(無題)

北陸旅行第3日目。
いやー、24日は終日予定があるんだ、残念だなぁ
と言っていましたが、嘘ではなかったでしょう?
7:00起床。
本当は8:00起床のつもりだったのですが、
本来は平日だという潜在意識があったのか
この時間に起きてしまいました。
大学生の哀しき性かな。
朝食を済ませて福井駅へ向かいます。


1番線の隣が3番線?2番線は欠番なの?
と思った貴方。
良く目を凝らしてみて下さい。
奥の方に何か見えませんか?


2番線はここ。
かの寝台特急トワイライトエクスプレスも止まる
長い長い北陸本線ホームの傍らに
肩身が狭そうに佇むこれが2番線、越美北線ホームです。


そう、今日の目的はこの越美北線。
その余りの不便さに鉄研旅行に於いてさえ
行く事を却下されたという路線です。
開業50周年とかでラッピングされています。
あれ?越前大野行き?
確か九頭竜湖行きの筈なんだけど…


先頭車両はベタ塗りです。
こちらは九頭竜湖行きになっています。
越前大野駅で切り離すようですね。
ラッピングに「福井―大野」と描いてあったから
越前大野発着の列車だけラッピング車両なのかな?
9:08発越美北線普通九頭竜湖行きに乗車。


越前花堂駅で北陸本線と分かれ、東へと進路を変えます。
越美北線のホームだけショボい…


遥か向こうに聳える山脈を目指してひた走ります。


越美北線は通称を九頭竜線と言いますが、
実は前半部分で沿って走っているのは足羽川です。
えちぜん鉄道勝山永平寺線の方が
より長区間に渡って九頭竜川に沿っています。


越前薬師駅の辺りから積雪が。


越前大宮駅。
大宮駅があるのは埼玉県だけではありません。
この辺りから雪がちらついてきました。
見るからに寒そうだな…
車内の暖房も明らかに強くなってきました。


雪はどんどん深くなっていきます。
標高を増しているのが目に見えて分かって面白いです。


開けたところに出てきました。
大野市です。


越前大野駅。
列車切り離しの為、ここで13分間停車します。


今となっては貴重なタブレット交換。
越美北線は越前花堂からこの越前大野までで一閉塞、
越前大野から終点の九頭竜湖までで一閉塞です。
一閉塞というのはどういう事かと言うと、
越前花堂-越前大野間31.4kmと
越前大野-九頭竜湖間21.1kmの間は
常に一本以下しか列車が走れないという事です。
仮に一本以上列車が走ると、
単線の為何処かで正面衝突します。
つまり、越美北線52.5kmの中でここ越前大野駅でしか
上下列車が行き違い出来ないのです。


まぁ、そんな事を気にする列車本数ではありませんが。
実は、越前大野駅で行き違いをするのは1日1回のみ。
これが真のローカル線というものです。


越前大野駅外観。
越美北線唯一の有人駅でもあります。


駅のホームにあった駅清水。
ここ大野は名水百選に選ばれている名水の里です。


駅構内に留置されていたラッセル車。
この列車本数だといっそラッセル車で牽引した方が…


腕木式信号機。
JR西日本管内で最後まで使われていたものだそうです。


列車切り離し作業を終えたら出発。
ここから越美北線の本領発揮です。
前面展望にかぶりつきます。


線路内に足跡が…
列車本数が1日15往復に満たず、
かつ特急列車の走らないローカル線では
線路が生活道路として使われている事が良くあります。


下唯野駅。
ここで降りた地元の大学生らしき人が居て驚きました。
帰省?
でも、定期券だったしな…


越前大野駅から先は九頭竜川に沿って走ります。
うーん、銀世界。


踏切があるけど、何処に道があるのだろう…
完全に雪の下に埋まっています。


運転手さんのサービスなのか、
柿ヶ島-勝原間にある橋梁でやけに徐行して
橋梁の上からの景色を見せてくれました。
この遥か向こうに白山があるのか…


勝原駅を過ぎると俄然トンネルが多くなります。
かの鉄道建設公団が作った高規格ローカル線の例です。


終着駅が見えてきました。


10:46、九頭竜湖駅に到着。


「越美(=越前+美濃)」の名が示すように、
福井と岐阜を結ぶ計画だった越美線。
越前花堂駅から伸びる越美北線と
美濃太田駅から伸びる越美南線の
両側から建設されていったものの、
越美北線が福井県大野市の九頭竜湖駅、
越美南線が岐阜県郡上市の北濃駅まで伸びたところで
国鉄改革の一環で工事が凍結され、
どちらも県境を越える事無く、そのまま現在に至ります。


かつては越美北線と越美南線を結ぶ
連絡バス(国鉄バス大野線)もあったのですが、
何処にバス停を作るべきかも分からないような無人地帯で
はっきり言って皆無だった利用者数により、
そのバス路線さえ廃止になったという場所です。
今は大野市営バスが家族旅行村(福井県)まであるのみです。
越美南線に至っては第3セクター化されました。


