台湾旅行第2日目。
7:00起床。
ホテルで朝食を済ませた後、街へ。
市政府駅から淡水線新店行きに乗車。
臺北駅に向かいます。
(「臺」は「台」の正式な文字です。)
臺北駅で台鐵の時刻表を手に入れようと思い、
服務中心(インフォメーションセンター)の前で
何と話し掛けるかうろうろしていたら、
「すみません、何かお困りですか?」
えっ、日本語!?
後ろに居た人から話し掛けられました。
何でも、長野の日本語学校で日本語を学んでいて
自分の日本語が通じるか実践しているのだとか。
はぇー、凄いな…
東大中国語選択者で
渋谷駅で困っている台湾人に
積極的話し掛ける奴なんてまず居ないよな…
その人が通訳してくれたのですが、
残念ながら時刻表を売っている店は10時開店との事。
乗る列車は臺北9:00発。
無理じゃん…
うーん、昨日この人に会いたかった!
高雄出身で台湾南部の案内が出来るとの事だったので
Facebookの連絡先を教えて頂きました。
こういう事ってあるんですね。
9:00発115次自強號屏東行きに乗車。
機関車、食堂車合わせて14両編成と長いです。
台鐵は台北市街地では地下化されています。
地下鉄は右側通行なのに台鐵は左側通行。
これは台鐵の路線の殆どが
日本統治時代に作られた名残です。
台湾旅行というと
台北に留まる人が多いように感じますが、
僕はそんな旅行には耐えられません。
昨日は本旅行最初で最後の台北観光。
日本が東京だけでは無いように、
台湾は台北だけでは無いのです。
台鐵にも指定席制度がありますが、
指定席券が無くても
指定席券を持った人が来るまでは座っていて大丈夫です。
上海の時もそういう事だったのかな?
というか、日本の方が特殊なのかな?
板橋駅の先で地上に出て来ます。
緑が濃いですね。
台北近郊の街並み。
失礼ながら、ボロい気が…
樹林駅で擦れ違った區間車松山行き。
女性優先車廂と書いてあります。
台鐵にもあるのか…
あっ!この車両は名鉄築港線で見たTEMU2000系!
再開するとは思わなかったな…
10:11、新竹駅に到着。
うむ、素晴らしい定時運行だ。
10:17発1724次區間車六家行きに乗り換え。
海外で6分乗り換えが出来る国はそう多くありません。
市街地の外れを行きます。
この区間は複線電化高架と超立派です。
10:31、竹中駅に到着。
竹中駅外観。
周囲にはこれと言って何も見当たりませんが大きいです。
11:10発1814次區間車内灣行きに乗り換え。
ディーゼル車です。
車内は何故かテーマパークの乗り物のよう。
ローカル線は徹底的に合理化する日本とは違いますね。
単線非電化。
古き良きローカル線…
と言いつつ、台湾の場合は新しい路線ほどローカル線です。
亜熱帯の森の中に入ってきました。
と、ここで隣に座っていたおばちゃんが
何やら中国語で話し掛けてきました。
何を言っているのかさっぱり分からなかったので
「我是日本人。I cannot speak Chinese.」
と言ってみたら、
今度は英語で色々話し掛けてきました。
持っていた本で僕が鉄道好きだと分かったらしく、
阿里山森林鐵路などをお薦めしてきました。
阿里山森林鐵路に行きたいのは山々だけど、
今回の旅行では時間の都合上行けないのだ…!
その他にも、明日以降に乗る予定のバスの
バス会社に電話して下さったりしました。
大阪のおばちゃんみたいにフレンドリーな方でした。
唯一つ、大阪のおばちゃんと違う点を挙げるならば
英語がペラペラなところでしょうか。
11:52、内灣駅に到着。
おばちゃんの旦那さんが
記念写真を撮って下さいました。
列車を斜めに入れるよう旦那さんに指示するあたり、
おばちゃんは鉄の心を分かっているな…
内灣駅外観。
内灣の街路。
ローカル線の終点だから寂れた街かと思いきや、
商店が立ち並び、活気に溢れています。
台湾人の中では有名な観光地のようです。
異国の下町というのは旅情があって良いですねー!
路地裏から見えた内灣線の折り返し列車。
狙った訳ではなく偶然です。
お腹が空いたので昼食。
客家料理のお店に入ってみました。
これは何とか飯。
…メニューの名前は読めませんでした。
豚の角煮を作った時煮汁のような汁を
ご飯にかけただけというシンプルな料理。
シンプルながらついつい食べてみたくなるような料理です。
お米もまた美味しい!
