新しい」城、石田城で有名。
明治維新の際に天守閣は取り壊されてしまいましたが
石垣や濠は比較的良く残されており、
城址には様々な公共施設が建てられています。
五島市立図書館。
城を模した造りになっています。
古文書ばかり置いてありそうな図書館ですね。
五島観光歴史資料館。
これまた城を模した造りになっています。
五島列島(下五島)についての歴史や
自然についての展示があります。
開館時間前でしたが、館長さん(?)が出て来て
福江島について色々と説明してくれました。
今度はやけに人通りの多いこの門。
中には何があると思いますか?
何と高校です。
この長崎県立五島高校は全国でも珍しい
城址の、それも内濠の中に建てられた高校なのです。
標語も「躍進 ~夢を紡ぐ城跡~」となっています。
校舎も若干お城チック?
今でこそ四方を繁華街に囲まれた石田城址ですが、
築城登場は三方が海に面した日本唯一の海城でした。
黒船の来襲に備えて幕末に築かれたとか。
良く見ると元々地続きだった南西方向だけ上り坂があり、
その他の方向は真っ平らになっていて
海城だった頃の面影を窺い知る事が出来ます。
海城だった石田城の見張り台だった常灯鼻。
神社のようになっています。
灯台の原型でしょうか。
車で街を離れて次にやって来たのは鬼岳です。
福江市街の多くの場所からも望む事が出来、
福江島のシンボル的存在になっているそうです。
毎年野焼きしているそうで
神社の傍を除いて木は1本も生えていません。
登山道らしき踏み跡があるので登ってみます。
遮るものが何も無いから風が凄まじい!
火口が見える位置まで登ってきました。
北側に大きく開いた形になっているので
もしもう一度噴火したとしたら福江市街は全滅ですね。
ここからお鉢巡りをするように踏み跡は続いています。
鬼岳山頂(標高317m)に到着。
小さな看板が置いてありました。
大きいと風で吹き飛ばされるんでしょうね。
結構高いように感じるけど、
これで東京スカイツリーの半分の高さなのか…
現代の建築技術は凄い。
次にやって来たのは奥浦湾。
この舟って座礁しているんじゃないよな…
遠浅の砂浜が干潮で美しいグラデーションを描いています。
中潮なのにこんなに潮が引くものなんだな…
大潮の時とかどうなるのでしょうか。
頭上ではトンビとカラスが魚を巡って
熾烈な争いを繰り広げています。
トンビとカラスって戦うんだな…
さて、ここでの目的はそんな空中戦ではなく、
明治41年創建のこの道崎天主堂です。
五島列島の他の教会と違って中は資料館になっており、
入館料も取られる事になります。
江戸時代の隠れキリシタンについての展示が多く、
嘗ては鐘ではなくホラ貝でミサを知らせていたなど
面白い事実を知る事が出来ます。
喉が渇いたので道崎天主堂の隣にあった喫茶店で一服。
こんなハイカラな店構えだから
三、四十代のサーファーみたいな人がやっているんだろう…
と思ったら、何と八、九十代のお婆さんでした。
キリスト教徒だからハイカラという事なのか…?
長崎県道162号で戸岐湾添いを走ります。
カーナビではこの道を使わずに5km近くも遠回りして
わざわざ福江市街に一度戻らせるほど細い道です。
法面から崩れた石が路上にゴロゴロ落ちています。
そんな狭隘区間を抜けて岐宿町に辿り着きました。
福江島は中通島に比べると平地が多くて田畑もあります。
余り島らしくない風景ですね。
岐宿町も抜けて三井楽町にある
道の駅遣唐使ふるさと館にやって来ました。
離島にあるという珍しい道の駅です。
ここで昼食にしました。
休日はバイキング形式になっているようです。
観光客よりも寧ろ地元客で賑わっていました。
道の駅の名に「遣唐使」が入っている事からも分かる通り、
この福江島は遣唐使縁の地、
それも遣唐使が日本で最後に立ち寄った地だったりします。
その為、三井楽町の柏崎には空海が残した
「辞本涯」の句が刻まれた石碑が立っています。
ここもまた滅茶苦茶に風が強い!
波が岩で砕けて飛沫がここまで飛んできます。
授業で遣唐使は命懸けだったという話を聞いても
中国に行って帰るだけで大袈裟なとか思っていましたが、
これを見ると確かに命懸け以外の何物でもありませんね…
辺りには粗末な造りの小屋が建ち並んでおり、
最果て感をより一層高めています。
ちなみに、「辞本涯」とは
「日本の果てを去る」という意味です。
この辺りは塩害の所為なのか強風の所為なのか
荒涼たる草原が広がっています。
この地形を活かして五島牛も飼育されているようです。
農地の間の細い赤茶けた道を走って福江島の西岸へ。
魚藍観音から俯瞰した高浜海水浴場。
福江島きっての海水浴場です。
ターコイズブルーに妖しく輝く海が綺麗。
その反対側も溶岩流で出来た事が良く分かる
玄武岩質の海岸が良く見えて素晴らしいです。
ちなみに、奥の島は嵯峨ノ島と言い、
ここは堆積した火山灰が波で削られた
火山海食崖という地形で有名です。
この嵯峨ノ島も行ってみたかったのですが、
今回は時間の都合上断念。
五島列島はとにかく島が多いので
まともに全部回ろうとすると1週間でも足りません。
工事中の長崎県道50号を抜け、
この旅行最後にやって来たのは
福江島の南西端にある大瀬崎です。
長崎県の有人島としては最西端、
嘗て北緯30°以南の島々がアメリカの占領下にあった時は
日本最西端の有人島でした。
(無人島も含めると同じく五島市に属する
男女群島の女島が最西端になる。)
ここから見る景色も十分素晴らしいけど、
やっぱり出来る事なら灯台の傍まで行きたいよなぁ…
そう思っていたら、灯台に続く
1.2kmの遊歩道があったので歩いてみます。
昼なのに薄暗い鬱蒼とした雑木林の中を進みます。
不意に視界が開けました。
大瀬崎灯台です!
荒々しい東シナ海に洗われる大瀬崎。
正直、与那国島の西崎よりも最果て感がありますね。
海食崖も見事です。
旅の最後に相応しい絶景であった…
…じゃあ、そろそろ帰るか。
レンタカー屋に車を返却して空港へ。
五島福江空港。
現在、五島列島で唯一定期便が就航している空港です。
帰りは飛行機を使いたいと思います。
17:55発ORC76便に搭乗。
さらば、五島よ…!
この便を運航するオリエンタルエアブリッジは
嘗て小値賀空港や上五島空港にも
定期便を飛ばしていた航空会社で、
ブリテン・ノーマンBN-2アイランダーという
副操縦士席にも乗客を乗せられる機体も運航していました。
残念ながら、現在はDHC8-201だけですが。
羽田への乗り継ぎ割引運賃が売り切れだったので
どれだけ混んでいるのかと思いましたが、
39人乗りの機体に僕等を含めて9人しか居ませんでした。
長崎空港で19:15発ANA670便に乗り継ぎ。
こっちは405人乗りのB777-200がほぼ満席だな…
落差が凄い。
そんなこんなで20:52、羽田国際空港に到着しました。
東京に居ると中々ご縁の無い西の長崎県。
その中でも更に西の果てにある五島列島でしたが、
日本の原風景と異国情緒が絶妙に入り混じって
とても心地の良い場所でした。
食べ物が美味しいのも素晴らしい。
観光のシーズンは夏だそうですが、
観光客の少ない島本来の姿が見られたので良かったです。
九州ももっと色々行ってみたいな…
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