(無題)

四国旅行第2日目。

6:00、起床。

部屋の窓から丁度土讃線が見えました。
昨日の反省を活かし、少し早めに出発します。
バスを使おうか迷いましたが、
阿波池田駅でなく隣の三縄駅にすれば
大分距離が縮まるという事で、三縄駅まで歩く事に。


三縄駅。
味がある木造駅舎です。


7:46発土讃線普通阿波池田行きに乗車。
通学時間帯だからか、高校生の乗客が多かったです。
この列車2両編成なのですが、
面白い事に1両目は男子学生ばかりが、
2両目は女子学生ばかりが乗っています。
別に女性専用車両とかではなくて
自然と棲み分けが為されているようです。


阿波池田駅で8:34発特急むろと1号牟岐行きに乗り換え。
そう、今回は青春18きっぷではなく、
JR四国が発売しているバースデイきっぷという
誕生月なら3日間普通列車は勿論、
特急列車自由席、特急列車指定席、
果ては特急列車グリーン車指定席まで乗り放題で、
しかも、JR四国だけでなく土佐くろしお鉄道という
第3セクター鉄道も乗り放題という
青春18きっぷにも増してお得な切符なのです。
だからこそ、このタイミングで四国旅行をした訳です。
ここからは特急列車を最大限活用していきます。


佃駅からは徳島線に入ります。
愛称は「よしの川ブルーライン」。
清流吉野川に沿って徳島の山地を走ります。
あの窓口の人、何故吉野川側でなく
山側の窓側席をとったんだ…
徳島線は常に吉野川の南岸を走ります。
指定席をとる時は気を付けましょう。
座れれば指定席も自由席も同じ(車両さえ同じ)なので
空いていた吉野川側の自由席に移りました。


阿波半田駅。
ちょっと親近感が湧いたので。
70km/hで通過する列車内から
駅名標を撮るのは中々難しいです。


学駅。
ここの入場券は「入学」という事で
四国随一の縁起切符になっています。


徳島駅。
想像より遥かにショボかった。
クラスメートには徳島県が地元の人も居ます。


徳島駅から牟岐線に入ります。
愛称は「阿波室戸シーサイドライン」。
というと海岸沿いを走るのかと思いきや、
大半は山の中を走っています。


由岐駅を過ぎると漸く海が見えます。
と言っても、海が見える区間はほんの僅かですが。


田井ノ浜駅。
海水浴シーズンのみ開かれる臨時駅です。
池の浦シーサイド駅
みたいな境遇です。


丘の上に小さな城が…
日和佐城という城のようです。


終点に向けてラストスパート。


10:59、牟岐駅に到着。
同じ徳島県ながら、特急列車で2時間25分。
徳島県ってそんなに大きかったっけ…


特急列車はここまでですが、牟岐線はまだ続きます。
11:05発牟岐線普通海部行きに乗り換え。
更に先へと向かいます。


牟岐駅を過ぎると漸くシーサイドラインっぽくなります。
多分、牟岐線を使う大半の人は
何故シーサイドラインなのか分かっていない気が…
そもそも、阿波室戸シーサイドラインという愛称が
どれだけ認知されているのかは甚だ疑問ですが。


スノーシェルターみたいなトンネル。
元々は丘があったそうですが、周囲の宅地開発が進み、
このトンネルだけが取り残されたとか。


11:19、海部駅に到着。


牟岐線はここまでですが、鉄路はまだ続きます。
11:26発阿佐海岸鉄道阿佐東線普通甲浦行きに乗り換え。
更に更に先へと向かいます。


この阿佐海岸鉄道、その道ではかなり有名な鉄道です。
何が有名か?
何を隠そう、この阿佐海岸鉄道阿佐東線、
日本一乗客が少なく、日本一営業係数が悪く、
それ故に日本一経営が困窮している路線なのです。
100円を稼ぐのに400~600円もかかっている有様。
保有している車両はたったの2両。
その内の1両には何とも阿保らしい悲しい逸話があって…
嘗て、保有していた2両の内1両を
操縦ミス(ブレーキのかけ忘れ?)で大破させ、
1両しか車両が無いという危機的状況に陥りました。
丁度その折りに宮崎県の第3セクター鉄道、
高千穂鉄道が台風の被害により廃線に。
その高千穂鉄道が
「車両の処分にはお金がかかるし、
展示したりするならタダであげるよー。」
と呼び掛けたところ、
阿佐海岸鉄道が現役使用目的で名乗りを上げたのです。
実は、そのお下がりが今乗っているASA-301。
貰った当初は再塗装するお金が無く、
「高千穂行き」の行き先を掲げていたとか…


トンネル、高架、トンネル、高架…
定規で引っ張ったかのように
何処までも真っ直ぐ線路が伸びています。
そう、この阿佐東線も
かの鉄道建設公団によって建設されました。


宍喰駅。
阿佐海岸鉄道の中心駅。
車両基地もあります。
…2両分ですが。
和歌山電鉄のネコ駅長たまは有名ですが、
この宍喰駅には伊勢エビ駅長が居ます。
何処に向かう、阿佐海岸鉄道。


11:37、甲浦駅に到着。
阿佐海岸鉄道は日本一短い第3セクター鉄道でもあります。
鉄道建設公団が
「取り敢えず高知県にギリ入るくらいまで作るか。」
と作った路線を押し付けようとしたら、当時の国鉄が
「そんな大赤字確定のゴミを押し付けんじゃねーよ。」
とはねのけ、徳島県と高知県が
「徳島と高知を結ぶ唯一の鉄道だし、
このまま廃線になると関係が悪化しそうだな…」
と気に病んだのか、第3セクター鉄道にしたのです。