おかずとして頼んだ何とか牛肉。
…やっぱりメニューの名前は読めませんでした。
この地方の特産らしい香辛料が利いています。
内灣の街の傍にあった内灣吊橋。
渡ってみます。
街からほんの少し離れると
手付かずの大自然が残っています。
この先には先住民族であるタイヤル族の聖地があるとか。
行ってみたかったのですが、
バスが1日3往復しかなかったので断念。
吊り橋の先には特に何も無かったので
内灣の街へ戻る事に。
内灣駅に併設されていた貓行館。
猫グッズの専門店かと思いきや、
台灣鐵道故事館の副題(?)が示すように
台鐵直営の鉄道グッズ店でした。
台鐵本舗は台灣鐵道故事館に店名を変えたようです。
こんなローカル支線の終点にもあるのか…
台鐵の力の入れ具合は凄いですね。
JRも少しは見習って欲しいものです。
台湾人は切符のパロディが好きなようで
切符を模した様々なお土産があります。
台湾では「吉祥語車票」というようです。
Wikipediaにも中国語だけ記事があったり。
切符のお土産は買いませんでしたが、
臺北駅で手に入れられなかった台鐵の時刻表、
旅行台灣護照があったので購入しました。
13:05発1817次區間車竹中行きに乗車。
内灣を後にします。
往路はおばちゃんと話していた関係で
殆ど車窓を見ていなかったので、
復路で写真を撮りました。
富貴駅。
我等が名鉄河和線にもありますね。
台湾でも「富貴」というのは良い意味らしく、
人気の縁起切符の一つなんだそうです。
何故日本の富貴駅はそうならないんだ…
合興駅にあった保存車両。
台湾は日本よりも鉄向けの施設が多い気がします。
竹中駅で13:52発1735次區間車新竹行きに乗り換え。
新竹駅で14:18発2533次區間車海線経由彰化行きに乗り換え。
台鐵の運行形態は日本の鉄道と良く似ているので
乗り継ぎ旅行も簡単に出来ます。
JR西日本も見習って欲しいものです。
竹南駅から先は山線と海線に分かれます。
予讃線みたいですね。
メインルートは山線。
これも予讃線みたいですね。
そして、僕が行くのは勿論海線です。
ここまで予讃線と同じです。
西部幹線の駅は全て2面4線を有していたのですが、
海線の駅は1面2線も多いです。
龍港駅付近で東シナ海が見えました。
ただ、海線と言いながらも
海が見える区間は結構少ないです。
これは牟岐線と(ry
新埔駅。
左側通行なのにホームの右側に停車?
と思ったら、いつの間にか単線になっていたようです。
台鐵の車両は前面展望が見られないのが残念です。
通霄駅で行き違い。
あれ?やっぱりホームの右側に停車しているな…
どういう事なのだろう?
何故か左側を旅客列車が擦れ違った事もあったし。
台鐵は間違い無く左側通行の筈なのですが…
日南駅。
和風な駅舎です。
日本統治時代の大正11年に建てられたとの事。
日本の日南駅よりも歴史があります。
大安溪に架かる途切れた橋。
壊れたのでしょうか?
水田。
日本統治時代に日本から押し付けられた面もあります。
16:08、追分駅に到着。
これまた大正11年竣工の木造駅舎です。
駅名も日本統治時代に付けられたものですが、
台湾で「追分」とは「点を得る(求める)」という意味。
そして、隣駅はその名もずばり成功駅。
「成功」は台湾でも日本と全く同じ意味で、
追分駅発成功駅行きの切符は
「点を得て成功する」となり、
とても縁起の良い切符として知られています。
進振りを控えた東大生は必携ですね。
では、成功駅まで歩いてみる事にします。
追分駅周辺は良くある地方都市と言った感じ。
高速道路に入らないよう横道に逸れます。
街路樹が美しいトンネルを作る興和路。
特に名の通った道でもありませんが。
成功へと続く鉄路。
合っているのか分からないような裏路地を行きます。
標識に依るとこの道の筈…
成功への道のりは厳しい。
あった!
無事成功駅に辿り着きました。
Success!
