越後・南東北旅行第4日目。
今日は羽前を巡ります。
6:21、起床。
遂に降りましたね!
雪を期待していた節があるので、漸くかという感じです。
やっぱり雨よりは雪だよなぁ(愛知県並感)
昨夜は真っ暗だった道も今日は真っ白です。
こんな事もあろうかと防水仕様の靴を履いてきたのさ!
これくらいの積雪なら愛知でも十分あるレベルですが。
相変わらず人通りの無い道を置賜駅へと向かいます。
8:11発JR奥羽本線普通山形行きに乗車。
車内での会話は新潟より更に訛りがキツいですね…
赤湯駅から大きなカーブを描いて一段上の台地へと上がり、
蔵王連山を望みながら県都山形を目指して走ります。
山形駅で9:21発JR左沢線普通左沢行きに乗車。
西の木次線と並んで難読路線名の代表みたいな路線です。
読めるのは山形県民と鉄オタくらいのものでしょう。
何と読むかは後ほど。
山形市街を抜けます。
沿線に高校でもあるのか、
朝の下り列車だというのに乗客はそこそこ居ます。
羽前山辺駅や羽前長崎駅で多く降りていました。
左沢線の中心駅、寒河江駅。
駅名標までさくらんぼにしてアピールしていますね。
良く香川県のうどんアピールが取り沙汰されるけど、
山形県のさくらんぼアピールもよっぽどだと思う。
新幹線の駅にまでさくらんぼ東根とかあるし。
ちなみに、左沢線の愛称は「フルーツライン左沢線」です。
そこはチェリーラインじゃないのか…
寒河江駅を過ぎると沿線はさくらんぼ畑ばかりに。
伊達にフルーツラインを名乗ってはいませんね。
某シーサイドラインみたいな例もありますが。
曲がり角で∈字に分かれる最上川。
どういう状況なのだろう…
10:14、左沢駅に到着。
という事で、読み方の正解は「あてらざわ」でした。
「あちらの沢」が訛ったものだという説があるそうですが、
詳しい由来は不明との事です。
左沢駅外観。
僕の他にも2人鉄オタらしき人が居ました。
珍路線名が引き寄せるのでしょうか。
時間が無いので折り返し10:21発JR左沢線普通山形行きに乗車。
11:02、山形駅に到着。
昼食がてら少しだけ観光します。
霞城公園。
山形城址に作られた公園です。
天守閣跡は現在発掘調査中だとか。
城址が良く公園になっているのって
何かを建てようとしても
掘り返すと文化財とかが出て来てしまうからなのかな?
東大手門。
この辺りは良く復元されていますね。
お堀のすぐ脇には奥羽本線が走っており、
列車内からも東大手門を見る事が出来ます。
何故か公園内にあるハイカラな建物。
山形市郷土館(旧済生館本館)だそうです。
何故わざわざ城址に建てたのだろう…
お昼時になったので昼食。
霞城公園のすぐ傍にあったラーメン屋で鯛だし醤油。
実は山形県、人口10万人あたりのラーメン屋の数が
70.92軒(平成25年)と全国平均(27.71軒)の倍以上あり、
2位の栃木県(51.86軒)に大差を付けての1位なのです。
やはり寒いとラーメンを食べたくなるのでしょうか。
しかし、有名なのは米沢ラーメンと酒田ラーメンで
山形市はこれと言った名の通るラーメンが無い気が…
12:55発JR仙山線普通仙台行きに乗車。
この列車、何故だか外国人観光客が多いな…
羽前千歳駅から東へと進路を変え、
奥羽山脈に向かって標高を増していきます。
13:15、山寺駅に到着。
まるでお寺の本堂みたいな立派な駅舎。
そう、今度は立石寺の参拝の為に設けられた駅です。
弥彦駅の時と違って時間帯が良いからか
大勢の観光客(前日比)が居ます。
早速参拝します。
山寺という駅名が付けられている事からも分かる通り
立石寺は岩山の中にあり、
多くの建造物は登山をしないと見る事が出来ません。
次に乗る列車までは1時間40分、
案内によるとコースタイムは2時間。
良し、急げば間に合うな!
