(無題)

今日の世界史の授業。
日中戦争時の日本軍の安全ですよアピール
→本当に安全ならアピールなどしない
→原子力発電も同じ、という流れで原発の話に。
「質量とエネルギーは等価交換なんですよ」と言うから、
一応元理系と自称するだけあって
相対性理論くらいは知っているのかな、と思ったら、
「人間というのは質量を1としたら
精々0.9か0.8くらいしか利用出来ないんですよ。
ところが原発というのは3とか4とか利用しますよね。
あれは鋼の錬金術師で言うと賢者の石であって…」
えっ!?
人類はいつの間にエネルギー保存則を超越したんだ!?
成る程、文転した理由が何となく分かった気がする。
という訳で、理系の僕が注釈を加えたいと思います。
まず、質量とエネルギーが等価というのは事実です。
相対性理論より、E=mc2という関係があります。
そして、実際に物質を燃やしたりすると
ほんの僅かながら質量が減っている為、
質量をエネルギーに変換して
人間が発電等を行っているというのも事実です。
(水の位置エネルギーを利用する水力発電、
空気の運動エネルギーを利用する風力発電、
光エネルギーを利用する太陽光発電は除く。)
しかし、その効率は0.8とかいった次元ではありません。
火力発電ならどんなに頑張ろうが精々10-10程度、
原子力発電でも10-4が良い所です。
しかも、これに加えて廃熱とかもある為、
実際の変換効率はこの更に半分くらいです。
核融合反応での理論値でさえ約3.0×10-3
0.8や0.9というのは質量が完全にエネルギーに変化する
物質-反物質反応でなければ有り得ないレベルなのです。
そんな変換効率の発電所があったら、
50kgくらいの燃料で日本全国の電力消費を
1年間以上軽く賄えます。
今日の和訳。
A little learning is a dangerous thing.
生兵法は怪我の元。

今年度の討論会実行委員会の集大成、
「旭丘からの提言」が全校配布されました。
ここまで1年間の活動がこうして冊子に纏められると
感慨深いものがありますね。
今思えば色々やったんだなぁ…
クラスの男子に「お前じゃなくてKRだろ」とか言われましたが。
失敬な!
僕だってKRの働きを1としたら
火力発電の変換効率か、それ以上くらいの貢献はしていますよ!
…多分。
愛知県全県の公立高校にも1部ずつ配布されるらしいので、
機会があったら是非読んでみて下さい。

脚注
※「日本全国の電力消費1年分」
   1012kWhとして計算。

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