(無題)

北海道旅行第4日目。

4:45、起床。
眠い…
しかし、行程的に遅らせる訳にはいきません。
朝一番で釧路駅へ。


寒い!
-10℃近くになっているみたいです。


5:55発快速はなさき根室行きに乗車。
最初の内は日の出前で真っ暗なので暫く寝ます。
アラームをかけ、日の出直前に起床。


厚岸湾に昇る朝日。
おはようございます!


朝日に照らされた別寒辺牛湿原を走ります。
釧路湿原だけで無くこちらも中々のものだな…
別寒辺牛湿原を過ぎるとまた眠ってしまいました。


茶内駅。
何故か銭型警部のパネルが置いてあります。


8:13、根室駅に到着。


日本最東端の有人駅です。
ちなみに、札幌-根室だけでも
一ノ関(岩手県)-東京くらいの距離があります。
随分遠いところまで来たなぁ…
しかし、まだまだ先を目指します。


8:20発根室交通納沙布岬行きに乗り換え。
最果ての地を目指します。


根室は北方領土に最も近い街。
普通の街の交通安全の看板を超える頻度で
北方領土返還運動の看板があります。
そう言えば、北海道はテレビでも
北方領土返還のCMがやっていたな…


人家も疎らな雪原を行きます。
あー、眩しい!
運転手さんは目が痛くならないのだろうか…


こんな場所でも北方領土返還運動の看板はあります。
「返せ!北方領土」って
それを言う相手はロシアなんだから、
ロシア語で書かなければ意味無いのでは…


9:04、納沙布岬バス停に到着。


遂に辿り着いた本土最東端の地です。
静寂が空間を支配している…
ただただ海鳥の鳴く声ばかりが木霊する…


本土最東端であるという事を表す碑よりも
北方領土関連の碑の方が遥かに多いです。
10倍くらいはあります。


四島の架け橋。
中央では希望の火なる炎が燃え盛っています。


納沙布岬灯台。
本土最東端の灯台です。
大量の流氷が流れ着いています。
根室海峡を通ってここまでやって来るものなのか。


いやー、しかし今日は素晴らしい晴天で本当に良かった!
遠くまで良く見えて…
…って、あの山々が国後島なのか!?
北方領土って想像以上に近いです。
ちなみに、上に載せた納沙布岬灯台の写真には
歯舞群島の水晶島等が見えています。


灯台の近くにあった北方館の2階には
無料の双眼鏡が備え付けてありました。
“БЕРЕГОЗАЯ ОХРАНА”…
ロシアの国境警備隊っぽいな。
しかし、あれだけ広い国土を有していながら
こんな極東の地に兵力を割くとは、
やはりロシアも疚しいと感じているのでしょうか。

この後は昼食にしよう…
と思ったものの、何処も彼処も閉店中。
こんな真冬に納沙布岬に来る馬鹿なんて居ないから…?
台湾から来ている人が居たけどな…
探し回った結果、1軒だけ地元の漁師が集う店がありました。


カニラーメン。
カニの出汁が出ていて美味しかったです。


11:50発根室交通根室駅前ターミナル行きに乗車。


12:34、根室駅に到着。
帰りの列車まで時間があるので少し歩いてみます。


案内標識には英語表記だけで無く
ロシア語表記も併記されています。
国境の街という感じですね。
案内標識はロシア語表記をしているのに
北方領土返還運動の看板はロシア語表記しないのか…


と思ったら、一応ロシア語表記しているやつもありました。
と言っても、ロシア人って根室に来るのかな?
そんな事を思いつつ、根室駅から南東へと歩きます。


住宅街を彷徨って漸く見付けました。


JR根室本線東根室駅。
日本最東端の駅です。


快速列車は止まらない途中駅。
待合室も無い板張りのホーム。
辺りはこれと言った眺望も無い普通の住宅街。
最東端という肩書きが無ければ
誰にも見向きされないような駅です。
最南端の西大山駅とはかなり違いますね。
JR北海道も大して力を入れておらず、
隣の根室駅で硬券入場券が買えるに過ぎません。
納沙布岬も大して最東端を推していなかったし、
日本に於いては南北に比べて
東西は大して重視されないのかな?


