(無題)

今日から三連休。
天気は悪めですが、そんな事でめげていられません。
というよりは、悪天候の東京で三連休を潰すなど
想像するのもおぞましい苦行です。
という訳で、紅葉を求めて北へ赴く事にしました。

4:25、起床。
洗濯物を干してから北千住駅へと急ぎます。
6:03発JR常磐線快速上野行きに乗車。
ふぅ、走ってきたから暑くなってしまった。
上着を脱ぐか。

6:14、上野駅に到着。
ここで親と合流し、6:38発JR東北新幹線
はやぶさ1号新函館北斗行きに乗り換え。
…ん?
あっ、しまった!
常磐線の車内にカメラを忘れてきてしまった!
何たる失態…
まあ、もう新幹線に乗ってしまったから仕方無い。
誰かが届けてくれると信じて、
文章力を高めるべく今回は写真抜きで
…はキツいから、iPodで写真を撮る事にしよう。

8:45、盛岡駅に到着。
今回巡る場所は公共交通機関が非常に不便なので
レンタカーを借ります。
まあ、公共交通機関が便利なところなんて
旅行した事は滅多にありませんが。
北千住から遥々延びてきて
最早高速道路と化した国道4号で北に向かい、
徐々に高度を増していきます。


やって来たのは八幡平アスピーテライン。
アスピーテ(Aspite)とはドイツ語で「盾状火山」の意。
溶岩台地の八幡平を東西に貫く景勝道路です。
10月上旬なのでまだ早いかと思いましたが、
結構紅葉が進んでいますね。


御在所駐車場に車を置いて、少し散策してみます。


真っ赤に染まった湿地。
酸化鉄の色?
温泉が湧いているのでしょうか。


五色沼(赤沼)。
福島県にも同じ名前の沼がありますが、
あちらは幾つもの沼があってそれぞれ色が違ったのに対し、
こちらは底から水温16℃の温泉が湧き出していて、
それよりも表面温度が低い時期は
対流が起きる事で温泉水が表層まで混ざって褐色になり、
それよりも表面温度が高い時期は
対流が起きないので青色になるという、
一つの沼が一年の間に様々に色を変えるというものです。


不思議な事に、そのすぐ隣にある御在所沼は
色を変える事なく、年中所謂普通の池の色です。


しかも、この二つの沼を隔てるのは
僅か10m程の土だけです。
何かの拍子に崩れてしまいそうだけどな…


紅葉しているだけあって気温は10℃。
散策で身体が冷えてしまったので
じゅんさい汁ときのこ汁を頂きます。


小腹を満たしたら更に上ります。
この辺りは早くも綺麗に紅葉していますね。
多くの車が路肩に停まって写真を撮っています。


更に上ると物凄い濃霧に。
伸ばした手さえ少し霞んで見えるレベルです。
山頂付近にも遊歩道があるそうなのですが、
駐車場が閉鎖されていて入れませんでした。
迂闊に立ち入って遭難しないようにでしょうか。
ヘッドライトを点けて気を付けながら下っていきます。


蒸ノ湯温泉に到着。
今夜泊まる宿ではありませんが、
日帰り入浴したいと思います。
ここの宿は露天風呂が有名なのです。
何で有名かと言うと…


このワイルドさ。
吹きっ晒しの岩場に取って付けたような露天風呂。
混浴風呂など外からも丸見えです。


男女それぞれの風呂はちゃんと隠れていますが、
それでも吹きっ晒しである事に変わりはありません。
1畳分も無いバス停のような脱衣所で服を脱いで
白濁した6畳ほどの広さの風呂へ。
いやー、秘湯感溢れていて良いですね。
着替える時ちょっと寒いけど。


身体が温まったら、
後生掛温泉まで下って昼食。


さて、この後生掛温泉は温泉自体も湯治で有名ですが、
八幡平の火山活動を間近に見られる
自然研究路でも有名です。
風雨が強まってきたので親はパスしますが、
僕は当然一人で突撃します。


紺屋地獄。
クレーター状の窪地に100℃近い泥水が湧いています。
紺屋が布を染める様子に似ている事から名が付いたとか。
紺屋ってそんなに恐ろしい職業だったのか…


この辺りも紅葉していますね。
温泉の熱が紅葉が遅らせるかと思ったけど、
そこまでの効果は無いのかな?


大湯沼。
紺屋地獄が更に大きくなったものです。
今も鋭意拡大中だとか。
ここは遮る物が無いから風が強い!


大湯沼は早めに切り上げて、
泥地から火山ガスが噴出して窪んでいる
マッドポットが点在する小坊主地獄を下ります。
正に地獄と言うに相応しい光景です。


泥火山。
噴き出した熱泥が堆く積もったものです。
日本一の大きさだとか。
実際に見ると結構小さく見えますが。
泥だから余り高くなると崩れるのかな?


八幡平アスピーテラインを下り切り、
日本一酸性度の強いpH1.05(胃酸と同じ)の
玉川温泉を見たりしながら、
水墨画のような幽玄たる山を下っていきます。


田沢湖に到着。
最大水深423.4mで日本一深い湖です。
世界一深いバイカル湖(最大水深1,642m)を見た後だと
感動が薄いだろとか言わない。
バイカル湖は断層湖なので細長い三日月形ですが、
こちらはカルデラ湖なので真ん丸です。
(クレーター湖だという説もあり。)


田沢湖岸にある御座石神社にやって来ました。
何やら散策路があるので歩いてみます。


田沢湖の主と化した辰子が
人間時代に自分の姿を映したという鏡石。
あの石で本当に映るんだろうか…?


鏡石の展望台には何故が硬貨が
大量に刺さっています。
お賽銭の代わりでしょうか。
楔みたいになって割れないのかな…


御座石神社。
田沢湖の主たる辰子を祀っているので、
田沢湖に向かって鳥居が建てられています。


綺麗な水の色です。
嘗ては摩周湖に並ぶ透明度を誇ったそうですが、
昭和15年に前述の玉川温泉の強酸性水を弱酸性化して
下流域での農業を振興しようとして、
何を考えたのか田沢湖に流入させた事で
水質は急激に悪化してしまいました。
その為、水質改善の努力は今も尚続けられているそうです。

それでは、暗くならない内に宿へと向かいます。
田沢湖から東に向かって山道をひたすら登ります。
幾つもの宿を過ぎ、最終的には砂利道になって
どん詰まりの小さな駐車場に到着。
宿が見当たらないけど…
まさかここから雨の中歩くの!?
困って宿に電話してみたら
宿の軽自動車で迎えに来てくれました。
少しでもハンドル操作を誤ったら
谷へ真っ逆さまという道を5分ほど走ります。


漸く辿り着いた旅館。
日本で最も有名な秘湯、
乳頭温泉で最も奥地にある宿です。
およそ平成の世にあるとは思えない設備です。
いやー、凄いところがあるものだな…
奥鬼怒温泉とかもこんな感じだったけど。
きりたんぽなど、秋田料理を食べ、
温泉で温まってから寝ました。

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