台湾旅行第5日目。
実質的には今日が最終日です。
6:54、起床。
本当はもっと遅くても大丈夫だったのですが
自然と起きてしまいました。
文化園區バス停から
8:48発花蓮客運1141路梨山行きに乗車。
実は梨山に向かうバスは1日1本だけです。
行きませんが。
今日の目的地はタロコ峡谷です。
尚、このバスはバス停の表示板や
下車ボタンが付いていないので、
乗車する際に運転手に行き先を継げて運賃を払います。
東部幹線を渡る。
ここで鉄道写真を撮りたいな…
バスは山へと入って行きます。
台湾人の乗客が下車の際、運転手に対して
「運ちゃん、謝謝」と呼び掛けているように聞こえる…
空耳かな?
タロコ峡谷に入って来ました。
良くぞまあこんなところに道を通したものです。
この東西横貫公路は日本到着時代に作られたとか。
悲惨な歴史がありそうですね…
サイクリストも結構居ます。
このバスもまた速い!
室戸や足摺のバスは後ろに他の車が居ると
路肩に出て抜かしてもらっていましたが、
このバスは前に他の車が居ると
対向車線に出て抜かします。
やはり、台湾の人はせっかちなのだろうか…
10:05、緑水バス停に到着。
時刻表より2分早いです。
台湾の田舎でバスを使う際には
余裕を持ってバス停に向かいましょう。
緑水には2kmちょっとの遊歩道があるので
それを歩いてみます。
思ったほど熱帯らしさはありません。
そこそこ標高があるからかな?
手掘りの隧道。
中は真っ暗です。
こんな事もあろうかと
ヘッドライトを持ってきておいたのさ!
まあ、10mくらいの長さでしたが。
隧道を出るとこんな道に。
石が落ちてくるから素早く通過せよ
みたいな立て札が立っています。
こんな絶景の道を素早く通過するのは
何とも勿体無いような気がしますが…
タロコ峡谷にはヘルメットの貸出所もあるそうです。
如腸之廻
如河之曲
人定勝天
開此奇局
暫くするとまた森の中に入ります。
慰霊碑。
難工事を極めたであろう道路作りが偲ばれます。
タロコ峡谷には慰霊碑が幾つもあったそうですが、
その多くが草木に埋れてしまったり
自然災害によって破壊されたりしたそうです。
タロコの自然の厳しさは半端ではありません。
東西横貫公路まで戻ってきました。
緑水歩道のもう片方の入口の最寄りのバス停は
合流露榮區というバス停のようです。
今からの行程を考えると
こっちのバス停で降りた方が良かったな…
次のバスは…1時間後か。
まあ、歩けない距離でもないし歩くか。
緑水歩道で下ってきましたが、
東西横貫公路で再び上ります。
東西横貫公路から見た緑水歩道。
崖を無理矢理穿っています。
東西横貫公路もそんな感じですが。
長い隧道を抜けると…
着きました!
タロコの深い峡谷の中に
隠れるように佇む天祥です。
歩いてお腹が空いたので昼食に。
竹筒飯と何とか住民何とか肉。
この固めの脂肪と赤身の濃厚な味わいは…
イノシシの肉かな?
臭みが全く無くて美味しいです。
竹筒飯はその名の通り
竹筒に餅米が入って炊かれています。
口の中に広がる仄かな竹の香りが絶品。
昼食を済ませた後はお寺へ。
祥徳寺というお寺のようです。
階段を上ります。
流石に脚に疲労が溜まってきたな…
着いた!
一際目立っていた七重塔。
フランス人らしき団体が
この目の前で煙草を吹かしていました。
これだからフランス人は…
旅先での軽率な行動は
故郷を貶める事になるので注意しましょう。
祥徳寺の本殿。
寄付金のお願いで書いてあった文がまた凄い。
このタロコでは引っ切り無しに自然災害を受ける為、
お寺を維持するには皆様の支えが必要です
みたいな事が書いてありました。
そんなの建てる前から予想出来ただろ…
世界最高36尺地藏菩薩。
何が世界最高なのかは謎。
修復中でした。
自然災害を受けたみたいだな…
お寺から見たタロコ峡谷。
旧道らしきものが見えます。
上り下りで汗をかいたのでアイスを購入。
売店のおばちゃんとのやり取りで
初めて中国語で受け答え出来ました。
「請給我這個。」
「五十(元)。哪裡來?」
「日本。我是日本人。」
「哦~」
程度でしたが。
アイスを食べ終えたら天祥バス停へ。
バス待ちをしている間、
アメリカのミシガン州から来たという
お爺さんと英語で話をしていました。
英語は共通語だから、世界の何処でも大丈夫だよ!
日本人なら漢字が分かるから更に便利だね!
