薩南諸島旅行第4日目。
薩摩硫黄島へと渡ります。
6:27、起床。
二日酔いはしていません。
朝食を食べ、船の時間まで暇なので散歩します。
井がわ。
嘗てはここに湧水があり、
島民はここまで水を汲みに来ていたのだそうですが、
昭和40年にその水源を利用して上水道が整備されると
集落からこの井がわまで
急な坂道を上り下りしなくて良くなったとか。
逆に言うと、昭和40年まで上水道無しで
ここの湧水頼りで生活していたという事なのか…
井がわの近くで何やら水の音が聞こえたので
脇道に分け入ってみます。
沢だ!
黒島と違って竹島は低いし小さいし細長いしで
川は無いのかと思っていましたが、
そんな事も無いんですね。
ちなみに、こちらが現在の貯水場。
集落から少し外れた場所にあります。
昨日は西端のオンボ崎まで歩いたので
今日は東に向かって歩いてみます。
気になるので好奇心の赴くままに
脇道に逸れてみます。
一体何処に繋がっているんだろう…
海の側で崩落して途切れていました。
昔は釣り場にでも通じていたのかな?
そんなこんなしている内に東端の佐多浦牧場に到着。
昨日も気になっていたんだけど、
ここから更に東に延びる道があるんだよな…
進んでみます。
脇道から見た佐多浦牧場。
道は突然途切れていました。
舗装までされているのに
何処にも繋がっていないってどういう事なのだろう…
道は何処かに繋がっている筈だという
固定観念に対して問い掛けているのだろうか?
それはそうとして集落に戻ります。
途中、カラスの大群につけられてちょっと怖かった。
余所者だからなのかな?
集落まで戻ってきました。
同じ宿に泊まっている大工さんが造っている
三島村公営住宅の工事を覗いてみました。
ちゃんと完成するのだろうか…
診療所の扉に貼られていたお知らせ。
立志式って半田市だけのものじゃなかったのか…
野性味のある野良猫。
この後は宿に戻って早めの昼食を頂き、
看護師さんと大工さんにもお別れを行って港へ。
12:45発フェリーみしまに乗船。
時間が無いので乗船券を船内で買ったら
領収書みたいなペラペラのものでした。
次はいよいよ三島村最後の島、薩摩硫黄島です。
さらば、竹島…!
下り便だからか見送りの人はほぼゼロでした。
13:25、硫黄島に到着。
見た目からしてインパクトが
三島村随一だった薩摩硫黄島がトリを飾ります。
昨年末にも来ようとしたものの宿が一杯で、
実を言うと今回も宿が取れずに
結局野宿する事になりました。
鹿児島大の人からの繋がりで
三島村をPRしているという三人組の方が
テント場を手配して下さいました。
有難し。
本来は港のすぐ傍にキャンプ場があるのですが、
今はそこが使えないらしいので
このみしまジャンベスクールの裏手で野宿する事に。
取り敢えず、荷物を置いて散策に出掛けます。
港の傍にあった俊寛の像。
平家討伐を企てたとして俊寛、康頼、成経の3人が
ここ鬼界ヶ島(硫黄島)に流され、
後に康頼と成経は赦免されたものの
俊寛だけは赦されず、
2人だけが船に乗って本土へと帰る際、
自分も連れて行ってくれと
追い縋った様子を表した銅像だそうです。
あんなごみごみした京都なんかより
ここの方が良いと思うんだけどな…
黒島や竹島とはまた違う雰囲気。
火山の影響なのか熱帯な感じの植物が生い茂っています。
冒険ランドいおうじま。
嘗てヤマハグループがこの硫黄島を
リゾート開発しようとし、
リゾートホテルを建てた跡地だとか。
現在は鹿児島市が管理する
青少年用学習施設になっています。
ここのロッジに泊まれるかと思ったのですが、
高校生以下でないと駄目なようです。
大学生は最早青少年では無いのか…
硫黄岳が近付いてきました。
と、ここで車両通行止めの看板が。
硫黄岳は噴火警戒レベルこそレベル1なものの、
火山ガスが勢い良く噴出しているので
道路の劣化も非常に速く道の崩落が進んでいる為、
三島村が自主規制をしているのです。
でも、車両通行止めなら歩行者は大丈夫…?
