(無題)

今日は名目上春休み最後の日。
春にしては肌寒いですが、天気は快晴。
やはりこれは何処かへ出掛けるしかないでしょう。
という事で、青春18きっぷ使い切りを兼ねて
kuniと共に三重県の方へ旅行しに行きました。

7:52
成岩駅にて普通新鵜沼行きに乗車。
同じ過ちを二度は繰り返さない…!

8:38
金山駅にてJR中央本線の普通名古屋行きに乗車。
僕はここで青春18きっぷに入鋏。

8:43
名古屋駅桜通口にてkuniと合流。
9:03発の関西本線快速亀山行きに乗車。

10:04
亀山駅に到着。
ここで紀勢本線に乗り換えます。

10:08発普通鳥羽行き。
1両の気動車、勿論ワンマン運転です。
飯田線でさえ2両の電車が走っているというのに…


前面展望。
これもまた中々凄い所を走っています。
本線とは一体何なのか。


非常にどうでも良い話ですが、
この阿漕駅は半田の境界線上にあります。
嘘だと思ったら調べてみて下さい。
確かに三重県津市半田の境界線上にありますから。
…オチはこれだけです。

10:58

4分遅れで松阪駅に到着。
お婆ちゃん、運賃くらい事前に調べときゃーよ…
所で、松阪と言えば勿論松阪牛!
という訳で、元祖特選牛肉弁当を購入。
駅弁も鉄道旅行の楽しみの一つですね。


さて、これが今回の第一目的である名松線です。
え?紀勢本線と変わらないじゃないかって?
車両は確かに同じなのですが…


見よ、このスカスカな時刻表。
1日8本。
と言うと、中央本線飯田線の山間部と
同レベルくらいに思えるかも知れませんが、
向こうは特急があるのに対し、
こちらは正真正銘この8本のみ。
それもその筈、何を隠そうこの名松線、
JR東海で輸送密度が最悪、即ち最も客がいない路線なのです。
11:18発普通家城行きに乗車。
JR東海一の閑散路線とは如何なるものなのか…


…意外と普通だな。
確かに田舎ではありますが、
飯田線とかに比べたら可愛いものです。
が、乗客はとんでもなく少ない。
僕等を合わせてギリギリ2桁になるかどうかです。
1両編成の列車でさえ持て余し気味。
飯田線との差は何なんだ…


名松線の車内で駅弁を頂きます。
ウマー(゚Д゚)
日本は食べ物が美味しいです。
幸せです。

11:55

家城駅に到着。
ここでバスに乗り換えます。
鉄道旅行なのにバス?と思うかも知れませんが、
ここから先の家城-伊勢奥津間は
平成21年の台風18号で被害を受け、
現在も代行バスでの運行を行っているのです。
一時は廃止が取り沙汰されましたが、
地元の強い請願により、
平成28年に復旧する事が決定したそうです。


ちなみに、代行バスは元よりも更に少ない1日5本。
まぁ、それで困っている人は居なさそうですが。


12:00発代行バス伊勢奥津行きに乗車。
乗客は明らかに青春18きっぷユーザーばかりです。


代行バスは名松線に忠実に走って行きます。
名松線、端から見ると凄い所を走っています。


名松線の踏切。
草茫々です。
3年も放っておいたらこうなるか…


無駄に立派な伊勢八知駅。
降車客、乗車客はゼロ。
既にこの時点で車内の乗客には
青春18きっぷユーザー4人しかいません。


代行バスもかなりの山奥を走っています。


当然、名松線はそれ以上の山奥を走っています。
この対岸にあるのが名松線の線路。
しかし、ぱっと見た所被害があるようには見えないな。
もしかして、JR東海が台風18号をチャンスと見て、
ただ単に廃止しようとしただけなのでは…


そうこうしている内に終点の伊勢奥津駅に到着。
「みんなで守ろう名松線」…
広見線にもこんなのあったな。
中々立派な駅舎に見えますが…


伊勢奥津駅の入口は左端のここ。
真ん中は町民会館になっています。


名張駅行きのバス。
「名松線」の「松」は松阪の事ですが、
「名」というのは名古屋…ではなく名張の事。
本当は名張まで繋げる予定だったそうです。
道半ばにして盲腸線となった路線は
大抵その後悲惨な運命を辿ります。
美幸線然り、岩泉線然り、この名松線然り。
ちなみに、この名張駅行きのバスは1日1本。
誰が使うのだろう…


伊勢奥津駅ホーム。
立ち入り禁止になっています。


松阪方面を望む。
西中金駅を思い出したのは僕だけだろうか。


伊勢奥津駅名物の給水塔。
…これくらいしか見るものがありません。


家はあるのに、人気が全く無い…
飯田線とはまた違った寂寥感があります。
秘境駅と言うよりは悲境駅ですね。
取り敢えず、歩いてみます。


国道なだけあって2車線歩道付きの立派な道路。
しかし、車は通らない。
何処からか鶯の鳴き声がします。
長閑ですね。
…しかし、本当に何も見るものが無いな。
中途半端に田舎だと却って不利なものですね。
折り返しの代行バスまでそう時間が無いので、
この辺で駅に戻る事に。
鉄分の濃いkuniだから良かったけど、
YRとSTだったらキレていたな…
伊勢奥津駅にて13:21発代行バス家城行きに乗車。

