(無題)

九四旅行第3日目。

7:02、起床。
今日は朝風呂には入らず、そそくさと出発します。
昨日のやまなみハイウェイの続きを走ります。


途中にあった謎の芸術作品。
生け垣で作ってあります。
辺り一面何も無いところに林立していると不気味だな…


その内、地形も芸術作品の様相を呈してきました。
地中の何者かが大地を突き破って
今にも飛び出さんとしているかのような…
樹木の類は殆ど見当たりません。
ただ荒涼とした草原ばかりが広がっています。
北海道みたいだな…
九州もかなり雄大なんですね。
もしかして、これが阿蘇山の外輪山?


阿蘇山麓の街が見えてきました。
凄まじい大きさのカルデラだな…
阿蘇山は噴火の影響なのか分かりませんが
雲に隠れていて見えませんでした。


道路やビニールハウスに火山灰が積もっています。
斯く言う自分の車にもうっすらと灰が。
九州は火山と隣り合わせの生活をしているんだな…


更に不思議な地形になってきました。
火山灰が降り積もって出来た山が所々崩落している…?
道路もろとも崩落しそうな場所です。
阿蘇は西側の麓にばかり道やら鉄道やらがあるけど、
東側はこんな風になっているからだったんだな…
九十九折り、橋梁、トンネルを駆使して
御成山に向かって懸命に高度を増していきます。
地図にあった旧道が小腸みたいな経路でワロタ。


このループ線で熊本県から宮崎県に入り、
もう一度宮崎県から熊本県に戻り、
再度熊本県から宮崎県に入ります。
丁度県境に作ったんだな…


そんな訳で、3ヶ月振りの宮崎県。
と言っても、前回は肥薩線で
端っこをちょろっと掠っただけなので、
実質的には初めてみたいなものです。
今回はちゃんと宮崎県を満喫したいと思います。
急峻な山々が周りを囲みつつも、
かなり開けた、それでいて非常に深い谷間という
何だか不思議な感覚の五ヶ瀬川沿いを行きます。


ん?あれは何だ!?


トンネルの駅…
どうやら、国鉄高千穂線の
未成区間を利用した施設みたいですね。
高千穂線は宮崎県の延岡駅と大分県の立野駅を結ぶ計画で
延岡駅から延びていた路線です。
(立野駅から延びているのは高森線。)
今通ってきたあの峠を鉄道で越えようとしていたのか…


トンネルの駅の名の通り、
廃線のトンネルをお酒の貯蔵庫に転用しています。
面白い活用法ですね。


トンネルの駅から暫く走って高千穂峡に到着。
天孫降臨の地、高千穂です。


まるで人為的に石を切り出したかの様に
直線的な岩肌になっています。
川で浸食されそうな気がするけど、
何故直線的な形を保っているのだろう…


鬼八の力石。
この一帯で悪行を働いていた鬼八が
高千穂神社の祭神、三毛入野命に対して
力自慢をする為に投げたものだそうです。


折角なのでボートに乗ってみます。


カモやボートで混んでいます。
高千穂峡ってカモが住んでいたのか…


滝のすぐ近くまで近付けます。
というか、油断しているとずぶ濡れになります。
夏なら爽快だろうな…
が、12月末の今ずぶ濡れになるのは自殺行為です。


上流側は何処かに仕切りがある訳では無く
時間と体力と技術の許す限り遡る事が出来ます。
制限時間は30分なので、そんなには行けませんが。
高千穂峡を堪能したら、もう一つの神話の地へと向かいます。


天岩戸神社です。
天照大御神が立て篭もったというあの天岩戸です。
天岩戸とされる場所は他にも幾つかありますが、
ここが一番有名ですね。
天岩戸が見られる神域は禰宜さん随伴でないと入れません。
受付で頼めば無料で案内してくれます。
写真撮影は禁止です。
木が茂っていて、岩戸川対岸にある天岩戸は
右半分しか見えませんでした。


「日本の歴史と伝統を守ろう
日本の政治は日本の心で」
天岩戸神社って結構政治色が強いのかな?
いつの時代も宗教と政治は隣り合わせだからな…
中々面白い神社でした。


