(無題)

北海道旅行第6日目。

7:15、起床。
今日も最初は観光列車に乗るのですが、
指定席券が満席で購入出来なかったので
早めに駅へ向かって自由席を確保します。


斜里岳に抱かれた知床斜里駅。
8:25頃に到着。
本来は8:34に普通網走行きが発車した後に
僕達が乗る列車の改札が始まるのですが、
中国人観光客の人達が良く理解出来なかったみたいで
8:34発の普通列車の改札と同じ時に入ってしまい、
公平性を確保する為に日本人観光客も早めに入れる事に。


こちらが今回乗る列車、流氷ノロッコ号。
ばっちりオホーツク海側の席を確保しました。
8:30頃に観光バスが着いてすぐ満席になってしまったので
早めに駅に来ておいて良かったです。
早起きは三文の得ですね。


車内はこんな感じ。
今はプラスチック製の窓が取り付けられていますが、
運行開始当初は窓が無く、
「しばれ体験」を売りにしていたそうです。


8:55、流氷ノロッコ2号網走行きに乗車。


知床斜里駅を出ると程無くして
進行方向右手の車窓にはオホーツク海が広がります。
流氷が海岸を埋め尽くしていますね。
何処からが海なのかさえ分からない…


後ろには知床連山が見えます。


進行方向左手には涛沸湖や藻琴山が見えます。


浜小清水駅にはDMV用の設備がありました。
DMV(デュアルモードビーグル)とは
列車としてもバスとしても使える
水陸両用車ならぬ鉄陸両用車の事です。
ここ釧網本線では原生花園や涛沸湖を巡る経路で
夏期のみ試験的に運行が行われています。


9:31、北浜駅に到着。
ここでは14分間停車します。


この北浜駅には展望台があり、
流氷が流れ着いたオホーツク海を俯瞰する事が出来ます。
こちらは網走方向。
能取岬が見えます。


知床方向。
知床連山が見えます。


この北浜駅は現在無人駅ですが、
嘗て有人駅だった頃の設備を使った喫茶店があります。
オホーツク海を望む眺望の良さも相俟って
全国的にも名の知られた駅となっています。
ツアー客の人達は殆どここで下車してしまいました。


10:00、網走駅に到着。
網走刑務所で有名な網走です。


運賃表。
川に次ぐ川。
上川、旭川、深川、滝川、砂川。
本当に連続している訳では無く、
特急列車の停車駅がこうなっているという事です。
街は川があるところに出来易いからね、仕方無いね。
ちなみに、北海道の地名に良くある「○別」も
アイヌ語の「~ペッ」(~川)を音訳したものです。


昼食を食べるべく道の駅へ。
日が照っていると雪が溶けて歩き難いな…


ホタテの釜飯。
道の駅のランチタイムが11:00からで
剰えまたしても中国人観光客でごった返していたので
次の列車の時刻までかなりギリギリになってしまいました。
雰囲気で察して頂けるかと思いますが、
北海道で列車を逃すと洒落にならないので急ぎます。


雪が降ってきた…
網走らしいと言えば網走らしいですが。


何とか間に合った!


12:10発石北本線普通遠軽行きに乗車。
この石北本線は日本で最も
列車本数の少ない本線の一つです。
特急列車はそこそこ走っていますが…


吹雪の中、網走川に沿って走ります。


凍り付いた網走湖。
まさか、この天気で列車が止まったりしないよな…


と思いきや、西に進むにつれて晴れてきました。
この旅行は天候に恵まれていますね。


線路に積もった粉雪が列車で舞い上がっています。
北見駅を越した辺りから何にも見えない…
如何に列車本数が少ないかが窺い知れますね。


留辺蘂駅で特急オホーツクと行き違い。
「るべしべ」駅です。
いやー、爽やかな天気ですね!


