白砂山 第1日目

今週もワンゲル部の山行です。
藪漕ぎトレーニング第2弾、佐武流山。
これで3週間連続…
耐えろ…耐えるんだ…!

今回は列車アプローチ。
渋谷駅から埼京線に乗り、
赤羽駅で高崎線に乗り換え、
高崎駅で吾妻線に乗り換え、
23:05に長野原草津口駅に到着。


吾妻線は明るい時間帯に大前まで乗りたかったな…
まぁ、仕方無いか。
長野原草津口駅からはタクシーで登山口へ…
という予定だったのですが、ここでハプニング発生。
先輩が事前の連絡を怠っていた為、
15人(+大量の荷物)分のタクシーが用意出来ないとの事。
翌朝7:00まで待たされる事に。
ワンゲル部は下界の事が疎かだな…
仕方無いので、長野原草津口駅で駅寝する事に。
23:30頃、就寝。


6:05、起床。
本当は6:30に起床するつもりだったのですが、
6:11発普通高崎行きに乗ると思しき学生が
次から次へと車でやってくるので
五月蝿くて起きてしまいました。
いや、まぁ迷惑をかけているのは
明らかにこちらの側なのですけどね。
ローカル線は学生の利用で成り立っているの法則。
まさか、ここまでとは…
同じく長野原草津口始発の
6:53発普通大前行きは空気を運んでいましたが。
一体、何の需要があるのだろう…
そうこうしている内にタクシー(マイクロバス)が到着。
これに乗って野反湖を目指します。


野反ダムによって生じたダム湖、野反湖です。
(これは登山道の途中から撮った写真。)
うーん、曇っている…
ここから登山道に入ります。
8:38、入山。
いよいよ、闘いが始まります。


始めは普通の登山道。
が、ワンゲル部はスピードが凄まじいので
この時点で既に息が上がっています。
エラい…
と言っても通じないのが東京の大学の悲しいところ…
かと思いきや、愛知県出身の先輩が4人も居たので
普通に尾張弁が通じました。
しかも、その内1人は常滑市&旭丘高校出身という。
親近感を抱きますね。
YRとは違う中学校だそうですが。


堂岩の泊場にある沢で飲料水を補給。
冷たくて美味しい…
…のですが、これを担いで山道を歩くのは地獄です。
藪漕ぎは極端に水場が少ない為、
通常1人2発のところ、1人3発水を持ちます。
1発というのはワンゲル単位で2Lの事。
即ち、3発とは6kgもの水を持つという事です。
平地でもこれだけ持ったら辛いというのに…
しかも、五十音順で水を出していく為、
僕は1年生の中ではいつも最後まで
水を持っていなければなりません。
名字が「相川」とかだったらな…
しかし、辛い思いをした方が
綺麗な景色により感動出来るというものだ!



事前に渡された資料には
「眺望の良い稜線歩きが楽しめる」
とあった区間がここの筈だが…
どの辺りの眺望が良いのでしょうか(泣)

12:01

白砂山(標高2139.7m)山頂に到着。
ここから藪に入ります。
…という正にこのタイミングで雨が降り始めました。
しかし、ワンゲル部に雨天中止の概念はありません。
突っ込みます。

先週のネコブ山は雪渓が残っていたお陰で
それほど藪漕ぎをせずに済みましたが、
今回は本格的な藪漕ぎです。
逃げ場などありません。
しかも、雨は次第に激しくなってきます。
ドロドロになる軍手、ビショビショになる下着、
グチャグチャになる靴の中…
そして、やはり僕は考えるのを止めた。

が、最早無心で進めば行けるレベルでもなくなり、
先輩方が緊急方針会議を始める事態に。
そもそも、タクシーの準備不足で
4時間近くロスしている上に、
元々ギリギリの計画だったからな…
結局、佐武流山は諦め、
1927コルまで引き返して宿営する事に。
詰まる所、敗退です。
僕が参加した山行では初です。
それを悔しがるだけの気力すら
僕にはもう残っていませんでしたが。

1927コルと言っても、開けた場所がある訳ではありません。
完全に藪に覆われています。
その藪を踏み倒してテントを張る訳です。
益々激しさを増す雨の中。
死にそうな思いでテントを張ったものの、
当然ながら床面は凸凹な上に傾いており、
雨具や靴下の水分でテントの中はビチョビチョに。
先輩からしても最悪の状況だとか。
寒い…
そして、凄まじく不快だ…
僕は一体何をしているのだろう…
生きるのって…甘くないな。

脚注
※「水を出す」
   自分の持っている水を皆に回して飲み合う事。
   ワンゲルでは水は極めて貴重である為、
   各自が勝手に自分の水を飲むのではなく、
   リーダーから指示された人が水を出すという方式になっている。
※「1927コル」
   コル(col)とはフランス語で山の鞍部の事。
   1927コルとは「標高1927mのコル」という意味。

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