南米旅行第5日目。
空気を求めて国境越えです。
1時半頃起床。
一昨日から合わせて30時間くらい寝ているので
時間感覚が無くなっています。
列車に乗るべく駅へと向かいます。
頭痛に加えて関節痛が…
Uyuni駅(ウユニ駅)。
待合室。
列車を待つ人達で既に満員です。
窓口でe-チケット的なものを切符に交換。
ここで席が決まるようです。
さて、列車はどれくらい遅れて来るのか…
ただでさえ体調が良くないのに
駅で長時間待たされるのは辛いな…
えっ、もう来たの!?
定刻の出発時刻より30分も早いです。
意外にせっかちな南米。
大きな荷物は後方の荷物車に預けます。
若干不安な気がしないでも無いですが、
今更心配しても始まりません。
ボリビア国鉄を信じます。
2:50発Wara Wara del Sur号
(ワラ・ワラ・デル・スール号)に乗車。
Ejecutivoという最上ランクの座席です。
高いから外国人ばかりかと思いきや
地元の人の利用もかなり多いです。
2:50に定刻通り出発。
寝ます。
途中、脱線するんじゃなかろうか
というレベルで揺れたりしましたが、
毛布と枕が配られたので案外快適でした。
起きたらこんな車窓。
この世のものとは思えぬ景色です。
このFCA(ボリビア国鉄の意味?)は
“Empresa Ferroviaria Andina S. A.”
「アンデス旅客鉄道会社」の別名を持っているように、
アンデス山脈の山中をひた走る
世界で最も高所にある鉄道の一つなのです。
高度的には中国の青蔵鉄道や
チリのアンデス中央鉄道の方が上ですが、
青蔵鉄道はチベットの入域許可証が中々下りないし、
アンデス中央鉄道は年に数回しか走らないので、
気軽に(?)乗れる鉄道としてはここが最高所では。
車掌がやって来て朝食券をくれたので
食堂車にやって来ました。
Ejecutivoでは朝食が付くようです。
朝食の間は停車してくれる親切仕様。
走っていると揺れでとても食べられないからでしょうか。
朝食はこんな感じ。
温かいスクランブルエッグが有難い。
ただ、乾燥しているからかパンはパサパサです。
出来れば温かいスープとかが良かった。
贅沢は言えませんが。
あー、味噌汁が飲みたくなってきた…
食後のお茶。
アンデスで噂のコカ茶です。
コカインを抽出するあのコカの葉を煮出したお茶。
勿論、コカインの含有量は極微量なので
覚醒作用や依存性はありません。
高山病に効くとか。
ほのかに甘味を感じるお茶です。
朝食タイムが終わったら再び出発。
地上と宇宙の境目を走ります。
こんな場所にも人は住んでいます。
列車は集落毎に律儀に停車していきます。
この鉄道が唯一の交通手段っぽいな…
San José de Horno駅(サンホセ・デ・オルノ駅)にて。
峡谷を走るWara Wara del Sur。
良くぞこんな場所に鉄道を通したものだ…
トウモロコシ畑が広がる集落。
体育館のような場所で
バスケットボールに興じる子供達。
こんな高地で良くバスケなんて出来るな…
フリースローしただけで酸欠になりそう。
神殿のような形をした岩。
そんな岩々の間を縫うように走るWara Wara del Sur。
落石に注意しているのか
この辺りはかなり徐行しており、
頻繁に停車していました。
ここでは30分程足止め。
どうやら雨で線路に土砂が流れ込んだようです。
大きな街に入ってきました。
10:07、Tupiza駅(トゥピサ駅)に到着。
殆どの乗客がホームに降りて
物売りから飲み物や食べ物を買っています。
タイとは違い、物売りは列車に入って来ないようです。
停車時間は40分間でした。
車両の足回りからピチャピチャ音がするので
何なのかと思って見てみたら
線路が完全に水没していました。
線路の方が周りより低くなっているのか…
線路は続くよ何処までも。
保線作業中のおじさんが居ました。
何処からどうやって来たのだろう…
ウマも居ました。
飼い馬かな?
辺りには何も無いけど。
ビュート?
アメリカのルート66もこんな感じなのかな?
