今日も全休日。
幾ら何でもたった1教科の仕上げの為に
丸3日も要らないんだよな…
そう言えば、去年も流体力学で似たような状況だったっけ。
確かその時は試験前日に…
3:30、起床。
眠い目を擦りながら朝食を済ませ、
白んだ街を歩いて北千住駅へ。
4:44発JR常磐線快速上野行きに乗車。
上野駅でIT(元・旭丘高)と合流し、
5:13発JR高崎線普通高崎行きに乗り換え。
この高崎行き始発列車に間に合う駅はそう多くありません。
地下鉄は全滅、私鉄は京成だけギリギリ間に合うかどうか。
折角JR沿線に住んでいるので地の利を活かしてみました。
ITは飯田橋駅から来たそうです。
高崎駅で7:10発JR上越線普通水上行きに乗り換え。
出た、手動ドアだ。
水上駅で8:24発JR上越線普通長岡行きに乗り換え。
上越線長岡行き「始発」列車です。
まさかここに来て列車が新型になるとは。
試験前日に何処まで行く気なんだ、って?
ここまでです。
8:33、土合駅に到着。
地下鉄でも無いのに地下にある珍しい駅。
しかも、地下鉄よりも遥かに深い場所にあります。
驚くなかれ、何と地下70.7mです。
別名「日本一のモグラ駅」。
エスカレータやエレベータなどという甘ったれた物は無く、
地上の出口までは486段の階段を登らねばなりません。
究極にバリアフルな駅ですね。
このホームには1日5本しか列車が来ないので
列車を逃したら絶望ですね。
ちなみに、これは下り線のホームだけで
上り線は普通に地上にあります。
ここはかの有名な上越国境であり、
地形の都合上複線化する際に
下り線のホームはトンネル内に造らざるを得なかったのです。
出口目指して登ります。
階段の脇には地下水が流れています。
「ここが階段のまん中です」という案内。
ここまでで243段です。
長い。
休憩用のベンチまであります。
地下水でびしょびしょになっていますが。
悪い事は言いません。
体力に自信の無い人は土合駅で降りないようにしましょう。
おっ、地上の光だ!
まだ143mもあるのか…
改札に辿り着くだけでも一苦労です。
漸く改札に到着。
ホームから10分程掛かりました。
北千住駅を出て丁度4時間。
土合駅探訪もお目当ての一つではありますが、
これが主目的ではありません。
試験前日にわざわざここまでやって来た目的は…
そう、谷川岳です!
標高は2,000mにも満たない山ながら、
昭和6年の統計開始以来の累計死者数は何と800人以上。
あの槍ヶ岳や劔岳を遥かに超えるのみならず
ヒマラヤの8,000m峰の死者数を
全て足し合わせても及ばないという、
正に「魔の山」なのです。
とは言っても、その大半はロッククライマーなのですが。
しかし、上越国境だけあって天候の変化は激しく、
一般の登山道でも気が抜けません。
土合駅前。
何もありません。
左側に廃屋と化した「土合ハウス」があるのみ。
ロケーション的には完璧に秘境駅ですが、
谷川岳のネームバリューから利用者は多いです。
土合駅外観。
ロッジのような三角屋根になっています。
会津高原尾瀬口駅もこんな感じでしたね。
どちらも登山の拠点になっているからロッジ風
というよりは、どちらも豪雪地帯だから
雪を積もり難くする急勾配の屋根なのでしょう。
土合駅から歩きます。
豪雪地帯なだけあって道路にもスノーシェッドが。
谷川岳登山の拠点となる谷川岳ロープウェイ土合口駅。
谷川岳にはロープウェイがあります。
そんなに安いものでは無いので
元々は復路しか使わない予定でしたが、
天候がそんなに良くなさそうなので
魔の山谷川岳に対して畏怖の念も抱きつつ
往復ロープウェイを使う事にしました。
上の方はガスっているな…
完全に雲の中に入ってしまいました。
10m先も良く見えません。
11人が乗っているロープウェイの中はお通夜状態です。
谷川岳ロープウェイ天神平駅に到着。
何だこの霧は!
ここまで来ると最早笑うしかない。
下手すると遭難しそうだな…
晴れていればこれだけ山が見えるとか。
信じられない。
しかし、ここまで来て引き返す訳にはいかないので
前進あるのみです。
谷川岳はロッククライミングの聖地としても知られるように
結構岩場の多い山です。
鎖場も屡々現れます。
そんなに鎖が要りそうな場面には見えませんが。
熊穴沢避難小屋。
最初のチェックポイントです。
ここまで登山道上に開けた場所は無いに等しく、
この避難小屋まではほぼ休憩無しで来る事になります。
小屋の中で休もうかと思いましたが、
蒸し暑かったので荷物だけ置いて外で休みました。
熊穴沢避難小屋を過ぎると俄かに道が険しくなります。
気温自体は低いというのに、
どうしてこう止め処無く汗が流れるんだ…
湿度が高くて汗が蒸発しないからでしょうか。
あと、全くと言って良いほど風が無い。
息を吸うと水の臭いを感じられる程の濃霧。
登山道が何処まで続いているのか全く見えません。
あそこで終わりじゃないか→違った…
というやり取りを幾度と無く繰り返しながら
遮二無二白い世界の中を登っていくと…
霧が晴れた!?