こんな面白そうな山を目前にして引き返すなんて
元ワンゲル部員として出来る訳がありません。
行きます。
通行止めのロープを越えると
すぐに路面はボロボロになり、
周りの森も姿を消しました。
ネパールか何処かの山道を歩いているような…
そんな開放感のある道です。
楽しい!
山肌からガスが噴出しているのが見えます。
硫黄の臭いは常に感じます。
危険を感じたらすぐに引き返せるよう
嗅覚に全神経を傾けておかないとな…
谷筋に砂防ダムが造られています。
火砕流用だったりするのかな?
峡谷に架かる橋。
橋自体がかなりボロボロなのと
橋を覆うように厳つい巨岩が迫り出していて
中々の恐怖感があります。
橋の上から。
圧巻だな…
大分登ってきました。
稲村岳と矢筈山が眼下に見えます。
この辺りに来ると遮るものが何も無くなり
強風が容赦無く吹き付けてきます。
ただ、火山ガスは薄められるので
登山には寧ろ好都合かも知れません。
硫黄岳の南側に回り込んできました。
海に流れ出す温泉がはっきり見えます。
舗装路なのに藪と化しているな…
いよいよ道端の草さえ枯れてきました。
硫黄岳展望台に到着。
木で出来た簡素なものです。
これまた朽ちているので慎重に上ります。
展望台から見た硫黄岳。
おお…
月並みな表現になってしまうけど、
大地の力を感じさせられるな…
ここまで来ると硫黄臭もそこそこになっています。
硫黄島は嘗て硫黄採掘で栄えた事もあり、
山頂まで道は続いているのですが、
この先は最早枯れ草さえ無く
本能的に危険だと感じたので引き返す事にします。
今度は南海岸に向かってみます。
那智の滝展望台。
俊寛と共に流された康頼が
この風景と熊野の那智の滝を重ねていたとか。
那智の滝に行った事が無いから
似ているのかどうか良く分からない…
火山岩が剥き出しになった海岸を歩きます。
着きました!
東温泉です!
硫黄岳を背景に海を望むワイルドな天然露天温泉。
美しいエメラルドグリーンのミョウバン泉で
源泉掛流しなので上段は結構熱いです。
勿論、更衣室も何もありません。
貸切状態なので気にする必要は皆無ですが。
あー、登山後の温泉は最高だ…
こんなに気持ち良い温泉は初めてだ…
秘湯マニア垂涎の的だそうですが、
強酸性なので皮膚が弱い人は要注意。
あと、上がり湯なんてものは無いので
鉄の臭いが結構付きます。
それを鑑みても素晴らしい温泉ですが。
いやー、極楽極楽…
登山の疲れを癒したら集落に戻ります。
途中、野生のクジャクに遭遇しました。
この熊野神社の境内には
特に多くのクジャクが隠れていました。
熊野神社とはまた大きく出たものだと思ったら、
これは本家の熊野神社に見立てたものだとか。
この硫黄島全体が壮大なスケールの箱庭
といったところなのでしょうか。
集落に戻ってきました。
売切れじゃない自動販売機。
おー、文明の香りがする…
そして、硫黄島には商店もあります。
パッと見はただの民家ですが。
菓子パン1個150円、サバ缶1缶220円…
やはり輸送費が掛かる分高いですね。
三島村開発総合センターには図書室がありました。
これだけしか置いていないのか…
島の暮らしに惹かれる事もありますが、
本好きの身としては
図書館がショボいのは堪えます。
ジャンベスクールに戻ってきました。
真っ暗でする事も無いし、早めに寝るか…
と、20時に寝袋に包まっていたら、
戻ってきた三人組の方に招かれ、
校舎の中でご飯を御馳走になったり、
インタビューを受けたりしました。
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