12kgのリュックを担いで石段を登ります。
駅前の土産物屋で預かってくれるらしいけど、
これも訓練の一環と思って…
立石寺の名の示す通り、屹立した巨岩だらけで
そこにお地蔵様や梵字が大量に彫られています。
せみ塚。
北千住を発ってこの地に辿り着いた松尾芭蕉の詠んだ
閑けさや岩にしみ入る蝉の声
の句にある「岩」がこれなのだそうです。
今は観光客が多くてそこまで静かでもありませんが。
少し開けた場所に出ました。
しかし、良くこんな場所に建てたものだな…
岩山だから整地からして並大抵の苦労ではないし。
建てたくなる気持ちは分かりますが。
奥に見えているのは修行場です。
三重小塔。
岩の中に納められているのがそうです。
模型かと思ったらこれが実物なのか…
奥之院。
ここが終着地です。
ここまでの道中に比べると、余り見応えは無いですね…
少し戻って五大堂からの眺め。
町が一望出来ます。
仙山線も見えたので撮り鉄してみました。
雪が積もったらもっと綺麗だろうになぁ…
まあ、そうなるとここまで登るのが更に大変ですが。
急いで登ったら30分も時間が余ってしまったので
お遊びでちょっとだけ撮り鉄。
仙山線は奥羽山脈を横断する路線の割には
例外的に列車本数が多いです。
これが仙台の力か。
15:14発JR仙山線普通仙台行きに乗車。
山寺駅を過ぎるとどんどん山深くなっていきます。
雪も積もってきました。
面白山高原駅とかいう面白さを前面に押し出した駅名。
嘗てはスキー場があったようです。
そんな面白駅を過ぎると長いトンネルに入ります。
山形県とはお別れです。
トンネルを抜けてもそこは雪国でした。
宮城県です。
15:30、奥新川駅に到着。
標高374mの峠の駅です。
寒いな!
この駅、驚くべき事に仙台市内だったりします。
なので、名古屋市内→仙台市内みたいな切符を買ったら
ここまで来られちゃう訳です。
まあ、小和田駅も浜松市内だったりしますしね。
駅を出たら立派な甲斐犬がこちらを見ていました。
こんなところに居るという事は猟犬でしょうか。
まさか野犬って事は無いよな…
どうやら、駅前にある食堂で飼われているようです。
もう一匹居ました。
かなり人懐っこいです。
撫でてやるとまるで猫のように擦り寄ってきます。
ウシュアイアで会ったシェパードもそうでしたが、
大型犬はこちらが怖がりさえしなければ
小型犬よかよっぽどフレンドリーです。
強者故の心の余裕でしょうか。
勿論、犬の性格も十犬十色なので
獰猛なやつに近寄ったら本当に殺されますが。
奥新川駅からはハイキングコースが幾つも延びているので
その内の一つを歩いてみようと思ったのですが…
冬季閉鎖中か…
あと、熊出没注意の看板も見えますね。
また熊鈴を忘れてしまった…
閉鎖されていなかった道を歩いてみます。
あのシェパードくんとは違って
甲斐犬達は家を離れてまでついては来ませんね。
その辺りは流石日本犬といったところか。
崩落した丸太橋(用途不明)。
時間的にこの道を歩き続けるのは少し不安なので
踵を返す事にしました。
ハイキングコースとは反対側、
駅を出て左手に延びる舗装路を歩いてみます。
意外にも5、6軒の民家が建っていますね。
すぐに民家は途切れてしまいましたが。
駅の周りだけに民家があるという事は、
この辺りに住んでいる人達は
奥新川駅を主たる移動手段にしているのでしょうか?
