紀伊半島旅行第2日目。
今日は心残りを取り除くべく
嘗て行けなかった場所を訪れます。
6:32、起床。
ホテルで朝食を済ませ、出発します。
と、その前にちょっと寄り道。
昨日見掛けて気になった
十津川河川敷の道を走ってみました。
道が崖崩れした十津川中学校への迂回路だそうです。
この道、雨の日には走りたくないな…
滝がありました。
この滝を間近に見られるのは
この迂回路が使われている間だけかも知れませんね。
それでは、国道168号線に戻って先に進みます。
平谷という集落から林道に。
ぐんぐん高度を上げていきます。
ガードレールの無い場所も多く中々怖いです。
十津川村の集落が眼下に見えます。
大分上がってきたな…
更に高度を上げていきます。
ここなどは路肩が完全に崩れています。
道もいつか崩落しそうだな…
カーナビのGPSも狂っています。
これが紀伊半島…
雲の中に入ってきました。
玉置神社に到着。
神武天皇が高千穂から大和に向かう際に訪れ、
崇神天皇が早玉神を奉祀した事に始まるという
とても由緒正しい神社です。
実は嘗てここを訪れる機会があったのですが…
それは兎も角として本殿を目指します。
霧に包まれて霊験灼かな雰囲気になっています。
枝が全て麓を向いた杉。
何故こんな生え方をしているのだろう…
本殿に着きました。
参拝者が順番待ちをしています。
まだ朝9時半なのにこんなに大人気なのか…
御神木。
すぐ傍にこれよりもっと太い杉もあります。
何故この杉を選んだのだろう…
…神が宿っていたからか。
玉置山の山頂まで600mとの事だったので
ついでに登ってみる事にしました。
玉置山頂。
ガスっていて何も見えません。
…この雰囲気、思い出されます。
そう、ここはあの大峯奥駈道。
本来は1年8ヶ月前に通っている筈でしたが、
釈迦ヶ岳の少し先で撤退してしまい
この玉置山には訪れず終いでした。
釈迦ヶ岳から31.3km…
冷静に見ると正気の沙汰では無いですね。
兎にも角にも、蟠りを一つ解消しました。
帰りに郵便屋さんと擦れ違いました。
こんなところまで配達に来るのか…
母島だろうが十津川だろうが、
どんな僻地にもある郵便局は尊敬します。
でも、参道を原付で走るのか…
玉置山を下ります。
こんな山中に民家があって
お婆ちゃんが囲炉裏の傍で寝ていたけど、
一体どうやって暮らしているのだろう…
最寄りの商店まで車でも4,50分は掛かるというのに…
通行止めだ…
紀伊半島は常に10箇所以上通行止めの場所があります。
流石にここは迂回路がありましたが。
細いトンネルだな…
瀞峡にやってきました。
三重県、奈良県、和歌山県の三県境があります。
紀伊半島の3県揃い踏み。
この川の合流地点がそうです。
今居るのが奈良県十津川村、
川を挟んだ左前は三重県熊野市、
沢を越えた右前は和歌山県新宮市。
新宮市は飛び地ですが。
この一帯は県境が複雑に入り組んでいます。
大体は、河川交通に頼っていたこの付近の集落が
地続きの奈良県や三重県よりも
下流の和歌山県との繋がりが深かった事が原因です。
北山村なんかは村が丸ごと飛び地です。
近くには千と千尋に出て来そうな旅館が。
ホテルを自称しているけど、
これは日本で言うところのホテルでは無いな…
別館らしきものもありますが、
そこに架かる吊り橋が完全に崩落しています。
直さないのかな…
というか、この別館はどうやって建てたのだろう…
上流に崩落していない吊り橋がありました。
折角だから渡ってみます。
橋の近くにこんな看板が。
こんなところまで水が来たの!?
水面から10mはあろうかという高さなのに…
どうやら、瀞峡の岩壁の下の方に木が無いのは、
勾配がキツいからでは無く、
平成23年の豪雨で流されたからのようですね。
付近の道の駅瀞峡街道熊野川は
施設が丸ごと流されたとか。
自然の力は恐ろしい…
この看板は民家の盛土にあるのですが、
こんなところにも人が住んでいるんですね。
この山彦橋もその時に流されたらしく、
今年3月に完成したばかり。
でも、谷瀬の吊り橋と同じく木の踏み板です。
これが紀伊半島のスタンダードなのでしょうか…
ちなみに、この橋は三重県と奈良県を結ぶ県境の橋です。
吊り橋の上から見た瀞峡。
吊り橋の先には近畿自然歩道が続いていました。
瀞峡沿いの道のようです。
ちょっと怖いな…
これは歩かずに戻ります。
瀞郵便局。
こんなところにまで郵便局が…
郵便局は本当に尊敬します。
では、十津川村に別れを告げて先へと進みます。
国道169号線で西へ。
橋を渡れば…
遂に、今度こそ辿り着きました!
和歌山県です!
ここまで遠かった…
計画倒れに終わった事は数知れず、
体力が尽きて到達出来なかった事もある和歌山県。
漸く…漸くやって来たんだ…!
和歌山県に入ると物凄い隘路になります。
離合どころか普通に走るのも命懸け。
国道…?
これがその道で人気の「酷道」ですね。
しかも、交通量はそこそこ多いという。
一旦和歌山県を出て三重県に入ります。
三重県の道も中々のものです。
三重県は結構南北に長いので
愛知県民がイメージする三重県(四日市とか)と
この三重県南部とでは全く雰囲気が違います。
目的地が近付いてきました。
やって来たのは丸山千枚田。
こんな山奥に千枚以上の水田が拓かれています。
その執念たるや如何程のものだったのか。
田植えの時期で水鏡になっています。
田植えしている人も多く見掛けました。
ヘビがいました。
他にも、オタマジャクシがいたり、
サンショウウオみたいなやつがいたり…
生態系が豊かです。
しかし、維持に掛かる手間は尋常なものでは無く、
後継者不足で荒廃が進んでいるので
現在は棚田オーナー制度で出資者を募集しています。
それでは、再び和歌山県に行く事にします。
あちこちで工事をしています。
豪雨の復旧作業でしょうか。
そんな酷道を抜けてやって来ました、
熊野本宮大社です。
全ての修験道は熊野に通ず。
そう、遥々吉野から続くあの大峯奥駈道、
その終点こそがこの熊野本宮大社なのです。
1年8ヶ月越しで漸く辿り着きました。
本殿には長蛇の列が出来ています。
こんなに人気なのか…
本殿は4つ+小さな祠1つで構成されていますが、
左から3番目→左から2番目→一番左→左から4番目
→一番右の小さいやつの順でお参りするそうです。
ちなみに、熊野本宮大社のマスコット(?)は八咫烏です。
やた坊というゆるキャラも居ます。
この有名な大鳥居は少し離れた大斎原にあります。
この先には特に何もありません。
…現在は。
嘗てはこの位置に本殿があったのですが、
熊野川の三角州であった為
明治22年の大水害で大破してしまいました。
紀伊半島は昔から水害に見舞われていたのです。
紀伊半島は雨が多いからな…
熊野本宮大社からは国道311号線で西に向かいます。
国道169号線であんな調子だったから、
311号線ともなると一体どんな道に…
と思いきや、本宮へのアクセス路として整備されているのか、
非常に走り易い道でした。
久し振りの海だ!
海は安心しますね。
今日はみなべ町のホテルに泊まりました。
コメント