(無題)

山陰旅行第5日目。
名残惜しいですが、隠岐ともお別れです。

7:15、起床。
宿で朝食を済ませ、
雨が降っているので宿の人に車で港まで送ってもらいます。


10:55発隠岐汽船フェリーしらしまに乗船。
さらば、隠岐!

13:20、境港に到着。

13:34発JR境線普通米子行きに乗り換え。
予定到着時刻の14分後発車の列車に乗り継げるとは
驚く程鉄道との接続が良いフェリーです。
鉄道連絡船並みです。
鉄道に乗り換えている人は余り居ませんでしたが。

14:19、米子駅に到着。
ここで昼食にします。

ホームにあった立ち食いそば屋で昼食。
肉うどんと鯖寿司という凄い組み合わせのセット。
ディーゼル音をBGMに食らいます。


14:48発JR山陰本線快速アクアライナー益田行きに乗り換え。
今回の旅行で最も乗車時間が長い列車です。
山陰本線長い。
現在のJRの在来線では最長(673.8km)です。


島根県に入って宍道湖が見えてきました。
懐かしいな…
3年前に出雲大社を参拝したっけ…


海に臨む田儀駅。
アクアライナーなだけあって
小田駅から先は日本海沿いを走るようになります。


リアス式の山陰海岸。
幾つもの無人の入り江が現れては消えていきます。
それにしても、水が綺麗だ。


波根駅を過ぎてすぐくらいにあった蝋燭のような岩。
掛戸松島という名前だそうです。
どうやって出来たのだろう…
山陰本線の車窓は見ていて飽きません。


17:25、江津駅に到着。


ここで夕食を済ませます。
美味しそうな香りに惹かれて
居酒屋の集まる通りに向かってみたのですが、
悉く予約で埋まっていました。
江津ってそんなに人が多いのか…?
仕方無く、スーパーに入っていた定食屋で済ませ
再び江津駅に戻ります。

さあ、江津駅で降りたと聞いたら
ちょっと鉄道に詳しい人はもうピンと来た事でしょう。


そう、三江線です。
最早伝説となりつつある三江線。
それ以上の伝説だった岩泉線が亡くなった今、
この三江線は全国のあらゆる鉄道路線の中で
最も輸送密度が低い(乗客が居ない)路線なのです。
驚くなかれ、その輸送密度は全線合わせて44人/日。
「猿でも乗せるつもりか」と言われたあの山田線でさえ
一部区間は震災の影響で代行バスになっているのに279人/日、
廃止が決定した留萌本線でも149人/日。
誰の誰による誰の為の路線なのか。
江津駅からは1日5本。
山陰本線と比べても驚くほどスカスカな時刻表です。


そんじょそこらの廃線の現役時代よりも
遥かに低い輸送密度を三江線は叩き出しているので、
当然の事ながら幾度と無く廃止の話が持ち上がっており、
三江線活性化協議会なる組織が廃止を阻止しようと
三江線のアピールに力を入れています。
山陰のローカルテレビでCMも流していました。


こんなイベントまで。
一体何処からそんな予算が出ているのだろう…


三江線活性化協議会とは関係ありませんが、
自動券売機の横には三江線全通40周年祝いの花が。
「幾たびの 苦難も宝 三江線」とあるように
江の川沿いを走る三江線は度々水害を被り、
その度に今度こそ廃止だろうと思われながらも
どういう風の吹き回しなのか復旧してきたのです。


19:01発JR三江線普通浜原行きに乗車。
どうせ貸切状態なんだろうな…
と思ったら、10人近く乗客が居て
正直目玉が飛び出るほど驚きました。
更に驚いたのが千金駅で1人乗ってきた事。
何処から来たの!?
千金駅って周りこんな感じだよ!?


江津駅を出るとすぐに江の川に寄り添います。
部分開通を含めるとそこそこ歴史の古い三江線は
トンネルを余り使わず律儀に川に沿って走ります。
とにかくノロい。
浜原駅までの50.1kmを1時間46分もかけて走ります。
表定速度は28.4km/h。
当然ながら、併走する道路の車にバンバン抜かされます。


日が落ちて19時半前でこの暗さ。
列車の灯りがある前面はまだこれで済みますが…


背面はこんな感じです。
何も見えない…


この川戸駅でお爺さんが1人降りました。


この田津駅では2人。


降りる人が居るくらいなので
沿線には普通に民家があります。
それなのに異常に暗い。
街灯の数がやけに少ないのです。
こんな中歩けと言われたら泣くな…
自動車の運転でさえしたくは無い。
というか、列車に乗っていても少し怖い。
銚子電鉄で肝試し列車が運行されたけど、
三江線なら雨の日の夜に突然電気が消えて
停まるだけでも相当なホラーだと思う。
ちなみに、まだ20時前です。


因原駅で千金駅から乗ってきた人を含む3人が下車。
ここは近くにスーパーがあって超都会でした。
雑談していたおばちゃんが降りて
車内が一気に静かになってしまったな…


石見川本駅で唯一の列車交換。
1人が降りていきました。


竹駅。
ちょっと面白い名前。


乙原駅で1人下車。
車内に残ったのは僕等と高校生1人だけです。


粕淵駅で1人が下車。
遂に残るは僕等2人だけです。


終点に向かって土砂降りの中を走ります。


終着駅が見えてきました。


20:47、浜原駅に到着。
暗い。


駅舎も何だか暗い。


反対方向の最終列車もやってきました。


列車の電源が切られて再び静寂が訪れる。


運転手さんは
「ここは何も無いから待合室で寝るしかないよ。」
と言い残して暗闇に消えていきました。
運転手さんは何処で寝るのだろう…
地元の人なのかな?


浜原駅前。
とにかく暗い。
灯りは自動販売機くらいです。


ちょっと駅前を散策してみます。
一人だったら怖くて絶対に無理だな…


ん?踏切の先に何かが見える…


神社?
怖過ぎィ!


浜原ふれあい会館なる建物もありました。
泊まれるかとちょっと期待したけど、普通に無理だった。
でも、駅舎は何か修理しているし、待合室は虫が凄いし…


という訳で、跨線橋で失敬します。
吉野での山行以来の駅寝です。
こういう時、一人じゃなくて良かったと思いますね。
屋根と壁がある事に感謝して寝ます。
お休みなさい。

出典
※「輸送密度」
   JR西日本 区間平均通過人員および旅客運輸収入(平成25年度)
   JR東日本 路線別ご利用状況2010年度~2014年度
   JR北海道 平成26年3月期決算社長談話

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