(無題)

北海道旅行第5日目。

7:45、起床。
列車を変えたのでかなり遅い朝です。
のんびりと準備をしてから釧路市街へ。
勝手丼で有名な市場が
朝8時からやっているという事だったので
そこに行ってみた…のですが、何と定休日。
3日間も釧路に居ながら1回も入れないとは…
この市場とはとことん縁が無いですね。
仕方が無いので釧路駅へと向かう事に。


今日は暖かいです。
0℃を上回っているような気がします。
こういう時が一番滑り易いんだよな…


何気に明るい時間帯の釧路は初めてです。
初日は18時過ぎに着いて、
昨日は日の出前に出て日没後に帰ってきたからな…
駅のおにぎり屋で朝食を買い、
昼食用に駅弁のカニチラシも買っておきました。


今日乗る列車はこちら。
SL冬の湿原号です。
釧路湿原の中を縫うように通っている釧網本線を
昔ながらの蒸気機関車で走り抜けるという列車です。
DL(ディーゼル機関車)版もあります。
個人的にはSLよりもDLの方が好きだけどな…
日によってSLかDLかが決まっており、
今日はSLの日なのでSLに乗ります。
2月なのでガラガラかと思いきや、
中国からのお客さんで満員でした。
そう言えば、納沙布岬にも台湾から来ている人が居たな…


特急列車の283系と蒸気機関車のC11。
半世紀で時代は一変するものだな…
11:20発SL冬の湿原号標茶行きに乗車。


車内はこんな感じ。
ストーブが備え付けてあります。
車内販売でスルメを買って焼いたり出来ます。
このストーブの真横の席だったので
暑くて仕方がありませんでした。
スルメでは無くアイスクリームを購入。
うーん、ストーブの利いた客車内で
極寒の釧路湿原を見ながらのアイスも乙なものですなあ。


SLなんて小学生の時以来だな…
煙が凄いので車窓を見るには結構不向きだったりします。
SLがこれほどまでに人気を博している理由は
正直なところ、僕には良く分かりません。
重厚さを感じさせるゆっくりとした発車・停車とか、
風情はありますけどね。


厳冬の釧路湿原。
個人的には昨日の別寒辺牛湿原の方が好きかなー。


蛇行する釧路川。
釧路川は極めて緩い勾配の為、
丁度叩きに細く水を流した時のように
うねうねと蛇行しているのです。
勾配が殆ど無いというのは
鉄道にしてみれば有り難い事なのですが、
湿原という究極の軟弱地盤に線路なんか敷いたら
列車ごと地中へと沈む事確定なので、
釧網本線は釧路湿原の縁を、
これまた蛇行しながらうねうねと走っています。


時折、湿原の中で列車にカメラを向ける人が現れます。
車道の傍に居る人はまだしも、
辺り一面釧網本線以外の人工物が一切無いところで
一人カメラを構えている人は
一体どうやってそこに辿り着いたのだろうか…


茅沼駅の傍にタンチョウヅルが居ました!
一時は絶滅したと思われていた鳥です。
SLの汽笛が聞こえても逃げないんですね。


「タンチョウも私もSLの煙は大嫌い」…
DL派って事かな?
それとも、まさかの釧網本線電化運動?


12:35、標茶駅に到着。
あっと言う間でした。
今の地図を見ると、
何故こんなところが終点に?
という感じですが、
SL冬の湿原号を牽引する蒸気機関車が
最後に働いていた旧・JR標津線が、
嘗てこの標茶駅から分岐していた事に拠ると思われます。
北海道にはこうした嘗てのターミナル駅が多いです。


標茶駅構内は人が多かったので
外で駅弁を食べてみたのですが、
流石に風が冷た過ぎました。


13:20発釧網本線普通川湯温泉行きに乗車。


13:44、摩周駅に到着。
駅名の示すとおり、摩周湖の最寄り駅です。
最寄りとは言っても車で15分はかかる距離ですが。
そんな訳で、バスに乗り換え…
え?冬季は摩周湖行きの普通のバスは運休?
エコバスしか走っていなくて
2日間有効のフリーパスしか無い?
うーん、下調べ不足だったか。
背に腹は代えられないので
弟子屈えこパスポート2日券を購入。


13:55発摩周湖バス3便に乗り換え。


雪深い弟子屈の道を走ります。
今年は平年に比べて2倍くらい積もっているとか。


山道を登っていきます。


14:15、摩周湖第1展望台バス停に到着。
霧の摩周湖と呼ばれるほど
ただでさえ霧で湖面が見えない事が多い摩周湖。
こんな天気ではとても無理か…?


