(無題)

九州旅行第3日目。

7:20、起床。
最初に乗る列車が9時台後半という事もあり、
今日は朝に余裕があり過ぎて暇です。
適当に街をふらついて時間を潰すか。


年中無休で活動する桜島に抱かれた鹿児島市には
町毎に灰捨て場があります。
道路にある泥だと思っていたものも
良く見たら火山灰だな…
車が脇を通ると灰が巻き上げられて目が痛いです。


埠頭にやってきました。
離島の多い鹿児島県に於いて船は必要不可欠です。
先週船で伊豆諸島を旅してから
船も中々良いものだと思い始めています。
ここから出るのは奄美、屋久、種子、
それに三島や十島へ向かうフェリー。
十島と言っても、実際は12個島があるそうですが。
十島(12島)
三島村は本当に3島らしいです。


桜島は見えないか…
昨日はあれだけはっきり見えたんだけどな…
海も結構時化ています。


出航するフェリー。
こんな時化た日に乗りたくは無いな…


村域に7つもの有人島を抱える十島村には
独特の問題があります。
それが、「役場を何処に置くのか」。
中心的存在の島がはっきりしている訳でもなく、
何処に置いても依怙贔屓のようになってしまう…
という訳で、三方一両損と言うのかは知りませんが、
十島村役場は本土鹿児島市にあります。
この赤色の建物が十島村役場です。


3つの有人島を有する三島村も鹿児島市に役場があります。
この緑色の建物が三島村役場です。


鹿児島駅までやってきました。
鹿児島の中心駅は鹿児島駅ではなく
隣の鹿児島中央駅(旧西鹿児島駅)ですが、
宿に近いのはこちらなのでこちらから乗ります。
鹿児島駅に土産物屋の類は殆ど無いので注意。


9:47発鹿児島本線普通鹿児島中央行きに乗車。


9:52、鹿児島中央駅に到着し、
9:58発特急いぶすきのたまて箱1号指宿行きに乗り換え。
今旅行3回目の観光列車です。
今回は青春18きっぷではなく通常の乗車券である事を
存分に活かしたいと思います。


いぶすきのたまて箱は鹿児島中央-指宿を結び、
雄大な桜島と錦江湾を楽しめます。
海側は白、山側は黒という独特の色塗りが特徴です。
車内はこんな感じ。
JR九州の観光列車の内装はこれで統一っぽいですね。


指宿枕崎線は鹿児島市街を見下ろし、
桜島を遠くに望みながら走ります。
市街を出るとすぐに自然に囲まれる肥薩線とは違い、
指宿枕崎線は割と街中を走ります。
高架化工事もされていたり。


車窓に海が開けてきました。
指宿枕崎線の車窓は海側の方が圧倒的に綺麗なので
山側の席になっていないか心配でしたが、
ちゃんと海側の、それも展望席でした。
長崎駅のみどりの窓口、有能。


あつひで縁の地だという海岸。
あつひで君が誰なのかは知りません。
大河ドラマの主人公らしいです。


知林ヶ島と魚見岳。
指宿はその温暖な気候から
「日本のハワイ」と呼ばれているらしく、
この魚見岳は「日本のダイヤモンドヘッド」だとか。
日本だとhead(頭)じゃなくてnose(鼻)だけどな…


10:49、終点の指宿駅に到着。
指宿枕崎線の真のハイライト区間はこれからだというのに
JR九州は何を考えているのだろう…
まあ、観光列車が走っていない方が帰って燃えますが。
指宿駅は「日本のハワイ」らしく
駅員さんはアロハシャツでした。


次の列車までかなり時間をとってあるので、
指宿を観光したいと思います。
そう言えば、知林ヶ島って運が良いと
トンボロ(陸繋砂州)が形成されて
歩いて渡れるって車内放送で言ってたな。
まあ、3~10月の大潮の干潮時しか無理らしいけど…
え?今日の11~14時は歩いて渡れる!?
神様が誂えて下さったとしか思えぬ時機の良さ!
これは行かねば!


そんな訳で、指宿駅から知林ヶ島目指して歩きます。
うーん、何とも南国な雰囲気。


日本の金剛頭、魚見岳。
登山道がありますが、そこまでの時間はありません。


知林ヶ島。
おぉ、見事なトンボロだ…
早速渡ってみます。


意外と幅が広いです。
そして、見た目以上に長い!
全長800mなのですが、砂で歩き難い為とても長く感じます。


知林ヶ島に到着。
結構疲れた…
灯台等を巡る遊歩道があるそうなのですが、
台風によって崩れたらしく通行止めでした。


知林ヶ島から見た魚見岳。
…そろそろ時間が危ういな。


13:00発鹿児島交通池田湖行きに乗車。
良く良く調べてみたらバスがあったので使う事に。
九州は地理的に韓国からの観光客が多いのか、
車内放送は韓国語でも流れます。
指宿駅まで戻ったら、急いでホームへ。


13:18発指宿枕崎線普通枕崎行きに乗車。


隣の山川駅で行き違い。
ここから先は一気に列車本数が減ります。
さあ、ここからが指宿枕崎線の本番です。


不思議な形の丘が見えます。
遠目に見るとネッシーのような…
ちなみに、指宿市にもイッシーが居るとか。
石井君のあだ名か何か?


そして、薩摩富士こと開聞岳が見えてきました。


これが見えてきたという事はあの駅はもう目の前…!