遂に霧が晴れた!
不意に山肌が見えました。
暫くするとまた霧の中に消えてしまいましたが。
でも、雲は大分薄くなってきたみたいだ!
森林限界を超え、空気も涼しくなってきました。
後ろを振り返ってみると、
これまで見た事も無いような見事な雲海が。
どうやら、雲が晴れたというよりは
僕等が雲の上まで登ってきたようです。
自らの足で雲上の人になったんだ!
丸太造りの階段を登ります。
高千穂峰みたいな滑り易い山ならともかく、
このくらいの場所で階段を造られても
却って登り難いんだよな…
自分と歩幅が合わないし。
肩ノ小屋に到着。
ここは有人の山小屋です。
中で休んでいる人は誰も居ませんが。
ここまで来たら山頂まではあと少し!
最後の坂を登れば…
谷川岳山頂その1、トマの耳(標高1,963m)です!
曇天の木曜日だと言うのに登山者で賑わっています。
実は、谷川岳の最高所はこのトマの耳ではありません。
隣のオキの耳なので、
そちらへ向かって片側が切れ落ちた稜線を歩きます。
足を滑らせたら一体何m落ちるのか…
皆目見当も付きません。
滑落しないよう、
一歩一歩踏みしめて最後の岩場を登れば…
着いたー!
谷川岳山頂その2、オキの耳(標高1,977m)です!
魔の山谷川岳、制覇!
トマの耳よりは若干狭いですが、
人はこちらの方が少ないです。
雲も晴れたのでここで昼食休憩。
トンボが沢山飛んでいます。
景色で騙されそうになるけど、
標高2,000m足らずだからな…
越後湯沢方面を望む。
この窪地は周りの山々に雲が遮られて晴れています。
そして、南からは滝のように雲が流れ込んでいます。
所謂滝雲です。
美しい…
この雲のお陰で暑さも幾分和らげられたし、
普段は大混雑の谷川岳が空いたし、
案外絶好の天気だったのかも知れませんね。
トマの耳方面を振り返る。
スリリングな稜線に見えるかも知れませんが、
こんなのは谷川岳では序の口です。
この「左側から」登ってくる人も居るのですから。
それは死ぬだろ…
人間というのは良く分からない事をするものです。
トマの耳とは逆方向、北方を望む。
この先にはロッククライミングの聖地であり、
谷川岳を魔の山足らしめる一ノ倉沢が鎮座しています。
今は雲に包まれていてその姿は見えませんが。
画像検索とかをすれば幾らでも出て来るとは思いますが、
人を寄せ付けない神々しささえ感じられる岩壁です。
僕は流石にそれを登ろうとは思えないかな…
さて、山頂を満喫したら下山します。
家に帰るまでが登山です。
土合駅に停まる列車は1日5往復。
15:34発を逃すと次は18:18。
終電です。
頑張れば15:34発の列車に乗れそうなので
転んだりしない程度に急ぎます。
下の方も朝に比べるとかなり霧が晴れていました。
稜線で動けなくなった女性が居て、
その人を救助する為に出動した
レスキューヘリなんかも見えました。
やはり魔の山谷川岳。
木道にいたオオクワガタ。
クワガタなんて久し振りに見たな…
ロープウェイ乗り場が見えました。
こんな風になっていたのか…
右手には天神峠ペアリフトもあります。
ただ、看板に載っているような山々は
相変わらず見えませんが。
ロープウェイで下山します。
途中擦れ違ったロープウェイに
女子大生が大勢乗っていたけど、
こんな時間に上がって一体何をするのだろう…
スノーシェッドを潜って駅に向かいます。
この国道291号線、群馬県前橋市と新潟県柏崎市を結ぶ
れっきとした一般国道なのですが、
この谷川岳の先の清水峠で
明治18年の開通後すぐ完膚無きまでに崩れ尽くして以降
130年以上通行止めになっており、
自動車や自転車は疎か徒歩でさえ通行はほぼ不可能という
日本一過酷な国道となっています。
実質谷川岳アクセス用ですね。
土合駅に着きました。
間に合った…
ところでこの清水峠、
東京から遠く離れた片田舎で
大多数の人には全く関係無い…
と思っていませんか?
実はそれは大きな間違いです。
この奥にある鉄塔が結ぶ送電線、
この電線は何とJR東日本の使う全電力の4割を
首都圏の鉄道へと運んでいるのです。
ここに何かあったら東京は壊滅する訳です。
…そう考えると何か起きて欲しい気もする。
15:34発JR上越線普通水上行きに乗車。
水上駅で乗り換えて高崎へ。
打ち上げします。
高崎で有名なパスタ屋があったので
入ってみました。
6品コースで何と税抜1,280円。
安い!
しかも美味しい!
群馬最高。
締めは谷川山麓の水出しコーヒー。
いやー、良い一日だった。
この後は19:07発JR両毛線通勤快速上野行きに乗って
北千住駅へと帰りました。
明日は期末試験か…
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