峡谷から平原に出て来ました。
お昼を過ぎても一向に駅に着く気配が無いので
食堂車でお湯を貰ってカップ麺を食べる事に。
南米で人気のあるマルちゃんです。
パクリとかでは無くあのマルちゃん製麺です。
うーん、何とも不釣合いな景色。
街が近付いてきました。
14:10、Villazon駅(ヴィジャソン駅)に到着。
2時間20分遅れでした。
Villazon駅外観。
終着駅とは思えぬショボさです。
タクシーを捕まえて国境へと向かいます。
Bs.10也。
国境付近の集落。
嘗ては国境を越えて線路が通じていましたが、
現在はここで途切れています。
という訳で国境にやって来ました。
このタイミングで雷雨になってきた…
カンボジア-タイ国境を彷彿とさせる混雑振り。
どうして陸路国境というのはこう混雑するのだろう…
(以降、アルゼンチン時間UTC -3.0h)
30分程待たされて漸く国境越え。
南米第3ヶ国目、アルゼンチン共和国です!
…僕だけ手荷物検査をスルーさせられたけど
大丈夫だったのかな?
“Las Malvinas son Argentinas”
(マルビナス諸島はアルゼンチンだ)
こんな所でもアピールするのか…
日本だと「北方領土は日本だ」という看板を
石垣島に立てているようなものだけど。
タクシーに乗ってバスターミナルに行こう…
と思ったのですが、ペソ払いしか出来ないらしく、
しかも、国境の周辺に両替所がありません。
何でも、両替所はVillazonにしか無いとか。
マジか…
Villazonで替えておかなかったのは失敗だったな…
仕方が無いのでバスターミナルまで歩く事に。
何とかバスターミナルに到着。
Lonely Planetをして”the chaotic bus terminal”
と言わしめたバスターミナルです。
ここで死ぬ程ボラれました。
思い出すのも忌々しい。
何故あそこでパッとお金を支払ってしまったのか…
なまじボリビアではボラれなかったから
言い値ですんなり受け入れてしまった…
くそー!
オレオレ詐欺に引っ掛かるのってこんな感じだろうか。
これがカオスか。
アルゼンチンの洗礼ですね。
次から客引きには気を付けよう。
兎にも角にも南へと向かいます。
ボラれたとは言え流石はアルゼンチン、
路面状態はとても良く、殆ど揺れません。
検問所が現れました。
ボリビアは世界有数のコカの産地なので、
ボリビア方面から来た乗客は徹底的に調べられます。
だからこそ国境で顔パスだったのは謎ですが。
日が暮れてしまった…
どれだけ念入りに調べているんだ…
と思いきや、僕についてはパスポートをパッと開いて
(しかも、何も書かれていないページ)、
小さいリュックの4つあるポケットの内
2つを開いて中をごそごそ探って、
大きいザックに至っては何も開かずに
手で叩いただけで終了しました。
これが菊の御紋の威力なのか?
が、バスに戻ったものの
いつまで待っても発車する気配が無い。
幾ら何でもこんなに時間が掛かるものだろうか…?
と疑問に思っていたら、前の席のお姉さんが
“Este autobús no sale.”
へぇっ!?
このバスは発車しないだって!?
何でも、乗客の内の一人の女子が
大量の米ドルを持っていた為に検問で引っ掛かり、
その所為でバスが出発出来なくなったのだとか。
いや、何で他の乗客までとばっちりを食らうんだ…
代わりのバスがやって来ました。
皆が我先にと乗り込むものだから
席が埋まってしまって階段に座る羽目に。
流石は南米の陸路国境越え…
一筋縄ではいかないな…
とっぷりと日が暮れたところで
漸くHumahuaca(ウマワカ)に到着。
今夜の宿がある街です。
が、ここで問題発生。
何とwifiが全く通じない。
地図も分からないし、どうすれば良いんだ…
藁にも縋る思いで
近くに居たお姉さんに住所を見せて訊いたら、
宿のある通りまで案内してくれました。
有難い!
正に渡りに船です。
宿に着くまでの通りで
何やら屋台が立ち並んでいました。
お祭りでもやっているのかな?
この後は夕食を済ませてから宿で熟睡しました。
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