越美南線まで歩こうかとも考えたのですが…
遭難しそうな気がしたので止めました。
30km以上ありますしね。


九頭竜湖駅外観。
道の駅が併設されていたので覗いてみました。


「消費期限 平成25年10月24日」
ワロタ。
2ヶ月前に切れているんですが、それは…
しかし、この舞茸弁当美味しそうですね…


折り返し10:58発越美北線普通福井行きに乗車。
地元の方と思しき人が4人乗りました。
この折り返し列車は結構地元の利用者が居ました。


舞茸弁当、衝動買いしてしまいました。
運転手さんも「旨いやろ!」と言っていましたが、
これは本当に美味しい!
今まで食べた駅弁の中でピカイチです。
しかも、たったの400円。
福井を訪れた際は是非寄って買ってみて下さい。


12:52発北陸本線普通敦賀行きに乗り換え。


冬の福井に来たのにカニを食べないのは馬鹿だ!
という訳で、既に舞茸弁当を食べたというのに
福井駅で越前かにめしを購入。
七つの大罪の内、暴食に関しては抑えられる気がしない。
これも駅弁展とかがあると
真っ先に売り切れるほど人気の駅弁です。
ご飯もカニ味噌で炊き込んであるこだわりようで
お手頃価格でセイコガニを堪能出来る逸品です。
うん、美味しい!
ただ、個人的には舞茸弁当の方が好きですね。
単に出来てからの時間に依るものかも知れませんが。
売り場にあった舞茸弁当は持った時に
仄かに温かみを感じるほどの出来立てでした。
恐らく、列車到着時刻に合わせて作っているのでしょう。
1日5本しか列車の来ない九頭竜湖駅だからこそ為せる技。
ローカル線の不便さをこんな風に逆手に取るとは…
目から鱗の思いです。


13:45、敦賀駅に到着。
乗り継ぐ列車はまだ来ていないようだな…
ん?特急の入線アラーム?
しらさぎか?サンダーバードか?


トワイライトエクスプレス!?
た、確かに敦賀駅にも停車するけど…
何だこの狙ったような接続は…


それに比べて普通列車の接続悪過ぎィ!
敦賀で38分、近江塩津で26分待ちです。
どうすっかなー俺もなー。


取り敢えず、敦賀駅の売店を覗いてみました。
熱いトワイライトエクスプレス推し。
駅名iPhoneカバー欲しい!
でも、iPod touchは厚みが違うから使えないんだよな…


14:23発湖西線経由新快速網干行きに乗り換え。
2駅先の近江塩津駅で26分待ちの乗り換え…


なのですが、ここで最後の寄り道。
近江塩津駅をスルーして湖西線を乗り通します。


湖西線の通る高島市も良く地理の試験に出ます。
水無川とか、扇状地とか。
あと、鉄道の盛り土の地図記号とか。
湖西線は鹿島線と同じく、
ほぼ全線に渡って高架や盛り土になっています。地盤が弱いのかな?


琵琶湖。
世界の中で見ると塵のように小さい湖ですが、
実際に見てみるとやはり大きいです。


比叡山。
そう言えば、去年の夏にKRと行こうと提案して
結局却下された事があったっけ…
ここもいつかは行きたいな。
そう言えば、若狭湾も却下されてたな…
まだまだ行き先は尽きませんね。


16:05発東海道本線経由新快速敦賀行きに乗り換え。
この山科駅は何気に京都市内、
というか、京都駅の隣駅です。
それで英語のアナウンスがあるのかな?


後ろの鉄路に日が沈む…
さらば北陸…!


米原駅で16:59発東海道本線特別快速豊橋行きに乗り換え。
2両編成ではないのでダッシュはせずに済みました。
うーん、高校時代が思い起こされる車両だ…

18:07、名古屋駅に到着。
この垢抜けない空気…
名古屋だな…

18:22発武豊線区間快速武豊行きに乗り換え。


19:12、東成岩駅に到着。


地元ながら、何気に初めて使う駅。
という訳で、今回の旅行は終了しました。

冬の北陸は食べ物が美味しくて最高でした。
荒々しい自然もまた良し。
そして、北陸の人はやけにフレンドリーですね。
色んな人に話し掛けられました。
親不知ですれ違ったトラックのおじさん、
北陸本線の車内で隣の席だったおじさん、
ラーメン屋で隣の席だったお婆さん、
越美北線の運転手さん…
北陸の人の気質なのか、
僕が話し掛け易い雰囲気だったのか。
カメラを引っ提げた旅行者丸出しの風采だったからかな?
新しいデジタルカメラのお蔭でしょうか。
まぁ、女子には露骨に避けられましたが。

コメント

  1. kuni より:

    湖西線は関西から北陸方面への短絡線として開通したから、高速運転できるように踏切作らなかったんですよー。
    だから全線が盛土か高架なわけ。