(無題)

満洲旅行第2日目。
今日はお目当ての鉄道です。

5:40、起床。
昨日夜冷えでお腹が痛くなって起きた所為で眠い…


窓の外では既に朝市が始まり、大勢の人で賑わっています。
瀋陽の朝は早い。
朝食を食べ、6:30に出発。
バスで瀋陽駅へと向かいます。


バスまで朝型ですね。
19:30で終バスとは…
223路バスで駅へと向かいます。


朝の瀋陽駅。
活気に溢れています。


瀋陽駅コンコース。
広いです。
上海虹橋駅を思い起こさせます。
16番線くらいまであるみたいです。


僕等は13番線から乗車します。
列車が入線したらホームへ。


これまた上海虹橋駅を彷彿とさせる造り。
駅舎は満洲国時代のものを受け継いでいますが、
このホームは新築されたそうです。
7:40発T7317次丹東行きに乗車。
中国国鉄は結構時間に正確です。


瀋陽の街を抜けます。


戦時中の爆撃対策の為なのか、
橋梁は上り線と下り線が別になっています。


瀋陽駅を出てから初の停車駅、蘇家屯駅。
背後に広がる広大な操車場には
長い長い貨物列車が幾つも留置されています。


擦れ違う貨物列車も兎に角長い!
試しに数えてみたら、
機関車1両、タンク車7両、無蓋車60両の計68両編成でした。
鉄道の本来の最大目的は旅客輸送ではなく、
貨物輸送なのだな…と実感させられます。


この辺りからトウモロコシ畑が広がるようになります。


鉄道員…?
どう見ても農民の格好だけど…


陳相屯駅を過ぎた辺りから地形に起伏が出てきます。
偶にトンネルも現れるようになります。
以前、上海虹橋駅から鉄道に乗った時は
見渡す限りの平原だったので何だか新鮮です。
それでも、日本とは比ぶべくも無い平坦さですが。


踏切小屋。
中国の踏切にはほぼ全てに監理員が居ます。
お得意の人海戦術ですね。


偶に真新しい高架が見えますが、
これは瀋陽と丹東を結ぶ建設中の高速鉄道だそうです。
中国は凄い勢いで鉄道網を拡充させているな…
高速鉄道が出来たからといって
在来線が廃止されりしないのは素晴らしい事です。


工業都市本渓。
煙突からもくもくと煙が立ち上っています。
この近くにはかの有名な鞍山もあります。
日本統治時代に開発された
鉄鋼コンビナートがある都市です。
貨物列車の石炭は鞍山に運ばれるのかな?


時たまかなり険しい地形が現れます。


夏を感じさせるな…
中国にもこんな場所があったなんて…


線路脇でゴツい羊が草を食んでいました。
逃げないのだろうか…
もしかして、逃げている最中なのだろうか…


鳳凰城駅。
後ろのタンク車に書いてある「乙醇」とは
エタノールの事だそうで、
甲醇…メタノール
乙醇…エタノール
丙醇…プロパノール
丁醇…ブタノール
というように、十干で炭素数を表しているのだとか。
片仮名という表音文字で外来語を書き表す日本語と違い、
漢字という表意文字しかない中国語の訳語は面白いです。


そうこうしている内に街が近付いてきました。


12:07、丹東駅に到着。
途中かなり徐行した所為で30分ほど遅れています。


瀋陽から列車で4時間。
辺境の地にしてはかなり栄えています。


駅から東南東に向かって歩きます。


川に着きました。
その名を鴨緑江。


そう、何を隠そうこの丹東、
中国と北朝鮮の国境の街なのです。
日本にとって近くて最も遠い国、北朝鮮。
それが肉眼で見られる場所なのです。
ちなみに、中国人にとっても北朝鮮は異質な国なのか、
この鴨緑江の川辺は大勢の中国人観光客で賑わっています。


朝鮮戦争時に米軍によって破壊された鴨緑江断橋は
1993年に整備され、今では一般公開されています。
折角なので渡ってみる事に。


右岸が中国・丹東、左岸が北朝鮮・新義州。
中国はあてつけの如くビルを建てていますね。


鴨緑江断橋の端。
爆撃で鉄鋼が拉げています。


対岸の北朝鮮を望む。
ウォータースライダーみたいなもので遊んでいます。
北朝鮮にもウォータースライダーはあるんだな…
そう言えば、中朝国境は鴨緑江の真ん中にあり、
鴨緑江断橋の端は鴨緑江真ん中よりも北朝鮮側なので、
僕は今、北朝鮮に居るという事になります。
初の北朝鮮です。
韓国より先に北朝鮮に行く事になろうとは…


鴨緑江断橋を降りたら、タクシーで北へと向かいます。


20分ほどで虎山長城に到着。


万里の長城の東端です。
1992年に修復されたのだとか。
万里の長城も初めてです。
北京の万里の長城は滅茶苦茶混んでいるそうですが、
虎山長城は程良く空いています。
韓国人観光客が多めです。


かなり急な登り。
結構辛いです。
暑い…


最後の狭い階段を上れば…


着いたー!
いやー、壮観だ…


登ってきた虎山長城。
短いですが、一般客が立ち入れるのはここまでです。
景色を堪能したら下ります。
帰り道に
日本イルボン日本リーベン日本にほん?」
と韓国人観光客の家族から話し掛けられ、
色々お話しました。
長男が立命館大学出身の日本語ペラペラで驚き。
お父さんはアイスを奢って下さいました。
旅は道連れ世は情け。
何だか今回は奢られてばかりだな…

虎山長城観光を終えたら、タクシーで丹東駅に戻ります。
このタクシーが速いのなんの。
70km/h制限の道路を90km/hで走る車を
110km/hで追い抜くという。
70km/h制限の一般道という時点で日本人には驚きですが。


16:21発K958次青島北行きに乗車。
さらば、丹東…!


満洲の夕暮れ。


本渓で巨大な炎が立ち上っていましたが、
そういう仕様の工場なのでしょうか…


21:10、瀋陽駅に到着。
この後はCZ宅に戻りました。

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