と言っていました。
それは痛いほど感じております。
現代のアメリカや嘗ての中国など、
大国が及ぼす文化的な影響というのは
意外なところで繋がりを生むものですね。
14:00発花蓮客運1133路花蓮火車站行きに乗車。
14:58、新城駅に到着。
太魯閣駅の別名が示すように、
タロコ峡谷への最寄り駅です。
バスの殆どは花蓮駅始発ですが。
15:42発4207次區間車宜蘭行きに乗車。
東部幹線は景色が良いです。
16:03、和仁駅に到着。
断崖絶壁が続く台湾東海岸の中で
良里溪河口のほんの少しだけ開けた場所にある駅。
石灰石輸送の拠点としての役割が強く、
旅客列車は日に8往復だけです。
南廻線に比べればマシですが。
駅の出口へは地下道を通って行きます。
出口には2匹の野良犬が。
駅犬?
凄く人懐っこく、尻尾を振って近付いてきました。
撫でたりは出来ませんでしたが…
和仁駅外観。
改札とかは一切無かったな…
駅からは石灰石を運ぶベルトコンベアが伸びています。
何処に続いているのかな?
長っ!
良里溪の遥か上流へと消えています。
トラックでも輸送しているようです。
嘗ては鉄道(トロッコ?)での輸送もあったのか
錆びたレールが草むらの中に放置されていました。
いやー、それにしても絶景だな…
丁度晴れてきたし。
折角だから、撮り鉄しようかな?
良里溪を渡る232次自強號花蓮行き。
TEMU1000系、通称太魯閣列車です。
全車指定席車の台鐵のフラグシップ列車です。
良里溪を渡る229次自強號樹林行き。
名鉄築港線からこんなところに来たんだな…
良里溪とは逆の方向にも歩いてみます。
巨大トラックが頻繁に行き来して少し危ない。
石灰石を運ぶ貨物列車。
この時にも石灰石を積み込む作業は行われていました。
東西横貫公路も凄い道でしたが、
蘇澳と花蓮を結ぶ蘇花公路もまた凄い道です。
ここは蘇花公路の中でも最大の難所、清水断崖。
足摺岬の何倍ものスケールがあります。
運転免許証があればドライブしたのだけど…
太平洋を横目に走る4184次區間車花蓮行き。
じゃあ、そろそろ戻るか。
和仁駅に戻ってみると
ホームには15人ほどの人が居ました。
石灰石の工場で働く人達かな?
特急列車の前を横断する犬。
危ない!
17:04発653次莒光號彰化行き。
こんな駅ですが、1日1本だけ莒光號が停まります。
通勤用かな?
17:11発4038次區間快車花蓮行きに乗車。
區間快車が停まるのも1日1本だけです。
やはり通勤用のようですね。
列車の中は大混雑。
小学生の遠足かな?
手拍子をしたり掛け声をかけたり大賑わいです。
車掌さんまでノッています。
17:44、花蓮駅に到着。
我先にと乗車するおばさん、おじさん達。
この所為で降りるのに苦労しました。
先下後上って書いてあるやろ!
さて、再び花蓮に戻ってきました。
ここで夕食にします。
あれ?昨日よりも随分暗い気が…
一斉休業でもしているのかな?
信号機も消えているな…
停電?
中正路まで来ると灯りが灯っていました。
あの区画だけ電気工事でもしているのかな?
花蓮の夜市。
高雄のものに比べると小規模ですが
その分地元に密着している感じです。
地元の人が行列を作るこのお店に入る事に。
台湾人の観光客もいました。
肉何とか麺。
とろみの付いたスープに
豚肉のつみれと細麺が入っています。
小籠包。
汁はそんなに入っていません。
どちらかと言うと肉まんに近い感じです。
タレが良く合います。
デザートの椰果奶茶。
ココナッツミルクの入った紅茶
かと思ったら、ナタデココも入っていました
椰果(ナタデココ)+椰奶(ココナッツミルク)
=椰果奶って事なのかな?
花蓮市街の中心は駅から少し離れていますが、
これは嘗て花蓮と台東を結んでいた鉄道の駅が
今の花蓮駅とは違う場所にあったから。
現在は總站(総駅)という地名になっており、
廃線跡は舊鐵道行人徒歩區の名で
遊歩道として整備されています。
20:13発240次自強號臺東行きに乗車。
お店で並んだりしたので結構ギリギリでした。
まあ、これに乗れなくても帰れるのですが、
これに乗った方が好都合なので。
車内で前の席に座っていた男の子が
振り向いて来たので
身振り手振りで返していたら
やけに懐かれました。
中国語(台湾語?)で何やら話し掛けてきましたが
ドイツ語選択の僕にはさっぱり分からず、
「こいつ言葉が通じないぜ、やれやれ。」
みたいな感じで隣の母親に話していました。
頻りに「アマー!」と言っていたけど、
一体どういう意味だったのだろう…
關山駅に到着。
鈴虫の鳴く声が響く駅前。
長閑です。
關山の月。
ここで泊まる訳ではありません。
列車待ちです。
23:08発655次莒光號高雄行きに乗り換え。
高雄国際空港から帰るのかって?
いえ、違います。
關山から高雄へは時計回り(順行)
南廻線経由が最短ですが、
この655次は反時計回り(逆行)。
台北を経由し台湾を3/4周ほどして
高雄へ向かうという夜行急行列車なのです。
これを使って明朝の始発便に乗ります。
それでは、お休みなさい。
脚注
※「緑水」
正確には「緑」ではなく「碌」の糸へん版ですが、
文字化けするのでこの表記にしました。
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