会津旅行第3日目。
6:00、起床。
今日は鉄道で巡るので朝が早めです。
朝食を済ませ、湯野上温泉駅へ。
湯野上温泉駅は日本で唯一茅葺き屋根の駅舎です。
駅舎の中には囲炉裏があったり、
傍には足湯が併設されたりもしています。
あと、猫駅長も居るとか。
何だかてんこ盛りな駅ですね。
7:35発会津鉄道快速鬼怒川温泉駅行きに乗車。
今日は最も歩く日だというのに生憎の雨模様だな…
7:40、塔のへつり駅に到着。
紅葉した木々に囲まれたとても雰囲気の良い駅です。
いつの間にか晴れて良かった。
塔のへつり駅はその名の通り、
塔のへつりという名勝地の最寄り駅です。
これが塔のへつり。
「へつり」というのは地元の方言で
断崖の事を意味するのだそうです。
この様子からは想像出来ないかもしれませんが、
この周辺は出店のような土産物屋が犇めいていて
雰囲気が台無しです。
観光地化の仕方が一昔前なんだよなあ…
岩が穿ってあるところは歩く事が出来ます。
橋を渡ってすぐの岩の上には神社もあったり。
実際に歩いてみるとこんな感じ。
意外と幅が広いので見た目ほど怖くありません。
以前はもう少し長い区間を歩けたみたいです。
こっちは怖そうですね…
8:39発会津鉄道快速東武日光行きに乗車。
紅葉した南会津を走ります。
会津高原尾瀬口駅で福島県、会津鉄道は終了。
ここからは栃木県、野岩鉄道になります。
全長30.7kmの路線に5駅も温泉の名を冠した駅があり、
ほっとスパ・ラインの愛称があるほど沿線に温泉が多いです。
(上三依塩原温泉口駅、中三依温泉駅、
湯西川温泉駅、川治湯元駅、川治温泉駅)
9:56、龍王峡駅に到着。
龍王峡も中々名の通った渓谷です。
驚くほど沢山の人が居ました。
東京に近付いたからかな?
いやー、それにしても絶好の行楽日和ですね。
すぐ近くだけ見て終わるのは勿体無いので、
上流に向かって歩く事にしました。
ちょっと歩くと大分人が減ります。
中央の滝に虹が架かっているのですが…分かりますかね?
最初の写真の滝も虹見の滝という名が付いています。
あの滝に日光が当たるのって
1日の内どれくらいなのだろう…
実は龍王峡の遊歩道は落石で一部通行止めになっており、
白岩からはバスに乗るしかありません。
が、バスの時間がもう間近。
一人旅ならいつもの様に走る事も出来るのですが
祖母が居るので流石にそれは出来ず、
しかも、バス停までが結構長い上りだったので
結局諦めました。
まあ、歩いて戻れば良いか…
と思いきや、バス停に着いてみると並んでいる人達が。
どうやらバスが遅れているようです。
おお、ラッキー!
…と思いきや、待てど暮せどバスがやって来ない。
定刻から30分経っても来ないので
バス停に書いてあった電話番号に電話してみたら、
道路が大渋滞していていつ着くか分からないとの事。
そんなに渋滞しているの!?
目の前の道は全然渋滞していないけど…
仕方が無いので、バス停で待っていた人皆で
隣の駅まで歩く事にしました。
こういう時の謎の連帯感好き。
川治温泉駅に到着。
ここから別のバスに乗ります。
でも、そのバスも遅れていそうだな…
お昼時だし、何かご飯でも…
と思いきや、食べ物屋の類は一切無し。
駅前のロータリーに2軒、閉店した喫茶店があるのみ。
龍王峡駅前には沢山あったのに…
昨日買ったサルナシの実で繋ぎます。
キウイみたいで美味しいですね。
森山欽司銅像。
野岩鉄道は東京と会津を鉄道で直通させるべく、
東武鬼怒川線と会津鉄道(元・国鉄会津線)を繋げた路線。
その実現に寄与した地元の名士です。
元々は国鉄野岩線として建設され、
国鉄の業績悪化に伴ってに工事が凍結されましたが、
地元が第3セクターを立ち上げ、開通に漕ぎ着けました。
三陸鉄道と似た様な感じですね。
東北の人は鉄道にかける思いが強い気がします。
約20分遅れでやって来たバス。
13:41発日光市営バス女夫渕行きに乗車。
どんどん山奥へと分け入っていきます。
14:50、川俣平家塚バス停に到着。
バス停の周囲には何も見当たりません。
ここでの目的はこの瀬戸合峡。
鬼怒川にあるダムの内、
最上流に位置する川俣ダム周辺の100mもの深さがある峡谷。
渡らっしゃい吊橋なる吊り橋も架かっており、
峡谷を真上から眺める事も出来ます。
この吊り橋は是非とも渡っておきたい!