甲浦駅外観。
無駄に立派です。


鉄路はここまでですが、旅路はまだ続きます。
11:49発高知東部交通安芸行きに乗車。
更に更に更に先へと向かいます。


誰も居ない…
この写真を撮る為に最後部に移動したら出発してしまい、
次止まったところで前に移るか、と思っていたら、
バス停では誰も乗らず、道に信号機は一切無く、
次に初めて止まるまでに30分間かかりました。
最早笑うしかない。


正真正銘のシーサイドライン、国道55号線を走ります。
ちなみに、阿佐東線は本来阿佐線として
阿波(徳島)から土佐(高知)までを
国道55号線とほぼ同じ経路で結ぶ計画でした。
そりゃあどう考えても無謀だろう…


途中、お遍路さんとも擦れ違いました。
第23番霊場からこの先にある第24番霊場までは75km。
四国霊場八十八箇所巡りの中でも3番目に距離が長いです。
(2番目は第43番から第44番の78km。)
まともに歩くと3日間くらいかかるので
バスに乗る人も居るとか。


夫婦岩。
バス停がそういう名前だったので、
多分この岩を夫婦岩と言うのでしょう。
岩が4つほどあるように見えるけど…
家族かな?


20分振り2回目の停車(6秒間)。
この先にあった高岡第一バス停で
初めて僕以外の乗客が居ました。
お婆ちゃん1人でしたが…


特急列車→普通列車→第3セクター→バスと乗り継いで
やっと辿り着いた正に地の果て。
それは―


12:40、室戸岬バス停に到着。


旅館から5時間強。
遂に室戸岬に到着しました!


うーん、何も無いな…
商業施設さえ殆ど無い…
野島崎龍飛崎襟裳岬と行ってきましたが、
これらの岬と比べても何もありません。
流石は室戸岬と言うべきか…


台風銀座とも呼ばれるこの室戸岬。
地質的にも色々凄いです。
このうねった岩はタービダイト層というもの。
…詳しくは地球物理学科志望の人に訊いて下さい。


山の上に灯台が見えます。
行ってみましょう。


ここから登れるようです。
第24番霊場、最御崎寺への道でもある模様。
遍路道と書いてあります。


これか…?
脇道みたいだな…


亜熱帯の森をひたすら登ります。
サイパンを思い起こさせます。
結構きつい上りだ…


20分程で最御崎寺に到着。
別にお遍路をやっている訳ではありませんが…


そして、室戸岬灯台。
光度160万カンデラという、日本一明るい灯台です。
山の上にある為、灯台自体はそんなに大きくありません。
東大生になってから灯台ばかり行ってますね。
…お粗末様でした。
いやー、ここまで来たんだな…
…下りるか。


室戸ジオパークインフォメーションセンター。
雨が降ってきたので雨宿りさせてもらいました。
地元のおばちゃん3人が居たので、
高知の名物や見所について色々教えてもらう事に。
帰り際にはコアラのマーチまでくれました。
田舎では人の温かさが感じられますね。


14:49発高知東部交通安芸行きに乗車。
ここから先は室戸市の市街を通る為、
このバスは割と利用者が居ました。
5,6人ですが。


15:51、奈半利駅に到着。
鉄道に乗り換えます。


ちなみに、高知県はアンパンマンの作者
やなせたかしの出身地なので
この阿佐線(ごめん・なはり線)の各駅には
やなせたかしが作ったキャラクターがあります。
20駅全てにあるから凄いものです。
これは奈半利駅の「なは りこちゃん」。
溢れ出るネタ切れ臭。
土佐くろしお鉄道だけでなく、
JR四国もやなせたかしに与って
アンパンマン列車(普通の特急列車)を走らせています。
坂本竜馬に次ぐ高知のレジェンドですね。


16:09発土佐くろしお鉄道阿佐線快速高知行きに乗り換え。
この阿佐線が、計画上室戸を回って
阿佐東線と結ばれる筈でした。
阿佐東線と同じく、こちらも第3セクター化されています。
実は嘗て襟裳岬にも同様の計画があったり…


この阿佐線はシーサイドラインです。
…何だか牟岐線の事を根に持っているみたいですね。
最御崎寺への遍路道で疲れたので寝ていました。


後免駅。
ここからはJR土讃線になります。
ごめんごめん謝りまくっている石碑があります。


10分遅れて17:33に高知駅に到着。


高知駅外観。
路面電車も通っている立派な駅です。
路面電車も通わぬド田舎県庁所在地とは違いますね。
…お前の事だよ!名古屋!
ちなみに、成岩中の同級生には
高知大に進学した友人が居たりします。


ひろめ市場。
室戸のおばちゃんがお薦めしていたので来てみました。


予想を遥かに超える凄い活気です。
観光客だけでなく、地元の人でも賑わっています。


これまたおばちゃんに薦められた水産会社のお店。
カツオの土佐造りを目の前で作ってくれます。
燃え上がる炎でカツオの表面を炙る。
迫力満点です。


カツオの叩きとウツボの煮凝り。
最高に美味しい!
カツオの美味しさは流石土佐と言ったところ。
ウツボはあの見た目によらず上品な味です。
海鮮が美味しいというのは最高です。
良いなー、高知大のNY。
東大と高知大の敷地を交換して欲しい。
この後はホテルに戻って就寝しました。

コメント

  1. NY より:

    呼ばれた気がした。
    うちの朝倉キャンパス結構しょぼいぞ?
    まあ次来るときは南溟寮にも寄ってくれ。

  2. sou16 より:

    南溟寮って滅茶厳しいんじゃなかったっけ?
    まあ、大学に近い分三鷹寮よりはマシだが。

  3. NY より:

    呼ばれたry
    うん、確かに毎年やめる一回生が出るくらい南溟は厳しい場所だね。まあ慣れてしまえば余裕だよ。