金華駅。
ここから次の生田原駅の間にある常紋峠は
石北本線きっての難所として知られており、
工事の際にはタコ部屋労働という過酷な労働条件で
数多くの殉職者が出ました。
この金華駅の近くには慰霊碑が建てられています。
ここで普通列車と行き違いをし、
いよいよ常紋峠越えに挑みます。


列車は足元を確かめるようにしてそろりそろりと走り、
右へ左へと向きを変えながら峠を登っていきます。


常紋トンネル。
僅か507mの長さでありながら、
着工から竣工までに3年を要したという隧道です。
これを過ぎると北見市から遠軽町になります。


14:53、遠軽駅に到着。
ここで1時間35分過ごします。
遠軽の人には悪いですが、これは不可抗力です。
試しに乗り換え案内で網走→旭川を
特急列車とバス抜きで検索してみて下さい。
故障してんじゃなかろうかという結果が出ると思います。
そういう事です。
ここは日本で最も鉄道が不便な地域の一つなのです。


取り敢えず、外を歩いて時間を潰す事に。
この瞰望岩の上を目指してみます。


ここまでも北海道各地で散々しばれ体験をしてきましたが、
ここ遠軽の寒さは格が一つ違う事が素人にも分かります。
日が照っている場所も、車が通っている場所さえも、
雪が溶ける気配が一切無い。
ひたすらふわふわのパウダースノーです。
これが最高気温-3℃の街…


瞰望岩目指して坂道を登ります。
途中、スキー板を持ったおばちゃんと擦れ違いました。
徒歩圏内にスキー場があるのか…
ギュッギュッと雪を踏み締める感覚。
久し振りだな…
気温が低いので滑る心配はまず無いです。


「がんぼう岩登り口 300m先→」…
…?
道は一体何処に…?
3mはあろうかというくらい雪が積もっています。
でも、通行止めの標識は立っていないな…


気合いで進んでみる事に。
これだったら登山靴を履いてくるべきだったな…


ああ!粉雪だから脚が沈む!
場所が悪いと膝まで埋まります。
これ、遭難しないよな…?


少し進んだら道らしきものが見えてきました。


シュプール!?
という事は、ここはスキー場?
でも、どう見てもただの丘だしな…
今流行りのバックカントリーでしょうか?


うーん、雪山登山をしているような気分だ…
市街地から徒歩10分ですが。
この先でシュプールが途切れ、
腰まで埋まりそうな雪が行く手を阻んでおり、
時間も迫っていたので引き返す事に。


記念撮影。
流石にこの装備で冬山は無謀ですね。


いやー、中々楽しかった。


遠軽駅から出て来た流氷特急オホーツクの風。
嘗て遠軽駅は石北本線と名寄本線が結節する
網走地方の鉄道の要衝でしたが、
名寄本線が廃止された現在は
スイッチバック駅となっています。


夕陽に向かって札幌へと走っていきました。


16:28発石北本線普通旭川行きに乗車。
1日2本しかない内の1本です。
峠に向かってじっくりと高度を上げていきます。


下白滝駅。


旧白滝駅。


白滝駅。


上白滝駅。


奥白滝信号場。
元は駅でした。
白滝に次ぐ白滝。
これらは全て停車する列車が
極めて少ない事で全国的にその名を轟かせています。
一番長く止まっていたのは奥白滝。
特急列車行き違いで20分間も停車していました。
ここから北見峠を越えていきます。
ちなみに、上白滝-上川は隣同士なのに
この列車で68分も掛かります。
普通列車が1駅進むのに要する時間としては
勿論ぶっちぎりで日本最長です。
その間、人家等は全く見当たりません。
日本一の秘境地帯を走る区間でしょう。


18:38、上川駅に到着。
列車を降りた瞬間、冷気が肌を突き刺します。
上川という名前は聞いた事の無い人も、
層雲峡の名ならば聞いた事があるのではないでしょうか。
滝さえ凍る層雲峡。
その層雲峡があるのが上川町なのです。
あと、高梨沙羅選手の出身地でもあったり。
急いで宿に向かい、その後夕食を食べるべく外へ。


明らかにこれまでの街とは違う寒さ。
気温-11℃。
寒さを通り越して痛ささえ感じます。
今日の昼に降ったばかりだという雪は
さらさらとかふわふわとかいう次元では無く、
最早触れているという事さえ感じられません。
これは固体なのだろうか…?


そんな上川の街を歩いてラーメン屋へ。
上川はラーメンを推しているようです。
これだけ寒いとラーメンを食べたくなるよなぁ…
あぁ、沁みる…
ラーメン屋の親父さんによると
これでも大分暖かくなった方なのだそうです。
先週は-20℃を下回って雪を踏むと金属音がしたとか。
恐ろしいな…
日本は広いですね。

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