17:07発2623次區間車三義行きに乗車。
かなりギリギリでした。
ちなみに、この列車は成追線と言って
追分駅と成功駅を結ぶバイパス線を通ってきています。
やけに混んでいるな…
17:25、臺中駅に到着。
通勤・通学時間帯だからか混んでいます。
屋台が並ぶなど雑然とした駅です。
台北よりも活気があるように思えます。
と、ここで一つ大きな問題が。
何と、wifiルーターの電池が切れた。
そして、ホテルの場所は旅行本の地図の範囲外。
唯一の手掛かりはホテルから届いていたメール(中国語)。
まあ、何とかなる筈…
取り敢えず、メールを頼りにホテル行きのバスに乗ろう。
どのバス停なんだ…
バス停多過ぎだろ…
片っ端から探します。
どの路線なんだ…
バス路線多過ぎだろ…
全てこのバス停に止まる路線です。
他に7,8個ほどバス停があります。
取り敢えず、路線図を写真に撮っておいて
通過したバス停の数で降りられるようにしておくか…
ん?1枚だけ剥がれているな。
中台灣客運33號國立科技大學行きに乗車。
行き先からして、これに乗れば行ける筈!
一つ問題点があるとすれば、
バス停で剥がれて無くなっていた路線図が
正にこの33號の路線図だった事でしょうか。
運転席上にある表示を凝視し続けるしかない…!
まあ、何とかなる…でしょうか。
ホテル最寄りのバス停までが長いのなんの。
1時間くらいかかりました。
渋滞の所為なのか…?
やっと着いた福星西安街口バス停。
辺りは既に真っ暗です。
すぐさまにもホテルに向かうべき…
なのかも知れませんが、
お腹が減ったので逢甲夜市へ。
行列していたお店で頼んだ五不雞排。
鶏胸肉の唐揚げをメインにした定食?
持ち帰り中心のお店らしく、
弁当のような容器に入っています。
70元と安いのにボリューム満点。
そして美味しい!
台湾は中国と同じく料理にハズレがありません。
夕食を済ませたらいよいよホテルへ。
…見付からない。
そう言えば、昨日も進む方向を完全に間違えていたし、
今回も間違えているかも知れないな…
メールにホテルの電話番号が書いてあったから、
電話をかけて迎えにきてもらうか。
…が、繋がらない。
まあ、何とか…ならない気がしてきた。
何度かかけ直してやっと繋がる。
ホテルの人なら英語は通じる筈…
しかし、自動車の走行音が五月蝿く、
剰え電波状況も余り良く無い為
何を言っているのか良く分からない。
バス停横のコンビニまで迎えに来てくれと言ったら、
タイワニーズ?
コンビニの台湾語の店名を教えてくれ…?
台中福滿店…
読み方が分からない!
「タイチュンフーマンティエン」
みたいに読んだら、一応納得してくれた様子。
いやー、良かった。
…しかし、30分待ってもやって来ない。
電話がかかってきたものの、
やはり上手く聞き取れない。
どうやら、余り英語が堪能ではない様子。
昼間のおばちゃんの方が上手だったな…
まあ、僕も人の事は言えませんが。
…英語力について何だかんだ言っている場合ではない!
これは本格的にやばい!
コンビニで地図を買って店員さんに道を訊くか…
と、拙い中国語で道を尋ねていたところ、
ホテルから電話が。
道を訊いている最中だというのに!
…待てよ、ここで店員さんに電話を替われば
台湾人同士で話が通じてくれるのでは?
最後の望みを懸けて携帯電話を店員さんに。
…OK?
ここで待てば良い?
一縷の希望に縋って店の前で待つ。
…
キター!!
た、助かった…
初のバイク2人乗りでホテルへ。
僕が歩いていたのと真逆の方向へ進みます。
いや、これは無理じゃないですかね。
仮に日本だったとしても辿り着けるか分かりません。
兎にも角にも、辿り着けて本当に良かった…
今日学んだ事。
ホテルは駅のすぐ近くにすべき。
あと、台湾の人は本当に優しい。
見ず知らずの外国人を積極的に助けてくれました。
しかも、語学堪能。
普通のおばちゃんやコンビニの店員さんでさえ
普通に英語で会話が出来ます。
台湾凄い。
台湾じゃなかったらコンビニで夜を明かしていたな…
脚注
※「台中福滿店」
本当は「タイツォンフーマンディアン」みたいに読む。
ピンインは”Táizhōng fú mǎn diàn”。
コメント