通過する快速ノサップ。


その折り返しの13:34発根室本線普通釧路行きに乗車。


落石-別当賀間。
荒涼たる景色です。
ドラマ「南極大陸」のロケもこの辺りで行われたとか。
確かに、これで草をちょっと刈ったら
南極と言われても納得しそうだな…
鹿の大群は居るけど。


列車を気にも留めず我が物顔で線路に立ち入る鹿達。
警笛を鳴らして退かせようとすると
のんびり歩いてわざわざ線路を横断していきます。
舐めているな…
鹿による徐行に次ぐ徐行で遅々として前に進みません。


ワシまで線路内に立ち入っていました。
良くぞこんな無人の荒野に鉄路を通したものだ…


ルパンのパネルが立っている浜中駅。
何故…
次元とかのパネルも何処かの駅にあるのかな?


15:02、厚岸駅に到着。
あれだけ徐行したのに定時なのか。
鹿も考慮してダイヤを組んでいるのかな?


厚岸は牡蠣の産地として有名です。
厚岸駅近くの道の駅で食べられるとの事なので
夕食にと考えて降りてみました。
しかし、流石に夕食にしてはまだ時間が早過ぎるので
街を散歩して時間を潰す事に。


埠頭のカモメ。
この近くに地元の海産物を扱う市場があったので
お土産を購入しました。
それでも時間は余っているので
この後ろに見えている厚岸大橋へ行く事に。


厚岸大橋から見た厚岸湾。
流氷が列を成して流れ込んできています。
何故こんな潮の流れがあるのだろう?


反対側の厚岸湖。
こういうところが実家だったら
どういう人生を歩んでいたのかな…


空には綺麗な弧を描く二筋の飛行機雲…
…二筋?
しかも、曲がり過ぎじゃないか?


その後もこの飛行機雲は追いかけっこをするかのように
くねくね曲がりながら最後は北の方へと消えていきました。
もしかして、領空侵犯したロシア空軍に対して
航空自衛隊がスクランブル発進をしてたのかな?
ロシアに対するスクランブル発進は
去年400回を超えると思われる回数行われています。
今は中国の方が脅威になっている感がありますが、
自衛隊の意識する最大の「敵」は
自衛隊設立以来ずっとロシアなのです。
そう考えると、北海道は最前線という事になりますね…


厚岸の夕暮れ。
それじゃあ、そろそろお待ちかねの牡蠣を食べに行きますか!


日が沈んで気温が下がり、
先程まで融けていた氷が再び固まって
滑り易くなった道を慎重に歩き、
線路を跨線橋で越え、道の駅に到着。
牡蠣は…
団体予約の為16:30で閉店!?
一体何の為に厚岸駅で降りたと言うんだ!


予想外の事が起こるのが旅というもの。
気持ちを切り替えます。
嗚呼、牡蠣食べたかったなぁ…
17:56発根室本線普通釧路行きに乗車。


18:51、釧路駅に到着。


またルパン三世?
後に知ったのですが、
ルパン三世の作者のモンキー・パンチ氏は
根室本線の通る浜中町出身なのだそうです。

さて、釧路は海産物を自分で好きなだけ乗せる
勝手丼が有名なのですが、17:00で既に閉店。
どうするか…
悩んだ結果、海鮮は諦めて地元の人々が集う洋食屋へ。


スパカツ。
釧路のソウルフードだそうです。
長崎で言うところのトルコライスでしょうか。
部活帰りっぽい学生達が挙って注文していました。
スパゲッティが乗っている鉄板は熱々で、
食べている内に麺が固焼きそばみたいになります。
名古屋を思い起こさせるB級感で
釧路市民になったような気持ちになれます。
海鮮だけで無く、こういうのも良いものですね。


この後はホテルへ戻ろうと
携帯電話の地図を片手に夜の釧路を歩いていたのですが…
えーっと、公園に突き当たると郵便局が見えて…
おかしいな、公園も郵便局も見付かったけど、
肝心のホテルが見付からない…
あれ?これは洋食屋の前の通りじゃないか!
どうやら、違う公園に突き当たって
違う郵便局を目印にしていたみたいです。
北海道の街は格子状の街路によって
整然と区間されていますが、
その分同じ様な光景や目印が多くて迷い易いです。
公園や郵便局って似たようなのが同じ街に幾つもあるんだな…

あと、信号に付いている名前は交差点に対してでは無く、
「その信号機が立っている区画」に対しての名前なので
「南1東2」という信号機と同じ交差点の別の角に
「南1東3」、「南2東2」、「南2東3」があったりします。
北海道に来たら気を付けましょう。
二度目は無難に大通りを選んで帰れました。

脚注
※「ロシアに対するスクランブル発進」
   cf. 防衛省 – 平成26年度3四半期までの緊急発進実施状況について

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