見えてる!?
それも全面綺麗に!
摩周湖は摩周岳の大噴火によって出来たカルデラ湖。
周囲は外輪山ですっぽりと囲まれている為
流入する川も、流出する川も無く、
それ故に嘗ては世界一の透明度を誇っていました。
(現在の透明度世界一はシベリアのバイカル湖。)


いやー、神々しい姿だ…
中央のカムイシュ島はその名もアイヌ語で「神の島」。
摩周湖が形成された後に湖底から溶岩が噴き出し、
蝋燭状に固まったものです。


展望台から見た弟子屈。
二つの巨大なカルデラ湖の外輪山に挟まれています。


暫くしたら雪がちらつき、
摩周湖が霧に覆われてきました。
危ないところだったな…
風も出て来て寒い!
折り返しの14:45発摩周湖バス3便に乗車。
摩周駅に戻ります。


元々は摩周湖だけを見る予定でしたが、
図らずもフリーパスを買う事になったので
どうせなら使わなければ損と思い、
もう一つのカルデラ湖、屈斜路湖にも行く事にしました。
15:15発屈斜路バス2便に乗り換え。


段々雪が強まってきました。


15:47、7分程遅れて砂湯バス停に到着。


日本最大級のカルデラ湖、屈斜路湖です。
雪で対岸が全く見えない…
ハクチョウの飛来地としても有名です。
って言うか、大量に集まっているな。
餌を求めているのか、温泉があって温かいからなのか。


喧嘩して脚に食い付いていました。
ハクチョウは見掛けに依らず気性が荒いです。


16:10発屈斜路バス3便に乗車。
他の乗客は全員中国人で、
添乗員のおばちゃんが僕に英訳を頼んできました。
いや、leftとrightをこの歳まで知らなかったというのは
流石にまずいのではないですかね…?
この便に限らず今日は中国から来た人ばかりだったそうで
言葉が通じなくて大変だったと言っていました。
冬の北海道は中国で人気なのでしょうか?
そろそろ春節だから?
中国の方がもっと遥かに雄大な景色がありそうだけど…


硫黄岳。
ここで産出される硫黄を搬出する為に
北海道で2番目の鉄道、釧路鉄道が敷かれました。
(北海道最初の鉄道は手宮(小樽港)-札幌。)


16:33、川湯温泉駅に到着。
乗り継ぐ列車の発車時刻までは1時間以上あります。
釧網本線の川湯温泉-緑間は極端に列車本数が少ないからな…
どうやって時間を潰そうか…
駅は無人駅で暖房が無くて寒いし…


と思ったら、足湯が併設されていました。
吹き曝しでは無く立派な小屋になっています。
これは有り難い!
早速浸かります。


窓の外では雪が舞い、風の吹き荒ぶ音が聞こえます。
それを横目に足湯しつつ列車を待つ…
いやぁ…冬の旅って感じだなぁ…


ところによって吹雪くという天気予報で
運休しないか気が気では無かったのですが、
列車は10分遅れでやってきました。
17:38発釧網本線普通網走行きに乗車。
峠を越え、釧路地方から網走地方へと抜けます。


18:32、3分程遅れて知床斜里駅に到着。
大分遅れを取り戻したな。
宿に向かいます。


雪が舞う斜里町。
今夜の宿が駅に近くて良かった…
外に出る気が起きませんが、
荷物を置いたら夕食を食べるべく街へ。


斜里産シャケ親子漬け丼。
うーん、美味しい!
地産地消志向のお店が増えているのは
旅行者にとって喜ばしい事です。
この後は吹雪の中を宿まで戻って寝ました。

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