栃又棚田。
日本の棚田百選にも選ばれています。
さて、この付近には天岩戸神社以外にもう一つ、
どうしても行っておきたい場所があります。


それはこの高千穂橋梁の端にある天岩戸駅跡。
高千穂橋梁は現役時代日本一高い橋梁として有名でした。
天岩戸駅はその高千穂橋梁を間近に見る事が出来ます。
が、この天岩戸駅が全然見付からない。
廃線、廃駅は地図に記載されないので
目に見えるこの高千穂橋梁だけを頼りに
天岩戸駅跡へと続いていそうな側道を捜すのですが、
どうやら全て農道(私道?)のようで
この道すらカーナビの地図には載っていません。
廃線探索は難しい…
諦めかけていたその時。


看板だ!
正式に廃止されてから6年が経過していますが、
完全な状態で残っています。
これが無かったら絶対に気付かないような
細ーい畦道のような道を行きます。


あったー!天岩戸駅だ!
天岩戸駅なんて名前だから
天岩戸神社へのバスでも出ていたのかと思いきや、
全くそんな余地はありませんね。


天岩戸駅ホーム。
高千穂橋梁がすぐ間近に見えます。


流石に高いな…
今も高千穂駅からこの高千穂橋梁までは
高千穂あまてらす鉄道がスーパーカートを運行しており、
それに乗れば高千穂橋梁の上に行く事が出来ます。
列車なら兎も角、小さなスーパーカートでは相当怖いだろうな…
無事、天岩戸駅跡も見られたので帰路に就きます。


途中にあった青雲橋。
日本一高いアーチ橋だそうです。
水面からの高さは137m。
高千穂鉄橋と言い、谷が深いからかこの辺りは日本一の橋が多いですね。
アーチ橋では無く「橋」という括りにすると
昨日の九重“夢”大吊橋(高さ173m)の方が上ですが。


延岡駅まで下りてきました。
ここでレンタカーを返却。
走行距離は470.2kmでした。
ここからは列車で空港へ向かいます。
延岡って宮崎第二の都市だから栄えているかと思ったけど、
予想以上に寂れているな…


延岡駅時刻表。
結構本数が多いな、って?
良く見てみて下さい。
大分方面の列車は17本中13本が特急列車。
普通列車は1日たったの4本しか走っていないのです。
青春18きっぷで宮崎へ行こうと考えている人は注意しましょう。


駅に掲げられていた路線図。
シンプル過ぎワロタwww
ちなみに、宮崎県は沖縄県を除くと
日本一鉄道を利用する回数が少ない県なんだそうです。
まあ…これではな…


16:14発日豊本線特急にちりん15号宮崎空港行きに乗車。
指定席券が売り切れていて焦りましたが、
自由席ががら空きでした。


日向灘を見つつ南へ走ります。
ぼんやりと車窓を眺めていたら…


廃線?
でも、上にソーラーパネルみたいなものが乗っているような…
後で調べてみたところ、
これは宮崎リニア実験線の跡で、
現在はソーラーウェイという太陽光発電所になっているそうです。


日が沈む…
前回は訪れる事の出来なかった宮崎市。
延岡市に比べたらずっと栄えていました。


宮崎空港が見えてみました。
ちなみに、田吉駅と宮崎空港駅を結ぶ
宮崎空港線は日本一短い路線だったりします。


17:31、宮崎空港駅に到着。
宮崎空港は何気に地方空港として初めて連絡鉄道が敷設されました。
何と伊丹空港よりも早く敷設されています。


結構立派な空港。
大分空港松山空港とは大違いです。
宮崎県が如何に空路に依存しているかが分かります。
今まで見てきたように宮崎県は陸路が糞過ぎるので
何と海路までバリバリの現役です。
前回はフェリーで帰りましたね。
今回は空路です。
19:25発ANA348便に搭乗。
20:45、中部国際空港に到着。
そんな訳で、今回の旅行が終了しました。

今回は以前の旅行をちょくちょくなぞりつつ
前は行く事の出来なかった場所を訪れてみた訳ですが、
一度訪れている懐かしさと
前は来訪が叶わなかった場所の新鮮さが相俟って、
不思議な時間感の旅行となりました。
新たな試みとしてレンタカーをフルに使って
鉄道では中々行けない山間部や半島先端部を訪れましたが、
鉄道の通わぬ地でも人々の営みはしっかりと息衝いていて、
案外日本は広いんだなあ…という気にさせられました。
あと、九州は北海道に負けず劣らず地形が雄大ですね。
そして、食べ物が美味しい!
でも、半田からも東京からも遠いのがネックですね…

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