13:54
家城駅到着。
駅スタンプを捺してみました。
うーん、長い事使っていないからなのか、
掠れて模様が読み取れない…


14:01発普通松阪行きに乗車。

14:38
松阪駅に到着。
さて、このまま直帰する訳も無く、
第二目的の参宮線に乗るべく接続の列車を待ちます。

14:46

快速みえ11号鳥羽行きが到着。
これに乗り換えます。
参宮線は多気駅と鳥羽駅を結ぶ路線。
そうド田舎を走っている訳でもないのですが、
併走する近鉄鳥羽線(複線電化)に完全敗北し、
名松線に次いでJR東海2番目の閑散線となっているのです。
ちなみに、JR東海3番目の閑散線は紀勢本線。
つまり、今日乗った路線がワースト3な訳です。
全て三重県なのは何かの因縁なのだろうか…


そこまでド田舎じゃないと言っても、田舎は田舎。
これは紀勢本線との分岐点、多気駅。
一応、ターミナル駅なのですが…


一瞬だけ見えた池の浦シーサイド駅。


名松線が山のローカル線なのに対し、
参宮線は海のローカル線です。

15:25

鳥羽駅に到着。


海だー!
名古屋や常滑と同じ伊勢湾とは信じられない程綺麗です。
しかし、海に来た訳ではないので鳥羽駅に戻ります。


鳥羽駅はJRだけでなく近鉄も通っています。
何気に京都、大阪、名古屋に直通していたり。
静まり返ったJR参宮線のホームと違って、
近鉄鳥羽線のホームは活気に溢れています。

15:59

普通伊勢中川行きに乗車。
え?何故近鉄に乗るのかって?
それは追々分かります。

16:02

池の浦駅に到着。
ここからは徒歩です。


歩道の無い2車線の道路を注意して歩いていきます。
いやー、長閑な漁村という感じですね。
海沿いの田舎は山奥の田舎ほど
寂寥感は無いように感じます。
所で、向こうに見えるあのフェンスは何なのだろう…


あ、参宮線の線路だったのか。
しまった、もう少し待っておけば…
…そう言えば、逆方面の列車がもうそろそろ来るな。


という訳で、盛り土の上から撮った海と参宮線。
盛り土の上からだと構図が難しい…


海と参宮線その2。
男子高校生2人が盛り土の上でカメラを構える光景は
中々異様なものですね。


さて、目的地が見えてきました。


国道42号線から逸れて脇道に入ると…


着きました、池の浦シーサイド駅です。
参宮線の駅が目的地ならJRの列車に乗れよって?
勿論、それで着けるなら僕だってそうしましたよ。
しかし…


これではどうしようもありません。
驚きの白さ、1日0本。
そう、この池の浦シーサイド駅は
夏期の一時期のみ営業する臨時駅なのです。
JR東海では唯一の臨時駅。
利用客は「年間」9人。
ぶっちぎりのワースト1です。


ホームはこんな感じ。
営業中は快速みえが止まったりするので、
ホームは4両編成対応で結構広いです。


池の浦シーサイド駅を通過する列車。
本当にシーサイドだな…


止まらない列車を待っていても仕方無いので、
再び参宮線に沿って歩きます。


歩く事20分余りにして松下駅に到着。


これもまた辺鄙な所にあります。
夕暮れ時の田舎は実に長閑ですなぁ…
…前回の飯田線と言い、今回の名松線、参宮線と言い、
高校生にして世捨て人みたいな事しているな。

17:37

快速みえ24号名古屋行きに乗車。


さらば伊勢よ…!
時は金なり、背に腹は代えられぬという事で、
帰路では追加運賃を払って伊勢鉄道を経由し、
名古屋まで直通で帰ります。
…本当に一刻も早く帰りたいなら、
伊勢市駅から近鉄特急に乗ると最速なのですが。

19:27
名古屋駅に到着。
運賃を節約する為、東海道本線へ。
切り詰められる所は徹底的に切り詰める、
それが貧乏学生の掟です。
19:30発普通豊橋行きに乗り換え。

19:35
金山駅に到着。
ここでkuniとはお別れ。
19:45発特急河和行きに乗り換えます。
阿久比駅で20:11発普通内海行きに乗り換えて成岩へ。

20:20
成岩駅に帰着。
今回は12時間28分の旅でした。
名松線、参宮線は飯田線とはまた一味違いましたね。
飯田線は大自然にも屈しない力強さがあったし、
地元の足となっているのが感じられましたが、
名松線、参宮線は言ってしまえばとにかく哀れ。
地元からも忘れ去られた感があり、悲哀です。
哀しきローカル線でした。
鉄道って沿線に人が住んでいれば良い、
というものではないんだな…

脚注
※「輸送密度」
   旅客総数×平均輸送キロ÷営業キロ÷単位時間(日)。
   4000人/km以下だと廃止が検討される。
   紀勢本線(JR東海)は2,233、参宮線は1,478、名松線は326。
※「美幸線」
   宗谷本線美深駅から興浜北線北見枝幸駅を結ぶ計画だったが、
   途中の仁宇布駅で頓挫した路線。
   日本一の赤字線と言われた。
   昭和60年に全線廃止された。
   cf. 美幸線 – Wikipedia
※「岩泉線」
   山田線茂市駅から現三陸鉄道北リアス線小本駅を結ぶ計画だったが、
   途中の岩泉駅で頓挫した路線。
   JR転換後、日本一の超ローカル線と言われた。
   本来は国鉄末期に廃止される予定だったが、
   並走する道路が余りに酷かった為、
   名松線と共に辛うじて廃止を免れていた。
   が、平成22年に土砂崩れによる脱線事故が発生し、
   平成24年に全線廃止が決定した。
   cf. 岩泉線 – Wikipedia

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