13:35、西大山駅に到着。
この駅は大手旅行本にも載る有名観光地で、
車で来たと思われる観光客が大勢居ます。
列車で来い、列車で!
中国人観光客まで居ます。
そんな国際的に有名な駅だったのか…


遂に…この地に着いたんだー!
北緯31°11′。
日本最南端の普通鉄道駅です。
車内放送ではJR日本最南端の駅である旨が紹介され、
特別に2分間停車していました。
ただの普通列車でここまでやるJR九州は鉄道会社の鑑。
JR東海なら間違い無く5秒しか停車しない。


「JR」とか「普通鉄道」とか但し書きが付くのは
平成15年に沖縄都市モノレールが開通したから。
とは言うものの、この駅の素晴らしさは変わりません。
最南端を名乗り得る雄大なる景色です。
ちなみに、日本最端の駅に来るのはこれが初めて。
旧日本領最東端・最南端の駅なら行った事がありますが…
(最東端:台南駅、最南端:枋寮駅


幸せの黄色いポストなんてものもあります。
ところで、指宿で昼食を食べ損ねたからお腹が空いたな…
でも、流石にこんな場所に食べ物屋は無いか…


あるの!?
昼食抜きも覚悟していたけど…
これは予想外でした。
九州は観光に相当力を入れていますね。


かいもんカレー。
堆く装われたご飯が開聞岳を表しているそうです。
隠し味に指宿産マンゴーを使用しているとか。
うーん、美味しい!
デザートにマンゴースムージーも食べましたが、
これまた絶品でした。
流石は日本のハワイ、指宿。
…ハワイでマンゴーって採れたっけ?
腹拵えが済んだら、散策を始めます。


日本最南端の踏切。
沖縄都市モノレールに踏切は無いので
これは文句無しに日本最南端です。
西大山駅の東西に1つずつあるので、
どちらが最南端なのか議論百出のところですが…
これについて特に案内はありません。
踏切が日本最南端だからって喜ぶ奴は居ないか…


開聞岳を望みつつ歩を進めます。
偶に農耕用トラクターが脇を走り抜けていったり。
鹿児島は農林水産業が盛んです。


1時間ほど歩いて長崎鼻に到着。
結構遠かった…


指宿には竜宮伝説があるそうで、
長崎鼻には竜宮神社なる神社もあります。
いぶすきのたまて箱も勿論その伝説にかけています。


また、長崎鼻にはソテツが自生しています。
何かと最南端を推す鹿児島ですが、
これだけは北限を推しています。
奥にうっすらと見えるのは本土最南端の佐多岬。


長崎鼻灯台。
上れません。


長崎鼻は溶岩が海に流れ出して出来たもの。
MJが居たら、きっと嬉々として解説してくれた事だろう…
先の方まで行く遊歩道は崩壊しています。


結構波が激しいです。
台風の影響かな?
岩を飛び移って先まで行ったら帰れなくなりかけました。

この後は土産物屋でマンゴーを食べたりした後、駅へ。
バスも考えたのですが、
西大山駅の3駅先の開聞駅に行ってしまうという事で却下。
脚を棒にして西大山駅まで歩く事にしました。


こんなちっぽけな駅でも戻ってくるとほっとするものです。
駅に着いた丁度その時から雨が降り始めました。


17:31発指宿枕崎線普通枕崎行きに乗車。
こんな時間に観光客は来ないという事なのか、
2分間の特別停車は無くすぐに発車。
車内は学校帰りの高校生ばかりです。
開聞駅を過ぎると明らかに保線状態が悪化し、
列車はガタガタ揺れるようになります。
ここまでは余所向けの顔で、
これこそがJR九州の真の姿なのか?
これがいぶたまが指宿以遠に乗り入れない理由か…


頴娃駅。
「あい」って読みたくなる(独並感)


西頴娃駅。
指宿枕崎線最後の交換可能駅です。
ここを終点とする列車もありますが、無人駅です。
日本最南端の有人駅は指宿駅です。


西頴娃以降はこんな感じで藪に埋もれた駅が増えます。
増えるというか、こんな駅ばかりです。
海から艦砲射撃を避けて駅を隠している…?
この辺りが開通したのは昭和38年ですが。


白沢駅。
枕崎空港の最寄り駅です。
枕崎空港は定期就航便ゼロという秘境空港です。
確か、何かの地理の問題でこの辺の地図が出されたような…


そろそろ終点です。


18:24、枕崎駅に到着。
最南端の終着駅です。


稚内駅から続いてきた線路もここで終点。
南と北だと、何と無く北の方が最果てな感じがするので、
ここから稚内駅への長い長い鉄路が始まる、
という方が僕にとってはしっくりきます。
嘗ては伊集院駅から鹿児島交通枕崎線が伸びており、
この枕崎駅は途中駅のようなものでしたが…


あれ?
枕崎線は駅舎が無い哀しき終着駅と聞いていたけど、
立派な駅舎があるな。
案内板を見てみたら、去年竣工したばかりだそうです。


西頴娃-枕崎は1日6往復の閑散区間。
7月にはJR九州が廃止を仄めかすなど、
JR日本最南端の路線もまた危機に瀕しています。
嘗て日本最東端の路線だった松浦線は
遠い昔に第3セクター化されており、
日本で最も端にあるからと言って
情けがかけられる時代では無くなっています。
世知辛い世の中になったものだ…


18:33発指宿枕崎線普通山川行きに乗車。
山川駅で19:39発指宿枕崎線普通鹿児島中央行きに乗り換え。


19:44、指宿駅に到着。
宿へ行く前に駅前で夕食。


温たまらん豚チゲ。
指宿のB級グルメ、温たまらん丼のスピンオフ?
美味しい!
豚の軟骨が箸で切れるくらいトロトロに煮込んであって、
指宿温泉で作られた温泉卵を落として、
ご飯と一緒にかき込むと…
あぁ…
デザートのさつま芋プリンは普通でした。

この後は宿に向かいました。

コメント