しかし、何はともあれまずは昼食。
ダム近くの茶屋でラーメンを啜ります。
この高度になると流石に寒いからラーメンはとても有難い…
お腹を満たしたらいざ吊り橋へ!
と席を立ったら、店員さんが
「どちらに向かわれるんですか?」
と訊いてきたので、吊り橋だと答えたら、
「えっ、ダム周辺は16時閉鎖なので15時以降は入れませんよ!」
…えっ?(現在時刻15:23)
ラーメンなんか食べてる場合じゃなかったー!
ここまで来て橋を渡れないなんてそんな馬鹿な!
ここはもう一度来ようなどと気軽に言える場所じゃないのに…!
諦め切れずに作業員のおじさん達に頼んでみたら、
「特別に裏口から入れてやろう!
正面の入口は16時で閉まるけど、
こっちで16時半くらいまで見といてやるよ!
その代わり、暗くなる前に戻って来いよ!」
ありがとうございます!(駆け出しながら)
標準所要時間は1時間らしいけど、
30分で戻ってきてやる!
山道を全力で駆け下りて着いた渡らっしゃい吊橋。
天使の鐘なるものもあったので鳴らしておきました。
立地的には天使というよりも天狗な気が…
うおーっ、深い!
写真では良く分からないかも知れませんが、
真下を覗くのが躊躇われるほどに深いです。
どうやって橋を架けたのだろう…
ちなみに、渡った先には絶壁以外何もありません。
急いで折り返します。
戻る最中に撮った吊り橋。
落下するのに5秒近くかかりそうですね…
…写真を撮っている場合じゃない!
早く戻らないと!
深い谷間ではとっくの昔に日は隠れてしまっている!
蛍の光が流れてきて更に焦り、
列車に乗り遅れそうな時と同じくらいまでピッチを上げ
余力を振り絞って山道を駆け上がったところ、
20分で往復出来ました。
作業員のおじさん曰く、歴代最速だそうです。
やったぜ。
いやー、疲れた…
汗びっしょりになってしまった…
1日5本のバスまではまだまだ時間があるので
もう少し先のバス停まで歩いてみます。
写真は途中にあった川俣集落。
1機だけ信号機もあります。
川俣湖温泉民宿村というバス停がありましたが、
時間もあるし、立ち止まっていると寒いので
まだもう少し先へと進みます。
川俣大橋までやって来ました。
ここにもバス停があります。
バスがやって来るのは(時刻表通りとして)約20分後。
もう少し行けるのかな…
ここにはバスを待つような場所が無いけど…
迷いましたが、ここで止めておきました。
結果的にはこの判断が正しかったです。
川俣ダムによって水没した集落の人が立てた碑。
川俣湖の底には46軒の民家が沈んでいるそうです。
さっき見た川俣集落は移転したものなのかな?
ここより更に上流にも集落があったりします。
徳山ダムの門入と違い車道は続いているので、
陸の孤島にはなっていません。
バスも通っています。
…そのバスこそ、これから乗るバスなのですが。
月が出てきました。
バスはまだかな…
17:06発日光市営バス女夫渕行きに乗車。
ほぼ定刻でやってきた終バス。
もう渋滞は解消したのかな?
川俣大橋バス停の次のバス停までは
優に3,4kmはあり、歩かなくて本当に良かったです。
バスは細い山道を走り続けます。
こんな道で対向車が来たら嫌だな…
と思っていたら、何とダンプカーが。
運転手さんの神業ステアリングで
狭い山道を待避所まで後退して擦れ違っていました。
凄いな…
終点の女夫渕バス停で宿の送迎バスに乗り換え。
一本道だというのに、何故路線バスが宿まで走らずに
何も無いバス停で終わっているのかって?
それはこの先の道が一般車通行禁止だからです。
ここから先は尾瀬の自然保護区域。
この先にある温泉宿と工事の車以外は立ち入りを許されないのです。
一般車が通らないとあって道は凸凹だらけの未舗装路。
ハロン湾へのバスが思い出されます。
鉄道駅から1日4本の路線バスで山道を揺られて1時間半、
そこから更に林道を30分走り続けた場所にある温泉とは一体…
着いたー!
秘湯、奥鬼怒温泉です!
凄まじいところに温泉宿を作ったものだな…
何はともあれ、無事に着けて良かったです。
今夜は疲れた身体を温泉で存分に癒す事にします。
あぁ~生きかえるわ~
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