まあ、日に11往復もあるし十分可能か。
仙台市営地下鉄東西線が開業したお蔭で
実は奥新川駅からでも東北大に通えるらしいので、
東北大の教授になってここに住むのもありですね。
やけに青い法面。
この辺りはぎりぎりグリーンタフの産出域でしょうか。
如何にも脆弱そうな地盤ですね。
二口渓谷まで降りて来ました。
奥新川駅の駅名の由来となった新川です。
翡翠色の美しい川ですね。
新緑の季節にここを歩いたら気持ち良いだろうな…
何やらロッジのような建物が建設中でした。
観光用展望施設だそうです。
ん?何かが焼ける臭いがするな…
ロッジの裏に回ってみると、巨大な切り株が燃えていました。
辺りに人の気配は無いし、いつから燃えているのだろう…
放っておいて大丈夫なのかな?
なお、この二口渓谷は列車以外で訪れようとすると
未舗装の林道を延々走らされる事になるので、
素直に仙石線を使って来ましょう。
列車本数も普通に多いですからね。
次の列車まではまだ時間がありますが、
日没まではもう時間が無いので駅に戻ります。
戻ってきた奥新川駅。
ここまで街灯らしき街灯は皆無だったので
ヘッドライトでも持っていない限りは
必ず日没前に駅に戻るようにしましょう。
洒落にならないくらい真っ暗になります。
そして山間だから日が落ちると寒い!
早く待合室に入ろう…
って、ここも寒い!
暖房の類が一切無いので、まるで冷蔵庫のような寒さです。
冬季は日に片手で足りるくらいの人しか使わない駅に
高い灯油代を費やして暖房を設置するのは
阿呆らしいというのは良く分かるけど…
待合室が広いが故に余計寒く感じます。
カイロでも持って来れば良かった…
寒さに耐えながら1時間後にやって来る列車を待ちます。
来たー!
17:29発JR仙山線普通仙台行きに乗車。
この車内も微妙に寒かったです。
伝説の臨時駅、八ツ森駅と西仙台ハイランド駅の
廃駅跡が無いか目を凝らしましたが、良く分かりませんでした。
仙台駅で18:24発JR東北本線普通利府行きに乗り換え。
最後にもう少しだけ乗り潰します。
この東北本線利府支線は国鉄がこの地に
新幹線総合車両センターを作る際、
地元の利府町が言わば見返りとして建設を求めた路線。
現在では利府町から仙台市への通勤路線となっています。
車窓からは新幹線総合車両センターが良く見えるのですが、
夜なので写真には撮れませんでした。
18:39、利府駅に到着。
イルミネーションが施されていますね。
住宅街で特に見るべきものも無いので
折り返しの18:44発JR東北本線普通仙台行きに乗車。
19:01、改めて仙台駅に到着。
人が多い!
何だこの大都会は!
流石は仙台、他の東北の街とは一線を画しています。
普通に名古屋より都会だと思う。
今日も歩いてばかりでお腹が空いたので夕食。
やはり仙台と言えば牛タンでしょう。
実は普通の焼肉屋の牛タンは余り好きではないのですが、
仙台の牛タンだけは好きです。
ペラッペラじゃなくて他の部位と同じ様に
食べ応えのある厚みに切られているのが良いです。
麦飯もお代わりしてお腹一杯になったので宿に向かいます。
さて、この列車発着案内板、何か気付きませんか?
そう、このホームは9、10番線があるのに
10番線の列車しか案内がありません。
9番線は列車が停まらないのかというとそんな事はありません。
縁起が悪いからでしょうか…?
そんな恐怖の9番線の列車に乗ってみます。
20:25発JR仙石線普通あおば通行きに乗車。
20:27、あおば通駅に到着。
…もう終点です。
そう、このあおば通駅は仙台市営地下鉄との
乗り換えの利便性の為に作られた駅で、
仙台駅からは500mしかなく実質同じ駅のような扱いなので
こんな区間だけを乗る阿呆は居ないだろうと
仙台駅9番線(仙石線あおば通方面)の列車時刻は
案内板に表示されていなかったのです。
東京メトロ丸ノ内線で言うところの
東京-大手町や新宿-新宿三丁目と言ったところでしょうか。
地上に出ると仙台駅の近さが良く分かります。
階段の上り下りを考えると歩いた方が楽かも知れませんね。
この後はスーパーで朝食を買ってから
宿に向かって寝ました。
コメント